« 4月の新作 短評掲示 | トップページ | 5月の新作 解答掲示 »

特別出題 小川悦勇氏作 短評掲示

Ogawa0904  

 

 

 

 

 

 

解答手順はこちらです。

 

しろねこさん『何かとても難しくわかりません。とりあえずいろいろな手筋が混じっていることと明らかに詰む手順を選んでいる点です』

☆じっくり鑑賞してみてくださいネ。

凡骨生さん『まさかマサカ曲詰とは思ってもいませんでした。流石に駒捌きが見事でホレボレします』

☆本当に見事な捌きです。16馬なんて指がしなる一着ですね。

利波偉さん『まさかこの作品が曲詰になるとは思いませんでした。思ったのですが字になると思わなかった作品が字になると、効果倍増ですね。

手としては軽い序奏の後32飛成とする手順が圧巻です。以降も軽い手順に終始しての詰上がり「へ」の字。全般的に軽快な手順ですが、32飛成の中心手も入り、作者の主張もハッキリしています。

努力の跡を感じさせない構図にも「流石」と感心させられました。こういう無理を感じさせない構図を作れるようになりたいものです。』

☆いかにもあぶり出し、という形だと、解図する姿勢がどうしても捌く手を中心に読みますからね。そこは作者の読み筋なのでしょう。全くあぶり出しに見せません。

たけとひでさん『1二銀成は千里眼がなければ指せません。』

☆一言で本質をつきますねえ。でも、実はこんな方も。

たくぼんさん『12銀成は何とはなく指してはしまったが、実に先の長い変化伏線であった。何とはなく指したことに罪悪感を覚えたのは初めてだ。中盤も読みのいる手が続き、クライマックスの32飛成から詰上り「ヘ」まで全く緩み無い傑作。不動駒なしも恐れ入りました』

☆上級解答者はやはりスゴイ。匂いかなんかするんでしょうか(笑)。そういえば確かに不動駒なし。見事です。

坂本栄治郎さん『この作品は、驚きの連続でした。1)初形からの図詰み上がり形の変化の差異。2)煙詰を思わせるような守備駒の消去。3)最後に私の愚かさで3手目1二銀成をなかなか発見出来ず発見後の展開の差に驚きました。そのために時間がかかった事です。大変心驚かされた作品です。又このようなすばらしい作品をどんどん私達に提供してください。宜しくお願いします』

☆驚きと感動が伝わってくる名短評ですね。出した甲斐がありました。ありがとうございます。

DISABLEDさん『それと飛馬の開き王手とそれでやはり主題は12銀成の伏線ですか。後で気付いたけどね。それと飛馬の開き王手とそれをどう繋ぐかを考えた。悩んだのは38飛の合と16馬の選択ですね。ミニ準煙で鮮やかではありますが』

☆38飛が確かに不詰感の強い一着です。変化がよく割り切れたなあと。ちなみに「ありますが」の後は…?

嵐田保夫さん『なかなか詰まず、冷却期間を何日も置いたり、情けないことに最後は盤を出して並べて確認したりしてようやく詰んだような状態。特に途中3七飛から2七飛と2七馬から3五金打以降の変化に嵌り、やっと詰んだと思って確認したら3三玉の好防手を見逃していて間違っていることが分かり呆然。最初からからやり直しになって、やっと3七飛で2七金の筋を成立させるために3手目1二銀成が必要と分かってようやく解明。変化が多岐にわたり閉口した。イヤーとにかく参った』

☆これまた苦労の跡がうかがわれますねえ。しかし、評から見ると普段は暗算…?す、すごい。

隅の老人Bさん『探偵小説では、毒薬は遅く利いて来るのが効果的とか。3手目に伏線、その効果は24手目の変化で現れる。これは、クリスティの「The Murder of Roger Ackroyd」や横溝正史の「本陣殺人事件」を思い出させる手法ですね。
  また、この作品は曲詰の名手、小川悦勇さんの遠い昔の作品、「ヘ」の字の修正図らしいが、改めて、小川さんが、「ヘ」を創作するのなら、この詰め上がり4枚の図は創らずに、詰め上がり7枚あたりで創って欲しいと思います。
 その方が、小川さんの一連の曲詰作品として、字形が揃うのでは?この詰め上がり図は未完成の煙詰として、扱われる可能性もあるしね。
 最近、Aさんの創作意欲が減退している。こう書いておくと,Aさんがきっと、「へ」の名作を創る。皆さん、期して待つべし、乞う、ご期待。』

☆そうなんです。それはあるんですよ。「へ」の字は確かにこれで読めるんですけど、場合によっては都煙にしそこねた…とも言われかねないんですよね。。冬眠蛙もAさんの別な「へ」の字を見てみたいです。

☆惜しくも白旗…という方の評も合わせて掲載します。

さわやか風太郎さん『特別出題。どこから手をつけてよいのやら、皆目見当がつきません。詰め上がり図も想定できないし。困った。まだ日数があるから、折を見てちょくちょく。幾何学の問題を解くようなもので、何の気なしに閃くこともあるかな。こういうのはどうやって創るのだろうか。企業秘密かも』

☆12銀成は相当な閃きが必要ですね。こういった伏線モノの作図は、やはり大変だと思います。どうやって創るのかは今度ご本人に教えてもらわないと。

ごぶりんさん『残念ながらギブアップです。23手目あたりまでは追えたのですが(19手目37飛?までは合っていると思うのですが、そこから馬で追っていくべきか…など)、下に追い落としてからが広くなってわかりませんでした。ミニ煙を想像しながら楽しく進めていたのですが、無念です』

☆おそらく12銀成を飛ばして38飛、17玉まで追った局面まで辿り着いていますし、詰上がりの予想もほぼ当たっているので本当に惜しい。正解手順をご覧になったとき、作者の構想に感心されたのではないでしょうか。

☆最後に今回の特別出題の仕掛け人さんから。

安武利太さん『途中、何の仕掛けもなさそうなところに、作者の狙いが秘められている。曲詰とは思えぬスケールの大きさと、構想を実現させる手腕に脱帽です』 

☆「冬眠日記で出したほうが解答もらえるはず」ということで安武氏から提案いただいて今回の特別出題と相成りました。多分氏のサイト「詰将棋五十音図」で出題しても変わらないはずとは思うのですが、ワタシとしてはこんなにオイシイ話をいただいては飛びつかないわけにはいきませんでした(笑)。本当にありがとうございました。

|

« 4月の新作 短評掲示 | トップページ | 5月の新作 解答掲示 »

今月の新作。」カテゴリの記事

コメント

やはりお願いして良かった
皆さんのコメントと冬眠蛙さんの解説で、この名作に再び命が吹き込まれました。
本当にありがとうございました!

投稿: 安武利太 | 2009年5月24日 (日) 23時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 4月の新作 短評掲示 | トップページ | 5月の新作 解答掲示 »