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2025年4月

軽趣向好作選140

 ちょっと来週までバタバタしているので、更新できるうちに。今日は軽趣向好作選です。
20250429kaneko
▲54銀△33玉▲34歩△同桂
▲23金△44玉▲45銀引△43玉
▲21馬△32歩▲54銀△44玉
▲22馬△33桂▲45銀引△43玉
▲32馬△同金▲54銀△44玉
▲45歩△同桂▲同銀引△43玉
▲35桂△同銀▲54銀△44玉
▲45銀上まで29手。
 54銀から34歩として23金を据えれば舞台装置が完成。44玉に22馬としたくなりますが、33桂合、45銀引、43玉、21馬、32桂合で不詰です。いったん45銀引として21馬とすれば32桂合は同馬~35桂で詰むので、歩合の一手。そこで54銀上~22馬とすると33歩は45銀引、43玉、21馬で今度は歩合ができず、桂合には同馬~35桂で詰み。33桂合が最善になりますが、今度は45銀引、43玉に32馬で歩を入手することが出来ます。以下は桂を45で入手し、今度こそ35桂が実現します。
 最長手順探しみたいな感触もありますが、序奏を含めて完成された作品です。

詰将棋学校好作選40

 ちょっと仕事の事情で先週は更新できませんでした。来週以降もちょっと微妙ですが、まずは更新できるうちに。今日は詰将棋学校好作選です。


20250427miura
▲24桂△13玉▲12金△同香
▲同桂成△同玉▲14香△同と
▲22歩成△同玉▲31角△12玉
▲24桂△23玉▲35桂△24玉
▲13角成△同と▲25金まで19手。
 実戦に出てきても不思議なさそうな、端正な初形です。22歩成とするのが自然に見えますが、同玉、31角、23玉とした形で11香と15とが強く、届きません。初手は24桂が正解で、23玉は45角と打って34合に32角成~23金と打つのが少し見え難い順ですが詰み。13玉とよろけるのが正解ですが、ここで更に重く12金から精算するのが意表の手段でした。14玉や23玉は13金打から46角です。
 更に精算して香を消した後、14香とするのも重要で、一見と金を近づけて損なようですが、22歩成~31角としたときの逃げ道を封鎖しています。35桂で足場を作り、13角成が爽快な収束。作者らしい丹念な作りが活かされた中編です。

軽趣向好作選139

 仙台はちょうど桜が見ごろとなりました。ただ、今日はだいぶ気温が下がって文字通りの花冷えに。土曜日にジョギングで楽しんでおいて良かったです。

 さて、今日は軽趣向好作選です。
20250413fukawa
▲27飛△16玉▲61角成△25桂
▲17飛△26玉▲38桂△同龍
▲62馬△35龍▲27飛△16玉
▲17歩△同桂成▲52馬△25桂
▲17飛△26玉▲38桂△同龍
▲53馬△35龍▲27飛△16玉
▲17歩△同桂成▲43馬△25桂
▲17飛△26玉▲38桂△同龍
▲44馬△35龍▲27飛△16玉
▲17歩△同桂成▲34角△25桂
▲17飛△26玉▲38桂△36玉
▲45角△同龍▲26馬まで47手。
 27飛、16玉で初っ端から打歩詰となります。61角成には25桂合が最善ですが、17飛、26玉、38桂、同龍として62馬で手がつながります。普通に35合なら27歩ですが、ここで取歩駒を逃がす35龍で今度は27歩が打歩詰。ところが、馬筋が変わったので、27飛、16玉に17歩が打てるようになります。ただ、同桂成に同飛では25玉で逃れ。そこで52馬とすると、再び25桂合が最善。ここで4手目の局面と見比べると(17に成桂はいますが)なんと馬鋸になっていることが分かります。森田手筋と取歩逃がしを使った仕掛け、なんと精巧なことでしょう!
 最後は34角として38桂と打ち、45角と捨てて収束。この45角を同龍と取らせるため、44まで馬を近づける必要ある、という仕掛けでした。
 才気煥発という言葉がピッタリくる作者ですが、その作品群の中でも特に輝きを放っている、完成度抜群の傑作です。

詰将棋学校好作選39

 少し風邪気味になってしまい、さえない週末です。早く治さないと。

 詰将棋学校好作選は本日長編です。小駒趣向作にしてかなりの難問です。
20250406hamada

▲53香成△同玉▲45桂△同金上
▲44金打△42玉▲33金△53玉
▲43金△64玉▲55と△同金
▲63金△65玉▲56と右△同金
▲同と△同銀生▲64金打△55玉
▲45金△同銀▲47と△59成桂
▲56歩△同銀▲同と△同玉
▲57銀△55玉▲54金△同玉
▲45銀上△55玉▲56銀引△54玉
▲53金左△64玉『▲65歩△同と
▲63金△54玉▲45銀上△55玉
▲56歩△同と▲同銀引△54玉
▲53金左△64玉▲63と△74玉』=A
▲75歩△同と寄▲73と△64玉
『A』
▲75歩△同と▲73と△64玉
『A』
▲73成桂△同香▲同と△同玉
▲72成桂△同玉▲82香成△同玉
▲85香△73玉▲83香成△74玉
▲84と△64玉▲63金△同玉
▲73成香△64玉▲74と△54玉
▲45銀上△55玉▲56歩△65玉
▲75と まで113手。
 盤面ぎっしりに駒が配置された小駒図式。まずは53香成~45桂として43金と右辺を押さえるしかありません。64玉に55とと取ると、「ああ金ベルトを敷くんだな」と見当が付きます。56で精算して45金~47とと開き王手をし、再度56での精算から57銀を据えれば舞台装置は設置完了。54金から45銀上でと金ハガシに入ります。まずは65とを剥がし、次いで75歩捨てで85とを呼び出して剥がします。最後に76とを呼び出したいのですが、56に打つ歩がもうありません。かと言って76とを残したままでは詰まず。さてどうしたものでしょう。
 実はタネははるか遡って5手目にありました。43金と打つのが当然の一手に見えたのですが、実は44金と控えて打つのが妙手。同金は同金以下、64玉は55と以下詰むので42玉と逃げるしかなく、33金~43金とすれば、43金と単純に追うのに比べて1歩多く持っているため、最後の56歩を打つことが出来る、という仕掛けでした。
 無事に76とを剥がした後、73成桂から精算し、84香を打てば収束に向かいます。ここでも捨て絞り趣向が出て最後まで楽しませてくれます。

 44金~33金は下段に逃げる変化もあるので、結構やりにくく、かつ単純に43金としても作意順が途中までそのまま成立する仕組みが素晴らしい。と金を剥がす順番も限定されており(最初の75歩に同と引の場合は、と金を剥がした後、45銀上~56歩~66歩で早い)、小駒趣向作の傑作と言って良いかと思います。

 

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