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第7回プレ短コン⑮オタマジャクシさん作

▲66と寄 △同金上 ▲48桂 △同香生 ▲47銀 △同桂成
▲52龍 迄7手。

正解者数23名 (誤解1名、無解2名)
評点2.50(5-1、4-2、3-7、2-8、1-5)13位

☆プレ短コンは駒数制限なしを特色としているのですが、こういうタイプの作品は初めてでした(たまに小学校では見ますよね)。要は玉方の持駒を制限しているわけですが、こういうのもあって良いと思います。

☆で、本作の狙いは、というと…すぐ見てもわからない(笑)。実は37玉とする手がポイントです。これを初手に結構すると36歩の逆王手で詰まない仕掛け。そこで66と~48桂としますと、同香成には今度こそ37玉で詰みます。え、関係なさそう?違います、36歩が打歩詰となるのです!

☆玉方はこれを回避するため、48桂を同香生とするのですが、47銀として桂を跳ねさせれば、玉の尻が空くので、52龍で詰みます。

☆自玉の打歩詰を使った詰将棋は何度か見たことがありますが、更にそれを回避するための生まで出した作品は初めてでした。捻りが深すぎて、もう何がなんだかわからない世界。作者らしい冒険作でした。

** 短 評 **

EOGさん『自玉打歩詰誘致だが無理無理な作り』
ikz26さん『この手の不成はもう食傷気味だが、48桂と逆王手を食らって36に玉方の利きを作りにいくのは工夫されている。ただ初手はなぜ付け足したのか謎だし、6手目成生非限定もどうかというところ』

☆初手はちょっと評判悪かったですね。確かに5手にした方がわかりやすかったかも。

u-makuさん『37銀を取ったらどうするのかと思ったら閃いた』
☆u-makuさんは作風的に似てるかも?

さくかさん『3~5手目は少し面白いと思ったけど、なぜ駒取りを入れる??成生非限定もあるし、いくらなんでも粗雑過ぎる』
中村雅哉さん『4手目不成がテーマなので、6手目の成生非限定は味が悪い』

☆冬眠蛙も少し気になりました。心象的な問題なんですけどね。

ぬさん『双玉で玉方が歩しか持っていないということは……』
ほいさん『狙いがマニアック!』

☆前夜祭はこれくらい騒がしい方が盛り上がりますよね。

奥鳥羽生さん『双玉物では定番になった感もある逆打歩詰手筋だが、それなりに変化もある。作意に無関係の部分の配置には個性がでるところ』
河童Bさん『38香生で打歩詰を回避だが、花駒の多さで嫌になります』
ほっとさん『狙いは3~4手目として、頭2手は必要なのだろうか。ひょっとして誤記による誤解狙い? 邪道ですね』

☆誤解狙いではないと思うのですが、あまり狙いが見えやすいのを嫌ったんですかね。ちなみに配置はすべて積極的な意味づけがあり(飾り駒ではない)、その辺も作者の配慮なのかも。

夏風さん『今回もっとも時間を使いました。というのも馬を取って38角限定打の幻が見えたため。駒を2枚取ると9手に収まりにくいのに気付いてようやく詰みました。高めの評価にできなかったのは6手目非限定と最終手余詰が理由です。理論的な作品だからこそ前者は痛いと思います』
☆そうか、58香から74角がありますね。

後藤進さん『逆王手をめぐる双玉特有の駆引きが面白い』
金子義隆さん『この筋は見たことがあるし、成生非限定はなくしたい』

☆私は玉方の打歩回避の生は初めてだったんですが、やはり前例あるんですかね。

斎藤吉雄さん『攻め方の玉の打歩詰が絡んだ4手目と6手目が狙いでしょうか』
三輪勝昭さん『初手が何故必要か分からない。1点。僕はこの手の作品は好きになれない。因みに8月号小学校の三輪と言う人の作品も解答を出したとしたらCです。評価は作品の出来以外にも好みが反映されています。1点とかCとかは作品を否定しているつもりではないです』
蛇塚の坂本さん『一見3六歩が絶妙の詰めろ逃れと思い気やそれ以上の打歩対応とはこのアイデアこの発想が凄い感覚が破壊される7手詰みと物足りないかそれ以上に余りある』

☆やはり感じ方は人それぞれですね。このタイプは顕著に出る。

秀和歌さん『これにはやられた、が、初手は必要なんですか?』
占魚亭さん『55桂を跳ねさせる工夫』

太刀岡甫さん『玉方打歩をめぐる攻防』
☆これも「玉方」なんですかね(笑)。

利波偉さん『初手が厭味だし、この筋も飽きた』
名無し名人さん『意欲は買いますが、個人的には好きになれないタイプの作品ですね。初手は5手詰では勝負にならないから付け足した感じでしょうか』

☆関係ないですが、作者は多才な方で、ギターや作曲も趣味にされているそうです。1個Youtubeにアップされておられる動画も紹介します。興味がありましたら、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=G0sDj2_GUag

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コメント

悪形、双玉、駒取、非限定など盛り沢山で、最下位にならなかったのが不思議。
「怪作」はいいなあ(山田くん。座布団3枚)
プレ短コンは、駒数制限なしが良いです。(こんな作品でも採用してもらえるので)
パラの短コンは、駒や手数を制限しているので窮屈。
短競のころの短編ならなんでもあり勝負が懐かしい。
9×9の盤面をフルに使って、捨駒などというありふれた手筋なんか入れなくて、駒取という凶悪な手筋を使ってでも、看寿賞がPTCから出たらいいな、と思う私はたぶん変なのでしょうね。
曲の紹介、嬉しかったです。「ママの子守歌」も聴いてください。

投稿: オタマジャクシ | 2014年12月 9日 (火) 13時43分

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