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2009年11月

プレ短コン④羅刹國さん作

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▲27角△同桂生▲28桂△17玉▲13飛成△28玉

▲39角△同桂成▲18金△29玉▲19金まで11手。

正解者27名 無解1名 

評点3.04(5-2、4-8、3-14、2-4) 14位

冬「続いては羅刹國さんの作品。見かけない名前ですが、パラ誌上では高得点を連発している新進気鋭の作家さんです」

市「2手目同桂生がちょっとばか詰チックな応手だね」

冬「同桂成だと25角、26玉、34角で以下どう応じても同手数駒余りになります。桂生は25角、17玉、13飛成、28玉、39金を防ぐものですが、代わりに28桂が生じてしまいました」

市「お約束の二段跳ねで、この初形からなら充分な出来かと思います…が」

冬「自陣と金がねえ。作者にも事前に確認したんですが、このままでいいです、とのこと。別に実戦形からかけ離れているので、確かに金でもと金でも存在価値としては変わらないかもしれなですが」

市「私も含め、ベテランの方にはなかなか違和感が消えないところかも。評点上はだいぶ損しているようです」

** 短 評 **

利波偉さん「49と配置は44との対比だと思うが、私的には不自然な感じです。玉方桂の二段跳ねですが、直に二段跳ねしないと間延びした印象を受けます。また、最後も金打ち迄にしたいところ」

凡骨生さん「桂生にハッとした。とは金ではダメですか?」

☆ねえ。

風みどりさん「一番難しかったかな」

不透明人間さん「と金の使用は作者の作図感覚でしょうか?」

☆作者の自陣と金使用率は結構高いかも。

馬屋原剛さん「成の変化が見えにくかった」

中村雅哉さん「2手目同桂成と思い込み、その変化の34角が見えず悩んだ。それが詰むと分かり今度は作意が見えず悩む。27同桂生は盲点だったが、その後の手順は今ひとつ。49とや34とも、何で金ではダメなのかわからない」

増田智彬さん「15の桂が2段跳ねをするのだろうなと、第1感でわかってしまったせいか、感動が薄かったです」

☆昨年の本番短コンで全題正解している増田さんからは今回初解答いただきました。すごいカンですね。

真Tさん「収束が残念」

☆この構図だと3手収束にするしかなさそう。1段下げれば金打までに出来ますけど、2手目が生じゃなくなっちゃうし。

坂本栄治郎さん「2七同桂不成が面白い」

隅の老人Bさん「桂生は買えるが、どうして、49と?この感覚は理解できない」

☆もしかして2点くらい下げちゃいました?

隅の老人Aさん「桂生だけでは、少し淋しい」

詰将棋1級さん「初形からは想像できなかった桂跳ね2回」

☆もらった短評は「桂不成2回」でしたが、多分こうかな、ということで修正しました。ご了承ください。

ほいさん「同桂成のほうが難しいなあ。桂不成が売り?」

☆成の変化は34角のとこで金打ちたくなる形ですからね。

でんでんさん「桂の2段活用が気持ちよい。2枚のと金は金の方が自然なような・・・」

たけとひでさん「早指しなら2手目同桂成」

☆切れ負けだったら不成じゃないかなあ。裏返す時間が惜しい(笑)。

たくぼんさん「本筋は25角だと思ったが、普通に27角とは詰棋党には指せないです。それを不成で取るのにまた驚き」

しろねこさん「かなり凝った作品。横一列に並ばせるのは大変」

☆最下段なので、いかにも「整列!」という感じでしょうか。

さわやか風太郎さん「玉方の桂が二度働く感触がいい」

ごぶりんさん「序盤に読み応えあり。収束が惜しい」

けんちゃんさん「桂成の変化での34角がなぜか見えずにかなり悩んだ。駒取りが無意識に除外されているのか?」

☆まーた、筋がいいフリしちゃって(笑)。

ssさん「桂の二段跳ねをシンプルに実現。でも、この初形ならと金にする必要はない気がします」

躑躅さん「桂の2段跳ねはいいのですが、9手で纏められないのでしょうか」

カルルクさん「正解手順はわりと淡泊である一方で、2手目に△同桂成とすると玉が左辺に行くことになり、広い玉をうまく捕まえる手順に濃密さを感じた。ひと粒で2度おいしい作品。ごちそうさまでした」

