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2024年6月

軽趣向好作選121

 昨日は来仙された角さんと懇親。年に1度の楽しみです。詰とうほくとタイミング合わないんですよねえ。惜しいところです。
20240630serita
▲37銀打△25玉▲26銀引△16玉
▲17銀△25玉▲16銀△同玉
▲45銀△25玉▲26銀△16玉
▲17銀△25玉▲36銀△15玉
▲26銀△16玉▲25銀左△同角
▲17銀△15玉▲16飛△同角
▲26銀まで25手。
 初手はほぼこの一手で、25玉に26銀上は36玉と戻られるので26銀引~17銀もこう指すところですが、25玉の局面でどちらの銀を26に上げても千日手模様。これを46銀を使ってうまく打開します。16銀と思い切って捨てて45銀とまず角の道を閉ざしつつ開き王手。26に合駒が効きそうですが、全部取って16飛と捨て、取った駒を打って詰みます。25玉とするしかないですが、そこで36銀と引く手を急がず、26銀~17銀と銀を置きなおすのが好手順。17銀型にして36銀と引くことで、15玉とする一手となり、26銀~25銀左とすることで25の逃げ道を塞ぐことが出来ます。最後は16飛と捨てて26銀まで、綺麗に収束。
 わずかな舞台装置の上を3枚の銀がチョウのように舞う美しい趣向で、この年のデパート年間優秀作を受賞した傑作です。

詰将棋学校好作選21

 全国大会が近づいて参りました。冬眠蛙は前日に国立競技場でサッカー観戦することにしました。どちらも楽しみです。ただ、見に行った試合の勝率悪いんですよね。ちょっと心配です(笑)。


 今日は学校好作選。長編趣向作です。
20240623kondo


▲31銀打△12玉▲44桂△23銀
▲同銀成△同成銀▲13歩△同玉
『▲79馬△24銀▲22銀打△12玉
▲13歩△同銀▲同銀成△同成銀
▲21銀△23玉▲32銀生△12玉
▲78馬△23銀▲同銀成△同成銀
▲13歩△同玉』
『▲68馬~▲67馬~△同玉』
『▲57馬~▲56馬~△同玉』
▲46馬△24銀▲22銀打△12玉
▲13歩△同銀▲同銀成△同成銀
▲21銀△23玉▲45馬△34歩
▲32銀生△12玉▲34馬△23銀
▲同銀成△同成銀▲13歩△同玉
▲35馬△24銀▲22銀打△12玉
▲13歩△同銀▲同銀成△同成銀
▲21銀△23玉▲24歩△同馬
▲32銀生△12玉▲34馬△23銀
▲22銀成△同玉▲23銀成△同成銀
▲32桂成△12玉▲13歩△同玉
▲24馬△同成銀▲22角△23玉
▲24飛△同玉▲35銀△25玉
▲26銀打△36玉▲37金△45玉
▲46金△54玉▲55金△53玉
▲44角成まで123手。



 成銀配置と持駒の歩、更に79馬配置で「歩を消費しながら成銀を操って馬鋸で近づくのかな」と慣れた方なら気づくかもしれませんが、この作者は更に欲張った味付けを用意していました。それが『銀合を2回繰り返し、その銀を剥がしながら近づく馬鋸』。44桂に23他合は21銀生から32桂成で、79馬に24他合は22銀~13歩で成銀を剥がして22銀打以下で詰みますので32桂成と13歩を取るために銀合が必要で、その銀を取ってまた打つことで馬で王手できる筋を空けることが出来る仕掛けです。
 近づくごとに2歩消費する仕組みで、最も近い35まで行くことでちょうど10枚使い切る……と実は失敗。途中45馬のタイミングを一路早め、34歩合を強要して同馬~35馬と引くのが正しい追い方で、これで1歩を稼ぎ、最後にその歩で13に吊り上げて24馬から収束に向かいます。最後は打った金が55までスルスルと上がって44角成まで。銀のスクリーンの開閉が機械仕掛けのようで面白い表現になっていると思います。

