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詰将棋学校好作選39

 少し風邪気味になってしまい、さえない週末です。早く治さないと。

 詰将棋学校好作選は本日長編です。小駒趣向作にしてかなりの難問です。
20250406hamada

▲53香成△同玉▲45桂△同金上
▲44金打△42玉▲33金△53玉
▲43金△64玉▲55と△同金
▲63金△65玉▲56と右△同金
▲同と△同銀生▲64金打△55玉
▲45金△同銀▲47と△59成桂
▲56歩△同銀▲同と△同玉
▲57銀△55玉▲54金△同玉
▲45銀上△55玉▲56銀引△54玉
▲53金左△64玉『▲65歩△同と
▲63金△54玉▲45銀上△55玉
▲56歩△同と▲同銀引△54玉
▲53金左△64玉▲63と△74玉』=A
▲75歩△同と寄▲73と△64玉
『A』
▲75歩△同と▲73と△64玉
『A』
▲73成桂△同香▲同と△同玉
▲72成桂△同玉▲82香成△同玉
▲85香△73玉▲83香成△74玉
▲84と△64玉▲63金△同玉
▲73成香△64玉▲74と△54玉
▲45銀上△55玉▲56歩△65玉
▲75と まで113手。
 盤面ぎっしりに駒が配置された小駒図式。まずは53香成~45桂として43金と右辺を押さえるしかありません。64玉に55とと取ると、「ああ金ベルトを敷くんだな」と見当が付きます。56で精算して45金~47とと開き王手をし、再度56での精算から57銀を据えれば舞台装置は設置完了。54金から45銀上でと金ハガシに入ります。まずは65とを剥がし、次いで75歩捨てで85とを呼び出して剥がします。最後に76とを呼び出したいのですが、56に打つ歩がもうありません。かと言って76とを残したままでは詰まず。さてどうしたものでしょう。
 実はタネははるか遡って5手目にありました。43金と打つのが当然の一手に見えたのですが、実は44金と控えて打つのが妙手。同金は同金以下、64玉は55と以下詰むので42玉と逃げるしかなく、33金~43金とすれば、43金と単純に追うのに比べて1歩多く持っているため、最後の56歩を打つことが出来る、という仕掛けでした。
 無事に76とを剥がした後、73成桂から精算し、84香を打てば収束に向かいます。ここでも捨て絞り趣向が出て最後まで楽しませてくれます。

 44金~33金は下段に逃げる変化もあるので、結構やりにくく、かつ単純に43金としても作意順が途中までそのまま成立する仕組みが素晴らしい。と金を剥がす順番も限定されており(最初の75歩に同と引の場合は、と金を剥がした後、45銀上~56歩~66歩で早い)、小駒趣向作の傑作と言って良いかと思います。

 

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