図面作成ソフトでの作品集鑑賞

 前にも作品集鑑賞の仕方は掲示していますが、せっかく軽趣向好作選の公開なので作品集鑑賞に絞ってもう一度紹介しておきます。

①:ダウンロードしたものを解凍し、「図面作成」を起動します。下の画面が開かれましたら「設定」ボタンをクリックします。(ちなみに新規にダウンロードされた方は既に初期設定済と思いますので、⑤に飛んでも構いません)
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②:以下のような画面が開かれます。以下の画面が表示されますので、赤丸で囲んだ「作品集変更」をクリックします。
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③:ファイル選択のウィンドウが開かれます。「軽趣向好作選Vol1.txt」を選択して、「実行」ボタンをクリックします。
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④:元の②の画面に戻りますので、下図赤丸について「環境を保存」→「保存を反映」の順でクリック後、最後に下の「戻る」ボタンをクリックします。
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⑤:最初の画面に戻ります。作品集が軽趣向好作選の画面に切り替わります。下図の赤丸で囲んだ「作品リスト」と「手順・解説」をクリックします。
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⑥:左側に作品リスト、下に手順・解説文が表示されます。作品リスト上で見たい作品をクリックすれば当該作が表示されます。下図赤丸で囲んだ「再生」脇の「>>」をクリックしますと手順が自動再生されます。その隣の「▲」「▼」をクリックで手動再生も可能です。解説文は下段脇のスクロールバーで見ることが出来ます。
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いかがでしたでしょう?質問はX(Twitter)で@frog_sleepingまでダイレクトメッセージで受け付けます。お楽しみいただければ幸いです。

冬眠蛙第5作品集と角さんの思い出

 だいぶ前に書き終えていたのですが、解説の部をアップしていませんでした。一部改作の追加もあり、問題の部とあわせて再掲示します。

ダウンロード - works5_20250112.pdf

ダウンロード - works5answer26comments_20250112.pdf

 MicrosoftのPDFライターだと、なぜか図面の変換がうまくいかず、やむを得ず今回はファイルごとPDF変換しています。その関係で2アップになっておらず、今までと異なり1ページ1枚です。あらかじめご了承ください(PCやスマホで見るだけならこちらの方が見やすいかな?)。印刷する際に1ページ2枚にすれば袋とじにできると思いますが、今回は過去作改作も含めて載せたので、ページ数が多く、綴じるのが大変かもしれません。

 コメント欄は閉じてますが、誤植等ありましたら、X(旧Twiiter)の@frogsleeping宛にご連絡いただければ幸いです。というか、ダウンロードしていただくだけでも嬉しいです。よろしくお願いします。

 多くの方が既に触れられてますが、角建逸さんが急逝されました。仕事の関係で仙台に年に1回来られており、その都度お声掛けをもらい、夜をご一緒させていただいてました。ここ数年は脚の関係もあり、アルコール抜きで牛タンや寿司を食べつつ、延々と雑談した後、ホテルまでお送りするパターンでした。角さんらしく話は多岐に渡っており、その中で「君のも作品集出してあげるよ」と冗談まじりに言ってもらっていたのを今でも思い出します。
 そういうご本人もパラの同人も既に視野に入っており、きっとご自分のも構想されていたのではと思うのですが、本当に残念でした。心よりご冥福をお祈りいたします。

今年もよろしくお願いします。

明けましておめでとうございます。ハガキの値上げもあり、年賀仕舞いをされている方も多いようですが。

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恒例の年賀詰です。61手詰。58手目に変同(希望限定)、また最終手余詰がありますがご容赦ください。
今回も作図に苦労しました(2回も不詰を見落とし、こりゃもうダメだと諦めかけた)が、出来上がってみるとそういった苦労の跡が全く感じられない平易な順になったことに満足しています。

昨年は1月1日に地震が発生しました。新潟にいた私も改めて天災の恐ろしさを感じました。被害に合われた皆様にとって、今年が良い一年になりますようお祈り申し上げます。

短編作家の独白(またはいかに9月号デパート②弘中氏作が巧い作品か、という話)

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 短編詰将棋の創作のポイントは「いかに狙いを品質高く詰め込む舞台を用意できるか」ってのが持論でして。特に私の場合、「一手のインパクト」を重視するタイプですが(前回記事参照)、そのインパクトはやはり舞台装置の良し悪しで伝わり方がだいぶ違うと思うのです。
 今年、自分は打診移動中合というちょっと珍しい作品を6月に発表しました。ちなみに打診移動中合自体の作例は前にもあります。有名な作品ですのでご存知の方も多いかもしれません。(ちなみにこれより前に作例があるかどうかは知りません)

