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2025年2月

詰将棋学校好作選36

 昨日の軽趣向好作選、いかがでしたでしょう。楽しんでもらえていると良いのですが。
 X(Twitter)でも書きましたが、アプリのバグで正しい図だと棋譜再現が出来ず、応急処置かましてます。正しい図は下のとおりですが、収録図では34馬⇒24馬になってます。アプリだと34馬→35馬を「引」で整理したうえで、再現するときに44馬を引いてしまって後手大喜びの展開になっちゃってます(笑)。
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 さて、今日は詰将棋学校好作選です。初見の方は結構悩むと思います。
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▲33桂成△同角▲34銀△24玉
▲25銀△同桂▲34金まで7手。
 それらしい筋がいっぱい浮かびます。12銀~25金ですとか、14銀~25金もらしい感じですが届きません。33桂成と成り捨てるのはまだ見えるかと思いますが、その後の34銀がいかにも大和氏らしい不利感あふれる一手。24玉で35に逃げられそうな瞬間、25銀と打ったばかりの銀を捨てれば詰む仕掛けです。
 多分手順を見ただけだと、ちょっとピンとこないかもしれません。大和氏の作品群はどちらかというと、そういった「解く人にだけその良さが伝わる作品」が多いような気がします(短編コンクールですと上位常連で優勝も経験)。独特な感覚で、こういった個性はちょっとうらやましいですね。

図面作成ソフトでの作品集鑑賞

 前にも作品集鑑賞の仕方は掲示していますが、せっかく軽趣向好作選の公開なので作品集鑑賞に絞ってもう一度紹介しておきます。

①:ダウンロードしたものを解凍し、「図面作成」を起動します。下の画面が開かれましたら「設定」ボタンをクリックします。(ちなみに新規にダウンロードされた方は既に初期設定済と思いますので、⑤に飛んでも構いません)
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②:以下のような画面が開かれます。以下の画面が表示されますので、赤丸で囲んだ「作品集変更」をクリックします。
Zumensakusei04
③:ファイル選択のウィンドウが開かれます。「軽趣向好作選Vol1.txt」を選択して、「実行」ボタンをクリックします。
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④:元の②の画面に戻りますので、下図赤丸について「環境を保存」→「保存を反映」の順でクリック後、最後に下の「戻る」ボタンをクリックします。
Zumensakusei06
⑤:最初の画面に戻ります。作品集が軽趣向好作選の画面に切り替わります。下図の赤丸で囲んだ「作品リスト」と「手順・解説」をクリックします。
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⑥:左側に作品リスト、下に手順・解説文が表示されます。作品リスト上で見たい作品をクリックすれば当該作が表示されます。下図赤丸で囲んだ「再生」脇の「>>」をクリックしますと手順が自動再生されます。その隣の「▲」「▼」をクリックで手動再生も可能です。解説文は下段脇のスクロールバーで見ることが出来ます。
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いかがでしたでしょう?質問はX(Twitter)で@frog_sleepingまでダイレクトメッセージで受け付けます。お楽しみいただければ幸いです。

図面作成Ver3.00 再掲示 + 軽趣向好作集Vol1

 長いこと軽趣向好作選を連載して参りました。一度PDFで冊子にまとめたものを作成・配付しましたが、ちょっと思ったのが、「軽趣向なのでやはり駒が動くところも見てもらいたい」というところで、ふと思い出したのが昔波崎黒生さんからいただいた図面作成ソフト。これが非常に優秀で、ソフト上で手順鑑賞も可能となっております。

 これを利用して、軽趣向好作選の過去分について解説文つきで鑑賞できるようにしたいと思いたちました。前に掲示したのが少しわかりにくかったので、図面作成ソフトを含めてZIPファイルで掲示します。ここに軽趣向好作選で紹介した作品から100作選んだテキストファイルも収録しています。

ダウンロード - 図面作成_3.00.zip

もう既に図面作成ソフト導入済の方は以下のテキストファイルだけを入れていただければと思います。

ダウンロード - 軽趣向好作選vol1.txt

鑑賞の仕方は別に記事掲示します。

軽趣向好作選135

 昨日は詰とうほく。2月恒例のTETSUさんの年賀詰投票を開催しました。久しぶり参加の岩本さんも含めて10名出席。またUraさんから、今回はくるくるおもちゃ箱のほか展示室の冊子も今回配付。これで2024年まで全作揃いました。本当に頭が下がります。次回は5月10日・17日で抽選申込します。

 今日は軽趣向好作選。文句なく楽しめる作品です。
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▲15金△17玉▲97飛△87桂
▲同飛△77桂▲同飛△67桂
▲同飛△57桂▲16金△同玉
▲17歩△同玉▲57飛△同金
▲18歩△16玉▲28桂△15玉
▲27桂△14玉▲26桂△13玉
▲25桂△22玉▲32歩成△23玉
▲33と△24玉▲34と△25玉
▲35と△26玉▲36と△27玉
▲37とまで37手。
 4桂連合⇒4桂連打⇒と金引きにより4桂消去という3段構成。97飛に例えば57桂合ですと、28銀、18玉、19歩、29玉、99飛以下。この9段目の飛引きを防ぐため、87桂~57桂まで連続合で凌ぐのが妙手段です。ここで16金~17歩で金を消去するのがうまい繋ぎ。57飛と最後の桂を食いちぎれば、桂連打+32歩成からのと金引きの2段趣向が実現します。
 桂連合の仕組みは山田修司氏作以降作例も多いですが、繋ぎを工夫することで全編趣向手順でまとめた作者のセンスには拍手あるのみです。

