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第7回プレ短コン⑥幻想咲花さん作

▲39香 △同龍 ▲38香 △35角 ▲89成銀△43玉
▲44馬 △同角 ▲54銀上迄9手。

正解者数24名 (誤解1 無解1)
評点3.99 (5-7、4.8-1、4.5-1、4-8、3.5-1、3-4、2-1、1-1)3位

☆88成銀を動かして王手したい形ですが、78成銀は99龍ですし、89成銀は88歩。2枚の龍の利きを1枚の遮蔽駒で止めることはできません。初手35香としても22玉で状況が変わりません。ではどうするか。

☆一見大したことなさそうな23地点が実はポイント。2枚の龍の下の利きが外れると、23とで詰むことを利用して、39香、38香と限定打を連発します。39香に22玉なら78成銀、38香に22玉なら89成銀。限定打を利用して遮蔽駒を二枚にできる、という仕掛けです。素晴らしい。

☆玉方も35角中合(88成銀はこの合駒を角に限定するため)で抵抗しますが、これを取らずに89成銀から44馬で仕留めます。作者らしい論理に満ち溢れた構想作で見事3位入賞しました。

** 短 評 **

利波偉さん『初手は打ってから考える。合駒を動かしての収束は手馴れている』
☆無理ない感じが良いですね。

太刀岡甫さん『2度の最遠打に中合を動かし非常に内容の濃い構想作』
柳原裕司さん『鮎川作×2のアイデア。目の付け所が非凡』

これですね。理想的超短編と思います。

不透明人間さん『序の3手から三谷郁夫作5手詰を連想した』
☆こちらは存じ上げません。三谷さんて5手詰ありましたっけ?

EOGさん『わかりやすい手順。成銀は何とかしたいが』
名無し名人さん『これは幻想咲花さん以外ありえない。香遠打二発と、応手によって成銀の移動場所を変える仕組みが面白い。銀合を品切れにせずに割り切れていれば完璧でしたが…』
☆同香と取る手を使えないので、4銀配置ナシでの割り切りは難しそうかな。

ほいさん『初手を入れるのがユニークですね!まとめかたも良いと思いました』
中村雅哉さん『盛り沢山なのだが、今一つの印象。右上の構図が惜しまれる』

☆この仕組みを成立させるシステムとしては、かなり優秀と思ったのですが。厳しい。

u-makuさん『さすがうまく作りますねえ』
後藤進さん『香の犠打による2枚龍の守備力減殺に意外性がもう少しあれば…』

☆技術的には超難度Aだと思うのですが、いかにも、という形なので解く分にはそう苦労しないかも。まあ、作者もそこは承知と思います。

ぬさん『いかにして、龍を横に並べるか?』
ほっとさん『成銀のせいで角合が出るのがバレバレ。成銀を88に置くところも独特の感覚。でもこういう構想物も嫌いじゃない』

☆そう。成銀を88に置く、という見せ方が作者のセンスの良さだと思うんですよね。こういう感覚はなかなか得難い。

夏風さん『理知的ですが、あっさりしすぎ』
蛇塚の坂本さん『攻守秘術の応酬』

☆初形を含めていかにも作り物、という雰囲気を味わえます。

三輪勝昭さん『これは宮原君ですよね。彼らしい作品。彼だとしたら言いたくないけど(笑)優勝候補』
☆今回は命名ありでしたが、なくても作者バレバレだったと思います。

有吉弘敏さん『この構図で香連打・角中合から馬捨ての収束という流れるような構成です』
河童Bさん『構想の妙、それを実現する作者の力に感心。特に35角合は白眉の一手です』
ikz26さん『成銀の移動箇所によって遮る龍のラインを選択できる構図が秀逸。短編でこの銀合の割り切り方はちょっと感心しないが』

☆もう明らかに作者を知っている感じの評が並んでますね(笑)。

金子義隆さん『詰みすぎて困ったがこういうことですか。88成銀は、まだしも22成銀では。しかし意欲を買う』
☆22成銀置くくらいなら、△42香▲43桂を△31銀△42歩かなあ。迂回のキズはありますけど。

占魚亭さん『焦点への連続遠香打とは恰好いい』
秀和歌さん『竜の焦点に手あり。成銀の潔さ』

☆確かに潔い。ほんと、これはこれでアリ、と思います。

奥鳥羽生さん『なるほど受賞級。下辺・右辺の龍筋と斜辺の馬筋の融合により連続遠打を実現。中合~攻方大駒消去のまとめも秀逸。難解ではないが考えさせるパズル性もあり』
☆作者もお気に入りの作品とのこと。納得です。今後も楽しませてもらえるはずで、期待しましょう。

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コメント

すみません。三谷郁夫作は5手でなく7手でした。(四百人一局集の作品)

投稿: 不透明人間 | 2014年11月28日 (金) 01時32分

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