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 動く将棋盤も載せてみました。何度見てもワケわからないスゴイ手順で、これだけの複雑なシステムを良く制御できたものだな、と今でも感心します(なお、同年4月号の結果稿で作者の解説も載っています)。
 一方で打診移動中合というテーマ単体ならば、どちらかというと短編向きだよね、という思いもありまして、何年か前に取り組んでました。が、このテーマですと、
①打診移動中合ということは、他の打合だと早く詰む必要がある
②打診移動中合を成で取ると、その後打歩詰に誘致する手順が成立する
③一方で打診移動中合を生で取ると、生で取ったことにより玉方が逃げ方等で抵抗する手順が成立する
④で、成で取るか生で取るかのどちらかで、駒も余らせず詰ます必要がある

という条件を満たすことが絶対、かつ
⑤それなりのインパクトを持たせる打診移動中合ならば角や桂で表現したいが、その場合は歩合を早詰にしなくてはいけない、
 これが非常に難度が高い。これを二歩で割り切ろうとするとミエミエになってしまいがちなんですよね。何個か作ってみたのですが、どうしても原理図みたいな感じになってしまう。今年順位戦に出したのがまさにソレでして、実は他にも少しマシなものも作ったのですが、もうちょっとなんとかしたくて、敢えて元々あった原理図の方を出品したワケです。ただ、納得いかないまま出すのはやっぱり後悔してまして、残りの図の方はまだまだ練らないとな、と。

 そうしたところに、12月号の結果稿を覗いてみたら、この記事の冒頭で図を掲示した弘中氏作の短編が。何がビックリしたって、『53角の隣にいる43馬を44馬と打診移動中合する』という唖然とするような応手をアッサリ実現していること。どうやったらそんな手順成立できると思います?タネが分かったとき、愕然としました。ポイントは打診移動中合を取る以外の手順で詰む順を用意すること打診移動中合にその順への抵抗の意味合いを兼ねさせることで、これで他合の変化もそして王手をした駒を取る順も全部クリアしていること。実は上で示した条件の内、④は絶対条件でなかったのです!
 いや、目から鱗とはこのことなのですが、ただ、『打診移動中合を取る以外の手順で詰む順がある、ということは、そもそも打診移動中合出す前にその順に行った場合は詰まないようにしなくてはいけないんですよね。打診移動中合自体の構図も結構難しいというのに、そんなムシの良い舞台そうないはずなんです。弘中氏作の優れているところは、25香の意味が単なる開き王手というだけでなく、もう一つの詰む順(26歩)を行うための手であるという巧みな舞台設定。この発想には参りました。これはもう、短編作家として脱帽するしかありません。序奏も入って収束も飛捨てでピタリ。いや年の瀬に良いものを見させてもらいました。
 というわけで、最後に手順を動く将棋盤で紹介。ぜひ皆さんも、この作品の素晴らしさを味わっていただければと思います。では。

 

全国大会in甲府と編集長の長編

 今年もささやかながらお手伝いで参加しました。ちなみに当日よりも前日以前の方がはるかに準備が大変で、それには冬眠蛙はほとんど貢献できておりません。他の幹事の皆様、また現地で仕切っていただいた堀口さんには本当に頭が下がります。無事に開催できて、本当に良かったです。
 大会では休憩時間もずっと記念詰将棋に苦吟して、ほとんどコミュニケーションが取れませんでしたが、懇親会はおかげさまで楽しませてもらいました。飲み物のオーダーに追われ、せっかく大橋さんの近くの席だったのにあまりお話しが出来ず残念。でも久しぶりにあんこうさんと昔話や詰将棋に対する思いについてお話しできましたし、何人かの方から「冬眠日記見てます」と言ってもらえました。ssさんからは「紹介してもらえると嬉しいです」とありがたいお言葉も。嬉しい限りです。
 そんな中でひとつ今回嬉しかったのが、編集長と長編「マリー」のお話が出来たこと。「よう知ってたなあ」と言われましたが、編集長の短編・中編を見慣れているパラ会員の皆さんなら、下の作品が編集長作だ、と言われても「え!」となるのではないでしょうか。