軽趣向好作選120

 同僚のススメもあり、日傘デビューを検討中です。7月に甲府でくたびれた格好で日傘さして歩いてる人がいたら、声かけてみてください(笑)。


 本日は軽趣向好作選です。
20240616nakamura
▲18龍△17金▲15金△同玉
▲17龍△16金▲14金△同玉
▲16龍△15金▲13金△同玉
▲15龍△14金▲22龍△同角
▲14龍△同玉▲15歩△同玉
▲16歩△同玉▲17歩△同玉
▲27金△18玉▲28金△19玉
▲18金打まで29手。
 1筋の縦の金送り。普通、縦の金合ですと同龍と取られて早く詰んでしまいそうですが、角桂の効きと25地点を空けることで巧みに早詰を回避しています。また、下段で収束するのが考えられるところ、12歩を壁にしつつ、11龍を配置することで13金に同歩の変化を成立させています。
 その龍を22に捨てる手をキーにして、歩を連打して玉を吊り上げれば、3手目同龍では成立しなかった27金の筋で雪隠まで追い込んで詰む仕掛け。力の籠った作品が多い作者ですが、器用な面を持ち合わせていることを感じます。

詰将棋学校好作選20

 妻の実家で網戸の張替をしてきました。久しぶりにやったのでやり方だいぶ忘れてましたが、なんとか完了。DCMで買った網押えゴムの太さを間違ってしまったのですが、話したら快く交換してもらえて助かりました。同じミスやってる人結構いるんですかね。


 今日は詰将棋学校好作選です。当時なかなかの衝撃をもたらした作品です。
20240617sakaguchi
▲55桂△33玉▲39香△同馬
▲34龍△42玉▲43龍△51玉
▲63桂生△61玉▲71桂成△同玉
▲83桂△81玉▲72銀△92玉
▲91桂成△同玉▲93香△同馬
▲41龍△92玉▲81龍まで23手。

 3手目34龍と追うのが普通ですが、42玉、43龍、51玉、63桂生、61玉で逃れます。ここで93馬の効きに打つ39香が狙いの遠打。23玉、15桂、13玉、63龍、24玉、23龍、15玉、26銀、15玉、25龍、27玉、37銀の変化のための限定打で、38歩合とかですと今度は同香、23玉に34龍で詰みですので同馬と取りますが、93馬の83の効きが無くなるので、34龍以下同様に追って、71桂成~83桂と打ち換える手が成立します。92まで追い込んで、91桂成~93香と今度は39馬を93まで呼び戻すのが作者の描いたストーリーでした。スイッチバックの表現手法が鮮烈で、当時高い評価を得た傑作です。
 発表時は玉方85歩・95と配置がなく、71桂成のところ、51桂成、71玉、61成桂、81玉、71成桂の迂回手順のキズが発生。修正案は作者ご自身によるものですが、今見ると85歩と95とのどちらか一枚でも修正できているように見えます。作者にお伝えできれば良いのですが。

軽趣向好作選119

 次回詰とうほくは8月17日(土)の13時から、前回と同じ生涯学習センターの第1セミナー室を予約しました。だいじょうぶ、こんどは5階です(笑)。

 本日は軽趣向好作選。前々回でも紹介した深和氏の作品です。
20240602fukawa
▲26銀△16玉▲35銀△17玉
▲26銀△16玉▲37銀△26香
▲17歩△同玉▲26銀△16玉
▲37銀△26香▲17歩△同玉
▲26銀△16玉▲37銀△26香
▲17歩△同玉▲26銀△16玉
▲37銀△26銀▲17香△同玉
▲26銀△16玉▲17香△同桂成
▲25銀打△同歩▲17銀△同玉
▲29桂△同成桂▲18香まで39手。
 26銀と据えてまずは35歩を取り、今度は37銀と引いて28銀引を見せます。26香と飛を引き寄せる捨て合が最善で、これに対し17歩~26銀とすることで持駒の歩が香に変換されたことになります。これをもう2回繰り返し、持駒香3枚で37銀引とすれば香が品切れ。金合は17香、同玉、26銀、16玉に15銀が成立。角合は17香、同玉、26銀、16玉、17香、同桂成、34角があります。銀合が最善ですが、17香からその銀を入手し、桂を跳ねさせて25銀打が決め手。29桂、同と、18香でピッタリ詰みあがります。
 易しいですが、どうやったらこう都合よく出来るのか、と思うほど全く無駄のない作り。序奏・収束を含めて見事な軽趣向作品です。

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