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2024年11月

詰将棋学校好作選30

 昨日は詰とうほく。久しぶりの和室開催でした。Uraさんからくるくる作品展の続編提供があり、楽しく読みました。利波さんの特別同人作品展の出品作や石川さんの新作(石川さんへ。面白かったです。シブイ趣向ですね!)解図では、改めて解図力の落ち込みを確認する結果に。他、いつものとおり色々とだべって楽しみました。
 次回は2月15日(土)を予定。ただ、結構施設が埋まっていて、競争率厳しそうです。16日も予備で取っておくかな。

 本日は学校好作選です。残念ながら発表時不完全だった短編。
20241124kaede
▲55銀△同玉▲78飛△56玉
▲45銀△同玉▲74飛△36玉
▲45馬△同玉▲46金まで11手。
 飛をどこに開くか迷う局面ですが、実は36銀を取られるとほぼ届かない形になっています。初手55銀と捨てるのが急所で、同玉と取らせて78飛と馬筋を遮るのが気づきにくい一手です。19龍は75飛で早詰で、56玉と逃げるのですが、ここでまた開き王手を急がず、45銀と捨てるのが正解。これだけ紛れ筋が多い中、反復的な捨駒が出るのは驚きです。同玉に74飛~45馬とダイナミックな決め手が飛び出して最後は頭金まで。
 攻方駒が強く、残念ながら初手26飛以下難解な余詰が成立。作者による修正図は見た範囲では確認できませんでした。少し調べた範囲では玉方25歩→と、66歩→香でなんとか大丈夫そう?際どい紛れが多いのでまだ危ないかもしれません。

軽趣向好作選129

来週土曜日は詰とうほくです。久しぶりの和室開催となります。寒い日になりそうですので、皆様防寒対策を取ってきましょう。


本日は軽趣向好作選です。
20241117kaneko
▲77銀上△同飛生▲87銀△同飛生
▲67銀△同飛生▲68桂△同飛生
▲58角△同飛生▲68桂△同飛生
▲66と△同飛生▲68桂△同飛生
▲46飛△66桂▲同飛△同飛生
▲68桂△同飛成▲85銀△66玉
▲56と まで25手。
 構図からして、49飛を活用するために右側の駒を捨てるのかな、という形に見えますが、まずは86銀が浮いているので、それを取られないよう、77銀上~87銀として飛を質に入れます。先ほどの狙いから、66と~65角としたくなるのですが、66とを同玉と取られると手が続きません。そこで58銀を消してから58角と下から捨てる手順が正解になります。これで飛筋が通ったので66と~68桂とすれば46飛が実現します。
 これで歩を入手しました。なんとここまで来て、今まで文字通り縦横無尽に攻め駒を取った飛は全て不成であったことがわかります。66桂合で打歩詰ですが、これを取ることで収束します。最後を成限定にしているのも気が効いています。
 20手台ですが8回の連続飛生を含む9回の飛生出現で、連続飛生は今でも本作が最長記録のようです。46飛の局面まで、飛でも龍でも成立している手順になっていなくてはいけないので、これはなかなか破れないのではないでしょうか。68桂を繰り返す手順が楽しく、趣向詰としても一級品と思います。

詰将棋学校好作選29

 選挙が終わり、与党が過半数割れしました。それを皮切りに、財政についてニュースになる機会が増えたのはとても良いことと思っています。せっかくなので、税金だけでなく年金も含めて包括的に検討してほしいものです。縦割りの典型だと思ってるので。

 今日は詰将棋学校好作選です。
20241110yamato
▲39飛△38歩▲同飛△25玉
▲36銀△同金▲34馬△26玉
▲44馬△35桂▲36飛△同玉
▲37金△25玉▲27飛△同桂成
▲26歩△16玉▲34馬△25桂
▲同馬△同歩▲28桂△同成桂
▲17歩まで25手。
 初手は飛を回ってみるところ。これに対して25玉は34銀、26玉に27飛と捨てる手があり、同玉、45馬、28玉、38金で詰みます。そこで飛を一路近づける38歩合で延命します。同じように34銀~27飛だと45馬のときに38飛が浮くので詰まず、27飛のところ27歩は打歩詰。そこで34銀ではなく36銀~34馬とします。26玉のときに36飛と金を取ると同玉、47金、26玉でやはり打歩詰になるのですが、36飛とせずに44馬と一路離れるのがとぼけた一手です。36飛~37金と打って同角成は同飛、46玉、73角で詰み。37金、25玉のときに27飛を防ぐ35桂合が最善ですが、構わず飛を捨てて26歩~34馬ともう一度馬を寄って収束します。最後の突歩詰は洒落てますね。
 核となる手はありませんが、全体的に味の良い手で構成しており、バランスの良い中編と思います。

軽趣向好作選128

 今年もノルマの全国大会記念詰将棋の解説を書かせていただきました。いつも自前のワードファイルで作っているのですが、今年は最初に昨年のをクリアしたときに1行を14文字設定にしてしまったらしく、須藤さんがPDFにしたところで18行オーバーという大惨事に。なんとか4ページに納めましたが、解説文がやたらギュウギュウに見えたら、「ああ、全部ギリギリの文字数になるように削ったんだな」と思ってもらえれば間違いないです(笑)。


 その点、このブログは行数気にせずに書けるのが良いところ。今日は軽趣向好作選です。
20241104miyaura
▲33銀△45玉▲36角△56玉
▲59龍△67玉▲58角△56玉
▲85角△66玉▲68龍△56玉
▲67角△66玉▲94角△56玉
▲67角△66玉▲58角△56玉
▲57歩△45玉▲65龍△同馬
▲36角△34玉▲35歩△同桂
▲45角△同玉▲44金まで31手。
 比較的手が付けやすく、調子よく59龍~58角としますが、56玉と銀を取らずに逃げるのがうまい抵抗で、94に落ちている歩を取ると45玉とされて失敗。94角ではなく一歩手前の85に開くのが落ち着いた手で、45玉には54龍、同玉、63角成で詰み。これで66銀を取らせてから67角・66玉型で94歩を取るのが正解です。
 2歩を手にして58角といったん元に戻し、57歩から収束に入ります。長くなりすぎず、かつ知恵の輪を形成した龍・角を綺麗に消した着地が見事で、軽趣向らしい楽しさ満点の作品です。


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