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 「いや、それはもう苦労したよ」と懐かしそうに語っておられました。「収束がちょっと残念でねえ」というお話で、実はちょっと5手前から別詰のキズがありますが、なんといっても趣向によらずにこれだけの手順を捻りだしたことに、秘めたる情熱を感じるばかりです。ぜひ解いて……と言いたいところですが、なかなか大変。
 そんなときにはググるのが一番、ということで、その場でも鑑賞できないか、と探してみたら、ちゃんと詳細な解説つきでつみき書店さんに載っていました。スマホの小さい画面でしたがその場で鑑賞。一緒に見たあんこうさんも「これはスゴイ」とおっしゃっておられました。ぜひコチラをクリックして、作者のほとばしる情熱を感じてください。スマホだとちょっと見にくいので、こちらでも動く盤面を載せておきます。多分見ただけでも熱さを感じてもらえると思います。
 ちなみになぜ詰将棋学校好作選で触れなかったのか、といえば、もちろん本作が半期賞を受賞しているからです。作者の言葉とか当時なかったんですよねえ。そういう意味でも、今回聞けて良かったです。


 次回ももちろん参加したいと思っています。また皆さんお会いしましょう!


今年もよろしくお願いします。

年末から色々とありまして、ちょっと素直に新年を祝う気持ちにはなれませんが、一応準備していましたので作品掲示します。

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30手台。手順前後のキズがあります。

詰将棋全国大会

 昨年から全詰連のお手伝いをしていることもあり、先週開催された全国大会に行って参りました。いや~、暑かったですね。また、熱気も凄かったです。やはり全国大会は良いですね。刺激になります。
 前日に行く必要があったので、香龍会にも初めて参加できました。短い時間でしたが、皆さんと会話を楽しみつつ、全国大会の役割の予習をしました。年寄じみたセリフになりますが、やはり若い人は羨ましい。私にもそんな時代があったはずなんですが。(;'∀')
 桑名には9時半くらいに到着して少し会場設営のお手伝い。事前にやりとりしていたせいか、比較的スムーズに行けたほうではなかったでしょうか。と言いつつ、自分は設営は初めてなのですが。YouTube配信も今回初めてで、これは地元で色々と手配いただいた大川さんの貢献大。自分は滑りっぷりを確認するのが怖くてまだ見れません。人前での解説は初めてなので、お許しください。

 少しだけフリーの時間があったので、本を2冊購入。1冊目の詰将棋年鑑(コチラから購入可能です)は泊まった名古屋で読んで、ポイントを押さえた解説を楽しみつつ、自作が2個も載っていることに感動しました。特に「Unicycle」は自分でも気に入っていた小品だったので嬉しかったです。(コチラで手順鑑賞できます。ぜひご覧ください)
 帰りに飛行機でもう一冊、角さんから牛タンの御礼に、といただいた(角さんありがとうございます)芹田修さんの酔鯨(コチラから購入可能です)を鑑賞。芹田さんの作品は自分では絶対に作れない(笑)、センスあふれる作品が並んでいて、手順を目で追うだけでも爽快になれます。駒数少なく作れる技術、ぜひ教えてほしいものです。

 幹事での打ち上げ(皆さんお疲れさまでした)も含めて、疲れつつも楽しい3日間でした。来年は純粋に参加する側で楽しめるかな?ではでは。

郵便事情と看寿賞感想

 看寿賞が決まりましたねえ。今年は多くの作品が受賞ということで驚きました。選考過程が気になるので早く7月号見たいのですが、残念ながらこの週末は届かず。6月30日が金曜というのが残念でした。土日郵便やらなくなってしばらく経ちましたが、やはりなかなか感覚が戻りませんね。実は6月号に載せた順位戦の作品は4月末に投函したのですが、なんと編集部に届いたのは5月9日。CEOをだいぶ焦らせてしまいました。思ったんですがGW中に投函された郵便物全部まとめて配送するわけですから、GW開けは一番混むのでしょうね。次回からは気を付けないと。

