« 2024年8月 | トップページ | 2024年10月 »

2024年9月

軽趣向好作選126

 昔遊んでいた戦国シミュレーションゲームがまだプレーできることを知って買ってみたのですが、昔と変わらずハマってしまい、だいぶ時間を費やしてしまいました。今のネトゲはもっと面白いんでしょうね。廃人になる、というのもわかる気がします。

 本日は軽趣向好作選。こちらもハマる内容となっております。
20240923inoue
▲45飛△35桂▲26銀打△14玉
▲15飛△24玉▲35銀△15玉
▲26銀引△24玉▲25銀△15玉
▲16銀引△24玉▲25銀△15玉
▲16歩△同と▲同銀引△24玉
▲25銀△15玉▲36銀引△24玉
▲35銀△15玉▲16歩△25玉
▲17桂△14玉▲15歩△同玉
▲46銀△24玉▲35銀△15玉
▲44銀△24玉▲33銀生△34玉
▲44銀成△24玉▲25飛△14玉
▲26桂まで45手。
 45飛と離して打つ手にいきなり桂中合が出ます。これを同飛と取ると25桂、26銀、24玉で逃れるので26銀打と押えますが、14玉とされると虎の子の飛を打たざるを得ず、35銀にその飛を取られてしまって心細くなりますが、実はここからが主題。26銀引、24玉に25銀~16銀でまず16歩をはがし、さらにその歩を使って17のと金も消去。これはその次に25銀~36銀引としたときの35桂合に16歩を用意したもの。そこで36銀には24玉としますが、35銀として、26桂と打つ形を作りにいきます。たとえば14玉なら26桂、15玉、46銀、25金、16歩、24玉、25飛以下。これを防ぐため、玉方は15玉、16歩、25玉で桂を17に打たせて凌ぎます。が、15歩、同玉、46銀と落ちている桂を取る手がありました。14玉にはまた26桂ですので24玉ですが、落ち着きはらって35銀~44銀とソッポに開き、33銀生~44銀成とすることで34の逃げ道が無くなり、25飛で収束します。
 舞台装置を作る序からひらひらと左右に舞う銀の動きが理知的で美しく、見るだけで十分に楽しめます。作者の面目躍如の傑作です。

詰将棋学校好作選26

 次回詰とうほくは11月23日(土)13時から、生涯学習センター和室(久しぶりだなあ)となりました。よろしくお願いします。


 いろいろあって1週飛ばしてしまいました。詰将棋学校好作選は今回より1996年上期の作品紹介です。今回は高校級の作品です。
20240916nagakabe
▲52銀△同歩▲51飛△同玉
▲42角成△62玉▲74桂△同銀
▲53銀生△同歩▲51馬△同玉
▲52金まで13手。
 手が付けやすそうで付けにくい感じ。特に62~73~74の逃走経路が気になるところです。52銀~51飛が力強い序奏で、41飛と合駒を欲張ると62玉で先ほどの逃走経路を防げません。51飛に62玉なら53銀生が効きます。
 同玉に42角成が英断で、上部をがら空きにしてしまうので不利感があるのですが、62玉に74桂と捨てるのが後続の好手で、73玉には51馬~65金でピッタリ詰み。同銀と74を塞ぐことで53銀生~51馬が決め手となります。強度の高い手が続く序と気持ちの良い収束をバランスよく組み合わせて、13手ながらこの半期の高校最高点を取りました。
 調べてみると、1枚駒追加+αで42桂は持駒に出来そう。紛れ重視したくなるタイプの作品なので、冬眠蛙だったらそちらを採ったかもしれません。
-------------
 パラ9月号が届いて、順位戦の結果は予想外に良い点をいただいたのですが、結果としては降級でした。投稿直前に「ああ、この素材はこういう風に作るのが良いかなあ」というアイデアはあったのですが、時間切れでした。まあこの筋の本命はまだ手元にあるので、そちらに活かせないか、考えてみます。


軽趣向好作選125

 最近、令和のコメ騒動みたいなことが起きてますが、構図としては昭和のオイルショックのときと大して変わっていないような気がします。ネット時代になっても、そういうところは変わっていない、ということなのかな。


 今日は軽趣向好作選。似た雰囲気の2作品です。
20240901hirose
▲27龍△46玉▲19角△28歩
▲同角△35玉▲47桂△同飛生
▲24龍△36玉▲48桂△同飛成
▲27龍△35玉▲47桂△同龍
▲36歩△同龍▲24龍△同玉
▲46角まで21手。
 27龍、46玉に19角と遠打。35玉は24龍までですので、28歩と捨合しますが、この時点で「ああ、24龍と捨てて46角までの筋かな」と見当が付きますが、すぐに24龍は36玉で詰みません。一方で36歩は打歩詰になっています。
 落ち着いてまず47桂と打ちます。同飛生とされて打歩詰は打開されませんが、47を塞いでおくのがミソ。これで24龍、36玉に48桂が局面打開の好手です。同飛生は27龍、35玉に今度は17角とする手があります。同香成は26龍まで、46玉は35角、55玉、57龍まで。この57龍を防いで同飛成とするのが最善ですが、再度27龍として47桂と戻せば今度は龍になっているので打歩詰が打開され、36歩と捨てて予定調和の24龍捨てが実現します。
 角遠打から両王手の筋は作例もいくつかあるのですが、飛成らせを入れることで軽趣向に仕立て上げるセンスは流石です。

20240901ueda
▲28桂△同と▲48桂△同角成
▲45銀△同銀25龍△37玉
▲28龍△36玉▲25龍△37玉
▲38歩△同馬▲49桂△同馬
▲28龍△36玉▲48桂△同馬
▲37歩△同馬▲25龍△同玉
▲35馬まで25手。
 初手28桂~48桂とまず桂を連続捨てし、1筋の香の効きを通して45銀が舞台作りの一手。同玉なら34龍以下で詰みます。同銀には取れない25龍が気持ちの良い一手で、37玉に28のと金を取って調子が良いのですが、36玉とされたときに25龍~28龍の千日手になることに気づきます。37歩と打てれば良いのですが生憎二歩。そこで、25龍、37玉に38歩と消し、49桂~28龍~48桂で馬を元の位置に戻せば、37歩が実現して25龍捨てが決まります。
 軽めのテイストですが、タネとなる28と金と48馬を序奏で動かす部分を含めて完璧な表現で、流石上田氏と唸らされます。

« 2024年8月 | トップページ | 2024年10月 »