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詰将棋学校好作選19

 朝ドラ主題歌の米津玄師の曲が冬眠蛙好みドストレートで、あまりに気に入ったので久しぶりにギター練習しています。真面目に触るのは数年ぶりで、フレットを押さえる力が弱くなってて、ブランクを感じました。まあ元々全然素人なんですが(笑)。


 今日は学校好作選です。非常に高評価だったのですが残念ながら余詰だった短編作を。
20240526kato
▲67飛△46玉▲58桂△55玉
▲54馬△同玉▲46桂まで7手。
 桂があれば打ってみよ、と48桂は同香成で、逆に28桂は46玉で打った桂が邪魔になって詰みません。ということで開き王手なのですが、飛成でも57飛でもなく、67飛と枠の外に動かすのが面白い一手で、46玉に58桂と香筋を遮断した後、豪快な馬捨てから両王手が作者の狙いでした。
 全手順が一本の線でつながっており、完成された作品なのですが、残念ながら初手77飛でも詰みで、また収束54馬で28馬と寄る手もあり、残念ながら不完全。修正も無理ではないのですが、2枚くらい追加しないと厳しそうです。
 この詰上りは有名な小林敏樹氏作にもあるのですが、発表時の結果稿において、小林氏の59香遠打に比べるとインパクトが薄い、という解説が行われています。ただ、個人的にそうかなあ、という気持ちはあります。59香で逃げ道を封鎖できているにも関わらずその枠の外に移動するのが正解、という意外性は短編ならではの世界だと思うんですよね。加藤氏は当時の超短編の名手の一人で、本作はまさに氏らしい調理がなされていると思います。ぜひまた作品を見せて欲しい作家の一人です。

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