 ということで7月号まだ見れてなかったのですが、実は週末に角さんに会ってて、見せてもらいました。チラ見ですが、なかなか劇的な感はありましたね。受賞者の皆さん、大変おめでとうございました。
 冬眠蛙は中編は短大で半期賞を受賞した山田修司さんの作品が奇跡的な出来で、「これこそは!」と思っていたのですが、残念な結果でした。今回はエンタメ性が強い作品が票を集めたのかな?詰将棋もトレンドというのはあるもので、これからどういう作品が高い評価を得ていくのか、ちょっと興味深いです。
 YouTubeで発表された作品が受賞というのも面白く、これからは更に多様化が進むのかな。そういえば、実はこのブログで開催したプレ短コンの作品も一度候補になったことがありました。初見の方もいるかもしれないので、紹介します。ぜひ解いてみてください。品質は保証します!
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5月の詰とうほく+パラ3月号発表作

 先々週に詰とうほくを開催しました。前回よりは少なかったものの、10名の参加者で引き続きの盛況でした。今回もUraさんの大作参考文献?を受領。毎度ありがたいことです。あとは投稿作や新作を見せ合ったり、暁将棋部屋の作品を皆で解いたり、和やかに過ごしました。
 次回は8月19日(土)にしたのですが、うっかり抽選申込を漏らしてしまいました。辛うじて空いていた戦災復興記念館での開催となります。ちょっとアクセスが悪いのですが、よろしくお願いします。

 さて、3月号に久しぶりに学校に入選した結果稿が載りましたので、一応自作コメントを。
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▲87桂△同馬▲86銀△96玉
▲97銀△95玉▲96香△85玉
▲84金△同玉▲74金△85玉
▲86銀△96玉▲97銀△85玉
▲77桂△同馬▲76龍△同馬
▲86歩△同馬▲96銀△同馬
▲75馬△95玉▲84馬迄27手。

 狭い場所での細かいやり取り。ちょっと知恵の輪風味ですが、実はそこまで一貫したテーマがあるわけではありません。もう少し逆算して徹底できればよかったのですが、あまり気の利いた手順が入りませんでした。それでも96香を打って、その後原型消去し、連続捨駒から空けておいたスペースに銀捨てで収束するのは気持ち良い手順かと思います。
 53歩と89とが残念な余詰消しで、せめてもう一枚位減らしたかったのですが、力不足でした。6月号で結果が載りましたが、そこそこ好評でほっとしました。石黒さんには丁寧な解説をいただき、感謝の一語です。

詰将棋の変同による価値棄損

 「変同」とは詰将棋用語の一つで正しくは「変化同手数」とのことです。定義すると「ある局面で玉方の応じ方が2つ以上あり、正解とされる手順以外の応じ方でも、詰上がりまでにかかる手数が同じであり、かつ詰方に駒が余らない手順が存在した場合の当該手順」位ですかね。
 冬眠蛙が詰将棋を始めた頃から、既にこの変同の存在は減価事項として扱われることが多くなってました。最近はさらに厳しくなって、「変同は消すべき」位の見方の方が普通になっている感があります。
 自分としては変同をすべからく悪者とすることに漠然とした違和感があったのですが、こないだここに載せた自作を見ていて、「ああそういえば、これも変同があったな」と思ったので、ちょっと考え方を整理してみました。だいたい自分の考えは以下のとおりです。
①詰将棋は解く人や見る人がいてこそ価値がある
②したがってその方が本質的ではない部分で「あれ、どちらが正解?」と迷うような状態だと、作品価値は落ちる
③したがって変同や変長は出来る限り避けた方が良い
という辺りが主軸ですが、ここから更に
④作意手順と変同手順で明らかな難易度なり感触が異なり、「ああ、こっちが作意なんだな」という共感が得られるようであれば、減価事項としては小さい
というのが冬眠蛙の考えです。もちろん難易度や感触が異なる、というのは個人の尺度なので一律になるものではないですが、ある程度コンセンサスは得られるのではないかな、と思ってます。

 最初に述べた自作は3月19日の記事に載せた図ですが下の局面で変同があります。
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 ここで作意は「15玉、24馬、同歩、13飛成、同銀、16香」ですが、「14玉、36馬、24玉、34馬、15玉、25馬引」が変同となります。ただ、これで「後者が作意じゃないか」とか「作者はどちらを作意としているのだろう?」と考える方はほとんどいないのではないでしょうか。
 ちなみに例えば玉方47歩を置けば、変同手順の方は駒余りになるので解消できるのですが、明らかに判別できる変同を消すためだけに余計な駒配置する気にはとてもなれませんでした。余計な駒1枚配置する方がよほど価値棄損ですね。

 もちろん自分の見方を強制するものではないですが、詰将棋の楽しみ方として、「こういう考え方をする人もいる」という参考にしていただければと。

より以前の記事一覧