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2008年9月

順位戦を振り返る。12

 

第14期A級順位戦 評点? 2位(残留)

冬「何この評点?って?」

市「この号だけパラなくしちゃったんだよねえ。困ったものです。確か4点前後だったと思う」

冬「…これは手の説明が必要じゃない?」

市「だね。初手32飛打だと43玉、44金、同玉で逃れ。このとき24に馬がいれば24飛成で詰むので、24銀成を入れる必要があります。でも初手24銀成だと22玉、55馬、44桂で不詰。このとき金が25なら12飛、同玉、45馬で詰むので、初手25桂を入れる必要がある、という仕掛けです」

冬「一目凝りすぎだね」

市「『変化伏線のための変化伏線』が理解されなかったのは残念。まあでも解答者的にはこのテのは手当たり次第に行くだろうから仕方ないね。収束の44金~53馬はなかなかの手触りだと思ったんだけど」

冬「もう2枚くらい少なくできればよかったのにね」

市「かなり危ない橋渡っているからなあ。まあ詰方37歩は玉方36歩の方が良かったかもしれない」

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順位戦を振り返る。11

 

第13期A級順位戦 評点4.19 優勝

市「多分今まで作った短編の中でも一番印象に残ってる作品です」

冬「都合のいい序が入るもんだよねえ」

市「特に最初の2手が入らなくて、だいぶ苦労しました。13手詰の状態で詰とうほくで佐々木さんに見せたんだけど、そこで誉められなかったら折れてたかも」

冬「評点はそんなでもないけど、運よく優勝か」

市「派手さはないので、あまり伸びないだろうとは思ってました。そもそもの狙いの55角は結構マニアックな手だと思うんだけどね」

冬「あまり見ない意味づけだよね」

市「そういえば、玉方44銀を配置すると、55角は新手筋じゃないかなあと思うんだよね。『後で取歩駒が移動して打歩詰にされるのを回避するために、もう一枚取歩駒を用意する』って感じ?」

冬「理解不能。」

市「まあ無駄な駒を置いてまで拘るハナシじゃないってとこだよね」

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順位戦を振り返る。10

 

第12期A級順位戦 評点4.18 2位(残留)

冬「またしょうもない初形だねえ」

市「う~ん。これは狙いがあって収束を後でくっつけたんだよね。大駒消す手を入れたらこんなになっちゃった」

冬「狙いは3~4手目?」

市「んにゃ、初手。同玉の変化で2枚角で捕まえるのが見え難いかなって。で、収束探しでいじくっていたらソッポ龍・ソッポ桂が出てきたの」

冬「実戦でありえない、という点で実にらしい手順だね」

市「もうちょい平凡な収束にすれば駒数減らせるけど、主題とのバランスを考えると、これ位がちょうどいいセンかな、というとこ。まあまあの評価もらえました」

冬「打歩詰大賞の佳作もらったんだってね」

市「全然新手筋とかではないんだけどね。移動合は単なる退路開けだし。ただ、単純に面白さを買ってもらえた、としたらそれはやっぱり嬉しいよね」

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順位戦を振り返る。9

 

第11期A級順位戦 評点4.33 2位(残留)

市「焦点に馬の移動捨合、というパターンで既にいくつか作品出してて、さすがに飽きたな~、ということで2・3年寝かせていた作品です」

冬「…で締切間際になって慌てて、しかたなく作品帳から引っ張り出してきた、と」

市「いや、作品帳にすら載せてなかった(笑)。なんで思い出すのが大変でしたね」

冬「初手の歩突きがまあまあいい味かな」

市「これが入らなかったら流石にボツにしていたと思う。収束がちょっと息切れしてるよねえ」

冬「いつものことでしょ」

市「…。焦点を作って香打ちして、更にそれに対して馬の移動捨合、という構成が結構ウケて、連続2位でした。まあ1位の小林氏作とはド大差でしたけど」

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順位戦を振り返る。8

 

第10期A級順位戦 評点4.09 2位(残留)

市「前回作が飛の直打ちだったので、今回は遠打で創ろう、というのが作図動機です」

冬「またいい加減な…87飛だと77桂、同飛、67桂…47桂で逃れる仕組みだね」

市「何もせず47桂合としたときにこの構図にすると15手駒余りなんだよね。なんで、それ以外の順で15手の詰手順を目標にしました」

冬「結構うまく纏まった方じゃない?」

市「飛を捨てる収束順を見つけたときは我ながら感動しました。でも、やっぱり桂連合の仕組みがオリジナルでない分、訴える力が弱かったみたいで」

冬「遠開きでなく遠打で表現したのは結構手柄だと思うんだけどね」

市「まあ自分的には十分満足できる出来です」

冬「ところでこれ、変化長なんだって?」

市「2手目87歩合の変化が同飛、77桂、同飛、67桂、同飛、57桂、26角、38玉、39歩、同玉、48角以下でこれが2手長。でもさあ、この手順だと77桂と67桂って有効合なのかねえ」