☆作者に代わって、どういたしまして。

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プレ短コン③さわやか風太郎さん作

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「不動明王」

 

 

 

 

▲35桂△同龍▲33金△同龍▲45角△同飛

▲15桂△同銀▲14金まで9手。

正解者28名

評点3.29(5-2、4-8、3-14、2-4) 8位

冬「守備駒を動かして壁にしたり無効化する打ち捨てモノですね。5手目先に15桂だと同銀、45角に34龍と移動合されて逃れます」

市「35桂から33金の論理性がいいね」

冬「出題時に作者名と作品名を取り違えて出題してしまいました。作者には申し訳ありませんでした」

市「ただ、最終手が同銀でなくて13玉とだと不動じゃない、というヒネクレた?コメントもいくつか。もしかしたら名前無い方が点数上がったかもしれませんね」

冬「作者によりますと、『不動明王命名の由来ですが、右手の剣を怒りのあまり一度二度と振り降ろす様に見立てています。その剣には時として竜が巻きついていると云われています』とのことなので、玉の不動とは関係ないみたいです。でも作意は不動なので、確かにそう見られても仕方ないかなあ」

市「あと良く見たら22歩は銀でもOKですね。構図が重くなるけど、私だったら焦点捨てが好きなので銀にしたかも」

** 短 評 **

SSさん「最後まで3筋で守備駒を翻弄するのかと思いきや、1筋に転戦するのがちょっと意外」

☆転戦って表現がピッタリな感じですね。

カルルクさん「『不動明王』の作名が示すとおり、正解手順では玉が最後まで一歩も動かないまま詰め上がりに至り、面白い。竜を33に持ってくるまでに工夫が必要であったり、45角の捨て駒があったりと随所に詰将棋らしさも見られ、解いて満足」

けんちゃんさん「5手目と7手目を手順前後しそうになる」

ごぶりんさん「手順前後がききそうできかないんですね、奥が深い。8手目13玉は看板に偽りあり」

しろねこさん「33の地点をふさいだことが詰みに結びついています。実戦向け」

たくぼんさん「最後13玉と逃げるヒネクレ者がいそうだな」

☆いませんでした。みなさん素直な良い子です(笑)。

たけとひでさん「手筋物は詰将棋の原点」

でんでんさん「初手~3手目の感触がすばらしい。手順前後を許さぬよく練られた図」

ふかわさん「うっかり手順前後しそうでした」

ほいさん「33金と捨てる前に龍を吊り上げるのがいい演出!」

詰将棋1級さん「当然ながら手順前後を許さないところがいいですね。53角は苦心の配置だが、6手目の角合と余詰を消すぴったりな配置か」

☆53角がないと初手34金、同飛、35桂が成立。作意では働かないので惜しい気もしますが、15桂を入れるこの手順構成だと、この配置しかないかな、と思います。

隅の老人Aさん「不動明王か、弁慶の立往生か?」

隅の老人Bさん「連続の捨駒、上手に出来てる。「不動明王」、大袈裟な命名ですね」 

坂本栄治郎さん「龍の翻弄、良く使われるパターン」

真Tさん「8手目13玉だと…」

☆誤解です。(ウソ)

増田智彬さん「解き手には嬉しいけれど、別につけなくても良い気がする命名だと感じました」

☆短編の命名は余程気のきいたモノでないと厳しい気がします。

中村雅哉さん「手順前後のアヤが面白い」

波崎竹生さん「手慣れた創り。題名は無い方が良いと思う。(笑)」

馬屋原剛さん「先に15桂を打ちたくなる」

不透明人間さん「うまい手順ですが、新味を出すか形で魅せるなどプラスαがほしい」

風みどりさん「手順前後の綾はあるが,いかんせん既視感が強すぎる」

☆15桂を入れた分ちょっと面白い気もしますけどね。

凡骨生さん「二段階で龍を33へ引っ張る」

羅刹國さん「手順前後が成立しないのは評価に値する。題名、なんというヒント」

利波偉さん「8手目13玉なら不動では無い、という突っ込みを思わずしたくなるので、タイトルは付けない方が良かったような、、、。既視感のある手順ですが、まあ良いかと思う手順でもある」

☆どっちですかっっ!(笑)

躑躅さん「6手目の変同が気になります」

☆34合ですね。これは仕方ないかな、というところです。

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プレ短コン②冬眠蛙作(修正図)

