第6回プレ短コン⑰黒猫さん作
▲38馬 △同銀成 ▲39桂 △28玉 ▲37角 △39玉
▲49金 △同成銀 ▲28龍迄9手。
解答者数30名(無解1名・評点なし1名)
評点4.30 (5-14、4-9、3-6) 優勝
☆大激戦となった今回の短コン。優勝をさらったのは、この作品、いやこの初手でした。
☆26金や39桂、ひねって18龍くらいでも「ふうん、なるほど」位。その上を行きます。上部を押さえている駒をわざわざ龍の効きを遮るように捨てる38馬!普通こんな手指せるかい。
☆39桂と打ってみると、36玉のときに38龍で詰むようになっているわけで、初めて38馬の意味がわかるのですが、28玉の形が感覚的に詰まなそうに見えます。37角と引く手を見つけて、初めて「あ、この初手なんだ!」とわかる仕掛けになっているのが良いですね。
☆3手目の局面から詰ましてみろ、と言われれば、結構簡単に37角に辿り着けそうなのに、初手からでは想到しにくい。1手の煌めきとはこういうものなのだなあ、と思わせる秀作でした。
☆作者はペンネームですが、本名では知る人ぞ知る短編作家です。長らく冬眠されていたのですが、これを機に本格再開してほしいですね。
** 短 評 **
オタマジャクシさん「初手も形も良く絶品」
鈴川優希さん「まさかの初手。対する銀成も裏をかいているようで面白い」
山田淳さん「入玉図ならではの好手順」
☆この味は上部で出すのは難しいでしょうね。
蛇塚の坂本さん「意外な展開面白かった」
三輪勝昭さん「38馬は龍道を消すので指し難い。収束はつまらない」
u-makuさん「まったくの予想外の手順。すごい初手だ」
☆手順のバランスとしては初手に偏るので、あまり望ましくはないのですが、それをどうこう言わせない迫力があります。
流さん「不利感の強い手が続く。匠の技か」
秀和歌さん「初手が巧く、紛れが増えた」
幻想咲花さん「今回の短コンで唯一「神が微笑んだ作品」、ですかね」
☆賜物、という感じでしょうか。もちろん接頭語は「推敲の努力の」です。
利波偉さん「初手が強烈。以降も破綻なく纏まっている」
☆易しいですが、雰囲気が壊れてないのが良いですね。
marsallさん「重要そうに見える29馬は15角と68龍の引き立て役だったのか。この簡素な配置で38馬を実現させたことに脱帽」
水野修さん「難問でした。玉に下段に逃げられそうでそうでもないところが意外でした」
☆56歩が良く効いています。
占魚亭さん「初手一発と言ってしまえばそれまでですが、これは良い入玉図だと思います」
伏窩さん「既視感のある手」
EOGさん「3手目からはパラ1981年12月号吉田健作にあるが、よく練られているとは思う」
☆吉田さんも舌を巻いていることでしょう。
羅刹國さん「初手の意外性。角引きの味の良さ」
中村雅哉さん「これも難しかった。好作」
ぬさん「2手目、下に逃げたときの変化は読みたくないです」
☆しょうがないなあ。と言いつつ、冬眠蛙も解図時は読んでません(笑)。えーと、2手目36玉は37馬として、25玉は55龍、34玉、33金、44玉、55龍迄同手数駒余り。35玉は26馬、34玉、33金、45玉、65龍で早詰。45玉は65龍、44玉、55龍、43玉、33金迄同手数駒余り。割り切れてますね。
名無し名人さん「好手連発で良く出来た手筋物」
不透明人間さん「初手で時間が取られました」
ほいさん「初手の技の難易度が高いと思います」
☆作図的には相当厳しいハードルですね。初手26金なんて17玉で逃れるようには見えませんもん。
夏風さん「初手の味がかなり良いですね。変化が絡みつつ37角まで引き出したのは好印象です」
嵐田保夫さん「3八金からの俗詰筋に誘惑させる初手の不利感に拍手」
☆手数一桁とわからないと、相当苦戦するはず。棋友に出してみると楽しい気分になれそう(←ドS)
しまぎろうさん「変化がややこしく難しかったです」
奥鳥羽生さん「歩3枚の配置で変化を処理したのはさすが!(といっても作者が誰かは知らないが)新構想・新手といったものではなくても、龍筋遮断の前半手順には充分な新味を感じる」
☆間違いなく「さすが!」です。なにはともあれ、おめでとうございました。
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