冬「かといって飛ばすと26角~48金で詰む、ということか。微妙だねえ」

市「かなりルールに踏み込む話になりそうですけど、あまり首をつっこみたいとは思わないな」

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順位戦を振り返る。7

 

第9期A級順位戦 評点4.31 優勝

市「第3作品集の解説でも書いたのですけど、8手目58玉の変化の59金、同玉、77飛という豪快な展開が元ネタでこれは三谷氏作から借りました。飛打つ手を入れる方向でアレンジしてみた、というところです」

冬「37飛は打ちづらいねえ」

市「いかにも順位戦向き、と思って勇んで逆算したんですが、最初、出来上がってみたら17手になってしまって(順位戦は15手以下)。頭2手削るとだいぶ落ちるなあ…ということで収束を変えて作り直した記憶があります」

冬「元のはどんなだったの?」

市「取っておいてないんだよねえ…。ほんと困った性分です」

冬「上部の配置はもう少しどうにかならん?」

市「飛捨て合強引に入れちゃったし、持駒が強力なんでいっぱいいっぱいかなあ」

冬「派手は派手なんだけど、全体的なバランスとしてはどうかな、というところかもね」

市「否定しません」

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8月の新作 短評掲示

New08aug  

 

 

 

  

 

 

 

▲52馬上 △34桂 ▲同馬 △26玉 ▲25馬 △同玉

▲52馬 △34桂 ▲17桂 △26玉 ▲56飛 △46桂

▲25馬 △同歩 ▲27歩 △16玉 ▲46飛 △同飛

▲28桂迄19手。

☆☆ 短 評 ☆☆

Disabledさん「なぬ・・・冬眠中なはずの蛙がいきなりピョンっておまwwwわれながらうまいこと言う。この作品に題を付けるとしたら「春蛙」?伏線的構成、これ誤解者増えそうな予感」

☆うまい!冬眠蛙らしい作品でしたか(笑)。最初変別解だったので余計面白く見えたかもしれませんね。

坂本栄治郎さん「この詰将棋は、1二との存在や、5二馬入からの初手など内容盛りだくさんだった」

☆惜しくも変別解でしたが誉めてもらえました。ありがとうございます。

Jupiterさん「アっとビックリの移動中合、面白いです。初手、41馬か74馬か、どちらを動かせば非限定にならないか、と言うことが、解図のヒントになりました」

☆初解答ありがとうございます。なかなか鋭いところを突きますねえ。ここを読みきっておくと後がだいぶラクなんですよね。これからもよろしくお願いします!

嵐田保夫さん「“馬”を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
20日付記事にあった10手目の応手間違いというのは1六玉のことと思いますが、自分もまんまと同じ罠に嵌っていました。記事を 読み再考したら、4六桂の絶妙手がありました。ヒントを与えられ て詰ましているようでは情けない限り。いずれにせよ名作です(苦笑)。」

☆いや、原図発表時に16玉の順に気付かない冬眠蛙の方がよほど情けないかと…。

たくぼんさん「初手どっちの馬でも良いのかと思えば、36歩の変化で限定とな・・・さすがだ。34桂を2回繰り返すが2回目はその桂は跳ねる移動合とな・・・さすがだ。」

☆完全に読みきってますね…さすがだ(笑)。

竹野龍騎さん「これは凄い! 論理的に構築された細かい差異で魅せる。特に、36歩移動合が絡まって巧み。56飛と34馬(及び23馬)の形で捕まるようになっているのがなかなか見えませんでした。2度の25馬捨ての感触が抜群にいい。冬眠返上ですね(笑)」

☆36歩移動合で手順限定ってのは苦しいなあ…と作図時思っていたのですが、誉めてもらえるなんて予想外でした。ありがとうございます。

☆ところでこのペンネーム、なんて読むんだろう…って一瞬考えてしまいました。音にしたら…(笑)。

しろねこさん「これは相当難しいです。最後の桂打ちで詰みがわかりました。合駒、玉の逃げ方、駒の受け方、すべて今までで解いたことがありません。」

☆作り物の世界ですから、たまには夢も見てみたいなと。楽しんでもらえればと思います。

凡骨生さん「52馬、34桂合のリフレインが上手いですネ。始めはどちらの馬でも成立と思っていましたが…二度目の桂は取らずに跳ねさせるとは流石です。少しは見習いたいものです。」

☆冬眠蛙は難しくなくとも紛れ盛りだくさんの大道棋創れる方が羨ましいです。新作シリーズでも一度出してみたいと思ってるんですけど、なかなか創れないんですよねえ。

谷口翔太さん「捨合の桂を、今度は移動捨合で跳ばす。お見事、感心、流石!」

☆発表時に完全だったらお見事!だったかもしれないんですけどねえ。全くもって恥ずかしい。

隅の老人Aさん「打ち歩に誘う12手目の桂跳ねに驚く、浅学の為前例を知らず。合駒慣れした最近でも12桂跳ねは新鮮に感じる。初手の52馬は行くか引くかで迷い、2度の34桂合も勢いで取る、25馬捨ての再現も色を添えている。楽しさ満喫の19手だった。」

