軽趣向好作選137
おもちゃ箱の年賀詰コンクールで2位に入賞しました!投票いただいた皆様、ありがとうございました。
さて軽趣向好作選、今日で2014年最後になります。
▲44銀△26玉▲35銀△15玉
▲24銀△26玉▲15銀△同銀
▲25飛△同玉▲36馬まで11手。
55の銀がノンストップで15まで移動します。2手目35桂合は36馬、15玉、35飛で、35香合は同飛で各々早詰。初手36馬だと15玉で逃れるので、わずかな局面の違いでうまく手順が成立できていることがわかります。収束も25飛捨てで気持ちよく纏まりました。
難しくはありませんが、オリジナリティを含めて完成度の高い小品で、本当に何をやっても巧い作者ですね。
▲53歩成△同桂▲72馬△74玉
▲54飛△64角▲同飛△同桂
▲63馬△同玉▲81角△72飛
▲同角成△74玉▲79飛△76角
▲同飛△同桂▲63馬△同玉
▲81角△72飛▲同角成△74玉
▲54飛△64角▲同飛△同玉
▲56桂△74玉▲63馬△同玉
▲81角△72歩▲同角成△74玉
▲75歩△84玉▲93銀生△同金
▲85歩△同玉▲63馬△86玉
▲96馬まで45手。
不利合をベースにした驚きの繰返し趣向が展開されます。まず54飛に64角合。これは同飛、同桂、63角、84玉、93銀生、同金のときに85歩を打歩詰にするためです。例えば歩合だと63角の代わりが75歩になるので、85歩、同玉、63馬以下で詰む仕掛けです。
64角合には同飛、同桂とした後、63馬~81角と92に金に狙いを付けるのですが、ここで72角合は同角生、74玉、52角で73が空くため打歩詰が打開されます。これで解決……と思いきや、今度は玉方は72飛合とここでも不利合を繰り出します。75飛、84玉、93銀生、同金のときに85歩が打歩詰になるわけです。
ここで飛を離して打てば85歩が打てるのですが、76歩合のときに75歩以下で詰ますため、72飛合に同角成が絶対。72の駒が馬になったので76の合駒をまた角合にすれば打歩詰誘致できます。
これをまた回避するために63馬~81角とし、72飛合をまた強要。最終的には48桂を56桂と跳ね、64に効きを作ることで打開します。56桂型だと81角、72飛合には同角成、74玉、64飛で詰むので72歩合(桂・香も可)とせざるを得ず、収束に向かいます。
(前にもブログに書いたのですが)飛の不利合の仕組み自体は自作でもあるのですが、まさかこのように発展できるとは驚きで、これを繰り返す仕組みも含めて素晴らしい。この年の看寿賞を受賞した傑作です。
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