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⑬波崎樽生さん作 解説

 

▲54金△同飛▲45香△同桂▲44香△同飛▲63飛成△同銀▲53金迄9手。

正解者20名 評点3.90(5-7,4-7,3-4,2-1,1-1) 2位

押しも押されぬ実力派作家、波崎さんの作品です。短編の発表はかなり久しぶりではないでしょうか。昔順位戦で皆をあっといわせる(プロ棋士も含めてだいぶ悩ませた)作品を発表したことを思い出します。

この作品は非常にストーリーが明快で私好みです。初手63飛成では53歩として逃れるのですが、45に桂を跳ねさせれば33金があるので詰む、という仕掛けですね。しかしそこは波崎さん、飛をどかせて桂を跳ねさせて飛を戻す、その一手一手が非常に切れ味のある手順になっています。特に初手はどれで取ってもあまり意味がないようで指しにくいのではないでしょうか。ちなみに銀は52飛成以下早詰、同玉は64金、同角(43玉は52飛成)、同飛成、43玉、34角以下同手数駒余りとなります。

もう少し駒を減らせれば言うことないのですが、作者をしてこの配置なのですからこれでベストなんでしょうね。見事2位でした。入賞と書けないんですよね。申し訳ないです。

利波偉さん-63飛成を実現させるために45桂の形にするトリックで、手は狭いのですが楽しめました。

☆利波さん好みっぽいですよね。

ssさん-ごちゃごちゃしていて難しい。手順はまずまずだが、やや無理作りの感がある。

北北東さん-この形で香2本だと作意は見え易いが、銀を取る絶妙な変化順に気がつかなくて,断念したくなった。

☆52飛成が見え難いので、手数を伏せられたら相当悩みそう。

しろねこさん-香車の2度打ちが素晴らしく、最後に銀を動かし最後は金打ちまで。

今井亜美さん-初形との微妙な違いを目指す。どうしても不動駒が多くなるので嫌う人もいそうですが、わたしは大好きです。

☆嬉しい評ですね。

隅の老人Aさん-飛を退かして香連打、良いね良いね。

☆ユビシナ連打!

中村雅哉さん-手筋物としてまずまずの仕上がり。

橘圭吾さん-やや一本道だが悪くない。

小峰耕希さん-作意は一目でしたが、本当に金をどれで取っても詰むの?と思ってしまいます。

☆皆つえぇ。

たくぼんさん-今回のNo.1。計算尽くされた手順は見事というほか無い。あの人の顔しか浮かんでこない。

けんちゃんさん-初手の変化処理の巧さ、そして理詰めの手順構成。これは中村さんでしょう。

☆…お二人揃ってハズレ。確かに中村さんっぽい感じもありますね。作風が少し似ているのかも。

Disabledさん-飛、角をうまくいなしながら桂をどかし金を打つスペースを作る。初手が気に入っている。

☆これぞ鬼手、という感じですよね。実戦で打ってみたい。

馬屋原剛さん-2手目同銀の時の、52飛成が全く見えなかった。残念ながら4手目44飛でどうしても11手かかってしまいます。

☆44飛には63飛成で早く詰みます。評点無効にしようかと思ったのですが、一応正解ですのでカウントしました。

凡骨生さん-原形から33桂を跳ねさせるのに手間の掛かる事。好みの作です。

谷口翔太さん-玉方の飛を巧みに操るね。2手目の変化が少し嫌、B、御免ね。

☆評価はひとそれぞれです。

風みどりさん-もう少し駒数が整理できれば…。

藤井孝太郎さん-変化を追えば追うほど、作意順に妙味を感じる。

☆総じて好評でした。次回(あるのか?)もぜひよろしくお願いします。

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