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  玉方75銀を59とに変更

  詰方67飛を77飛に変更  

 

 

 

 

 

▲74角△36玉▲25龍△同馬▲63角成△同金

▲28桂△35玉▲75飛迄9手。

2手目47歩で変長につき失格

 

冬「いや、全く面目ない」

市「2手長だからグレーゾーンではあるんだけどね」

冬「2手目で変長では。しかも別に駒数増やさなくても直せるんだもん」

市「紛れを増やそうとしていじったのが大失敗だった」

冬「ねえ。ショックだったなあ。あと、どちらにしても6手目54歩での変同は消せないし、やはりちょっとイマイチかも」

市「74~63の動きがちょっと面白いかとは思ったし、解いた方からは結構評判良かったので残念でした」

冬「変長指摘いただいた躑躅さんには感謝申し上げます」

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プレ短コン①たけとひでさん作

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▲23歩成△14玉▲13と△24玉▲25香△同銀

▲23馬△15玉▲16香△同銀▲14馬まで11手。

正解者28名・無解1名

評点3.48(5-5、4-6、3-14、2-1、1-1) 4位

市「おぉぉ、あぶり出しだ。『1』の字だね」

蛙「今回は作品が到着した順番の数字をある規則で並べたんだけど、偶然この作品が一番最初になりました」

市「作為的ではない、と」

蛙「それより作品を。ただのあぶり出し、ではないですね。香の短打がいい味です」

市「27香は26歩、同香、35玉で逃れと。まあ常識的な範囲ではあるけど。でも4手目同玉の変化の35馬捨ても気持ちいいし、全体的なバランスは取れている感じだね」

蛙「だいぶ好評でした」

** 短 評 **

躑躅さん「理想的なトップバッター」

利波偉さん「田舎の曲詰と香短打だけでは苦しい。せめて大駒一枚は消したい」

羅刹國さん「トップバッターにふさわしい。桂成では詰まないのがミソ」

凡骨生さん「田舎だが随一の曲詰、銀を一段づつ上げるのが楽しい」

風みどりさん「馬捨ての変化の余韻を味わいつつ1の字ですか。なるほど」

不透明人間さん「器用なもんだぜ。よおッ、イチロー!」

☆クリーンヒットでノーアウト1塁ってとこですね。

たくぼんさん「1番で1の字で11手。評価も1…ではなくて4点 でも本当に順番はランダム??」

馬屋原剛さん「完全にランダム?1番にぴったり」

☆そりゃ疑われますよね。いいです、作為的だったってことでも(笑)。

波崎竹生さん「簡単な邪魔駒消去問題かと思ったら意外な詰上がりに」

中村雅哉さん「トップバッターには丁度いい」

増田智彬さん「トップバッターが曲詰なのはお約束?」

☆いやいや、本番の短コンはきっと違うと思いますよ。

真Tさん「まとまりがいいですね」

坂本栄治郎さん「簡素スッキリ」

隅の老人Bさん「山椒は小粒で何とやら、ピリリとしてるよ。詰上がり図も気に入った」

隅の老人Aさん「のど、スッキリ。ラムネの味」

☆AさんとBさんでだいぶ味わいが違うようです(笑)

詰将棋1級さん「意表の詰上がり1、変化の馬捨てが好手。24歩の配置がうまい」

ほいさん「まるで右壁に重力があるみたい。短打、変化の馬捨てが入って素晴らしい」

☆確かに少しずつ引っ張られているような感じですね。

でんでんさん「詰上りがしゃれている、おみごと!」

しろねこさん「最後の詰め上りが見事。芸術作品です」

さわやか風太郎さん「2五香の短打が光っています」

こんさん「並べてみて初めて曲詰に気づきました」

ごぶりんさん「まさに1番。初手の紛れも好変化につながり、心憎い演出」

けんちゃんさん「田舎の曲詰というだけ」

カルルクさん「2本の香車が2本の棒をイメージさせ、それが本作が11手詰であることを暗示させていると思う。詰め上がり図は「1」をあぶりだしており、プレ短コンの第一問にふさわしい。変化手順では馬や香の強さが発揮される一方で、正解手順では馬も香も繊細な動き・働き見せ、小粋である」

☆おぉー、これは深い。作者も感心している?

ssさん「スタートから曲詰めとはいきなりレベルが高い」

☆ところがどっこい、2問目が…。

 

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