☆冬眠蛙は前例とかあまり意識してないので…どうでしょうねえ。後例であれば合駒の桂を打歩誘致のために移動合する作品は、この原図が出た後に斉藤吉雄氏が完璧な作品を出してます。今度紹介しますね。楽しんでいただけて嬉しいです。

全体的に手順前後の綾がややこしかったですかね。打歩詰作品特有の雰囲気を味わってもらえたかどうか。コメントいただいた皆様、ありがとうございました。

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順位戦を振り返る。6

 

第8期B級順位戦 評点4.32 1位(昇級)

市「今までは手持ちの作品から選んで出品してましたが、ここからは『順位戦のために創作』というスタンスに変わってます」

冬「単にネタが無くなった、ということをカッコよく言いなおしているだけでは?」

市「…。で、前回が飛に飛をぶつける作品だったので、今回は角を角にぶつけてみよう、という方向で創ったんだよね。意外と時間かからずにできた作品です」

冬「金合の意味づけがちとしょぼいけど、まあよく収束まとめられたよね」

市「本当に打歩詰ルールには助けられてます。この期のB級は皆妙に派手で野心的な作品が並んだのですが、運よくトップでした」

冬「確か柳田氏のすごく完成度の高い作品がやや易しめだったせいか降級しちゃったんだよね」

市「アレは絶対に昇級だと思ったんだけどね。ほんと順位戦はなかなか難しい」

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順位戦を振り返る。5

 

第7期C級順位戦 評点4.31 1位(昇級)

冬「順位戦ならではの形と手順だね」

市「ちょっと見た目有り得ない手順でしょ?こういうのは大好きなの。形は置いておいて」

冬「解説見ると12手目同飛の変同手順答えた人が半数だったとか」

市「どっちでもオイシイ手順だなあ、と思ってあえて残しておいたんだ。同飛の方に限定することもできるはず」

冬「このときも他に候補作あったんだって?」

市「えーと、こんときは第3作品集の第11番とどっちにしようか、というとこだったの。んで、確か橋本さんに見せたときに、その第11番の方に「これなら昇級できるんじゃない?」って言われたのね」

冬「じゃあなんでこっちにしたのよ!」

市「いや、だったらC級はこっちにしておいて、B級に上がれたときのために取っておいたの」

冬「なんてムシのいい…」

市「でも結局そちらは変同が気に入らなくてしばらくお蔵入りさせちゃった」

冬「よくわからん作者心理だね」

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順位戦を振り返る。3

 

第5期B級順位戦 評点3.17 4位(残留)

市「これは発表時は42飛配置で41香はありませんでした」

冬「ないと?」

市「作意はそのまま成立するけど、5手目が41角でもいいの。んで、10手目同桂が変同。」

冬「味悪い変同だねえ」

市「発表時はこれが評判悪くて散々でした。結構気に入ってる作品なんだけどね」

冬「評点ひどっ。よく残留できたねえ」

市「そうそう。他の作品が軒並み余詰んじゃってて。まさしく辛うじて。で、これでツイてる、と思ったら、こん次自分のが余詰んじゃった」

冬「バチが当たった、ってことだな」

市「その修正作が今月の新作です」

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順位戦を振り返る。2

第4期C級順位戦 評点3.90 1位(昇級)

冬「これは前にも紹介した打ち換え作品だね」

市「ほんとはこれ、高校に投稿するつもりで、順位戦は別の作品(第1作品集の第15番)を予定していたんだ」

冬「なんで変えたの?」

市「投稿直前に、詰とうほくで初めて柳田氏に会ったときにこの作品を誉められたことを思い出して」

冬「最初は余詰あったんだって?」

市「そうそう。46角が馬だったの。で柳田氏から初手35桂以下の余詰順を見つけてもらったんだ」

冬「これは柳田氏には感謝の一手だね」

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順位戦を振り返る。1

  

第3期D級順位戦 評点4.59 1位(昇級)

市「今回初めて調査してみまして、自分が参加したのは第3期から、ということがわかりました」

冬「ヒドイ初形だねえ」

市「今だったら絶対に完成前に放り出してるね。ていうか、実は何度か余詰返送されて、当時もボツ寸前だった」

冬「なんでじゃあ投稿したわけ?」

市「確か当時のパラは"入選回数ベスト20"っていう記事を半期に1回載せてて。で、どうしても載りたくて無理やり創った、てのが実情」

冬「なんてみっともない…」

市「やかましい!でも、まさか1位になるとは思わなかったなあ」

冬「初手だけだしね」

市「そうそう。逆算で入れたの、これ。相当な無茶だよね」

冬「桂の連続中合逃れを防止するための3桂配置とか異常に泣ける」

市「うん。…ねえ。しかしさあ、これが今までの順位戦出品の中で一番評点高いの。なんか納得いかないよね」

冬「いつかは破りたいもんだね」

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