 今日はついでに1月1日に出題しました年賀詰の解答も掲示します。
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▲63歩成△同玉▲74銀△同金
▲83飛成△73歩▲55桂△同と
▲64香△同金▲53銀成△同玉
▲73龍△63歩▲65桂△同と
▲54歩△同金▲43角成△同玉
▲63龍△53歩▲35桂△同香
▲44歩△同金▲33角成△同玉
▲53龍△43角▲34歩△同金
▲22銀生△32玉▲34飛△同角
▲23金△同角▲同龍△42玉
▲31銀生△52玉▲74角△62玉
▲63角成△61玉▲71と△同玉
▲74香△73歩▲同香生▲82玉
▲72香成△83玉▲74馬△72玉
▲73飛成△61玉▲62歩△51玉
▲71龍まで61手。
 前半は龍と飛の効きを利用した玉方金をお供にする送り趣向です。送る駒が銀・馬・角と異なるので初形からは少し意表だったようですが、有力な手段は少ないのでわかりやすいのではないでしょうか。53龍まで追ったときに34歩~22銀生が見えており簡単そうに見えますが、43角合と変えて34飛、同角とすれば逆王手となり、23金とせざるを得ず、今度はお供なしで左辺に玉が逃げていきます。
 71成香を取って74香と打ち、73歩中合に72香成~74馬で収束します。73龍に81玉でも82歩、91玉、93龍(71龍)で変同ですが、81玉に63馬も成立します。また最終手余詰の小傷がありますが、全体的にうまく出来たつもりで、楽しんでもらえれば幸いです。もし気に入ってもらえたら、おもちゃ箱で投票をお願いします!

詰将棋学校好作選35

 思うところあった……わけでもないのですが、最近解く方ばかりの冬眠蛙です。せっかくなので解答送付してますが、これだけメールが普及すると、なかなか印刷して封入して切手貼って出すのが不便に感じちゃいますね。ちなみに、2月号ですと利波さんの作品展がメール解答なしなのですが、こちらについてはhirokiichishima*mineo.jp(半角にして*を@に変えてください。)で解答もらえれば、私の方から解説するヒト(笑)にそのまま転送しますので、よろしければご利用ください。

 さて、本日は詰将棋学校好作選。力と熱の感じられる短編を。
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▲55と△同玉▲68角△57龍
▲77角△46玉▲55角△同龍
▲38桂△同と▲49龍△48香
▲同龍△同と▲38桂△同と
▲47香まで17手。
 初形に驚きますが、良く見れば玉は身動き取れない形です。しかし66角は65玉、77角、68歩と顔面で受けてギリギリ逃れ。また48角や68角は57歩で龍の効きが強い。55とと捨てて68角と龍筋を閉ざすのが意表の手段。64玉なら46角で、65玉は77角、68歩、66飛以下同手数駒余りです。
 ここで57龍は移動捨て合のようで実は取られる駒を逃がす手段。同香は64玉で今度は46角が出来なくなります。空振りを許容して77角とし、46玉に55角と捨てて龍筋を逸らせば38桂以下の収束につながります。
 余詰筋がかなり強く(例えば81桂がないと、初手66角の筋で93の銀が浮いているため詰み。また25とが無いと3手目66角、64玉、55角、53玉、64角以下詰み)、初形配置駒がかなり多くなったため、発表時は賛否両論でした。ただ、当時著名な解答強豪だった作者がソフトもない中で丹念に読みを重ねて実現した狙いには、共感を覚える方も特に現代では多いのではないかと思います。

 週末から月曜まで金沢⇒白川郷と旅して来ました。凄い雪でしたが、景色がとても綺麗で楽しめました。今週末15日は詰とうほくで、今度は詰将棋を満喫したいと思います。仙台駅近くの生涯学習センターの会議室での開催となります。皆さまもぜひどうぞ。

軽趣向好作選134

 今週は結構寒くなるようですね。実は週末に遠出する予定です。天気よいといいなあ。ちなみにその次の週、2月15日(土)に詰とうほくを行います。よろしくお願いします。

 では今日は軽趣向好作選です。上田氏ならではの独創的な世界を。
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▲42歩△同銀▲52金△同金
▲61龍△51金打▲33桂生△同桂
▲52龍△同金▲32金△51玉
▲42金△同金▲52銀△同金
▲33角成△42金打▲同馬△同金
▲52金△同金▲24角△42金打
▲同角成△同金▲52金△同金
▲63桂△同金▲52金まで31手。
 実戦に出てきそうな形ですが、実は変則ハガシ。初手42歩に同金は61龍、51歩、同龍、同玉、42と、同玉、24角で早詰。同銀に52金と捨てて61龍と潜り込むと52龍~32金の筋があり、51金打が最善となります。ここで33桂生と捨てるのがポイントで、32金~42金~33角成と手が繋がります。63桂の筋があるのでまた42金打とすることになります。それをまた切って52金~24角と質駒となっていた金を取れば、33馬を持駒に変えた計算となり、再度42金打に同角成とすることで持駒金2枚となり、52金~63桂が実現します。
 金合を繰り返しながら周囲の駒をはがしていく趣向を無駄駒一枚なく仕上げており、手順前後を許さない仕組みを含めて流石の完成品です。

 

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