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2024年5月

詰将棋学校好作選19

 朝ドラ主題歌の米津玄師の曲が冬眠蛙好みドストレートで、あまりに気に入ったので久しぶりにギター練習しています。真面目に触るのは数年ぶりで、フレットを押さえる力が弱くなってて、ブランクを感じました。まあ元々全然素人なんですが(笑)。


 今日は学校好作選です。非常に高評価だったのですが残念ながら余詰だった短編作を。
20240526kato
▲67飛△46玉▲58桂△55玉
▲54馬△同玉▲46桂まで7手。
 桂があれば打ってみよ、と48桂は同香成で、逆に28桂は46玉で打った桂が邪魔になって詰みません。ということで開き王手なのですが、飛成でも57飛でもなく、67飛と枠の外に動かすのが面白い一手で、46玉に58桂と香筋を遮断した後、豪快な馬捨てから両王手が作者の狙いでした。
 全手順が一本の線でつながっており、完成された作品なのですが、残念ながら初手77飛でも詰みで、また収束54馬で28馬と寄る手もあり、残念ながら不完全。修正も無理ではないのですが、2枚くらい追加しないと厳しそうです。
 この詰上りは有名な小林敏樹氏作にもあるのですが、発表時の結果稿において、小林氏の59香遠打に比べるとインパクトが薄い、という解説が行われています。ただ、個人的にそうかなあ、という気持ちはあります。59香で逃げ道を封鎖できているにも関わらずその枠の外に移動するのが正解、という意外性は短編ならではの世界だと思うんですよね。加藤氏は当時の超短編の名手の一人で、本作はまさに氏らしい調理がなされていると思います。ぜひまた作品を見せて欲しい作家の一人です。

軽趣向好作選118

 昨日は詰とうほくでした。初めて取ったミーティング室が本当にミーティング室で(当たり前)ちょっと狭くて反省でしたが、9名参加で楽しみました。古い国会図書館資料の写しをいただいたり、握り詰や皆さんの新作を解いたり。3次会まで繰り出して段級位認定の話題で盛り上がりました。
 次回は8月17日(土)で抽選申込しています。会場取れ次第、ご連絡します。

 さて、今日は軽趣向好作選です。
20240519kitaoka
▲42歩成△同飛▲43桂△21玉
▲11歩成△同玉▲33角成△21玉
▲31桂成△同玉▲22歩成△同飛
▲23桂△41玉▲52歩成△同飛
▲53桂△同飛▲31桂成△同玉
▲32桂成まで21手。
 盤面3段目の歩を成り捨てては桂を打つのが心地良く、12歩や打った桂の成捨てを含めてリズミカルな手順。43桂に同飛は13角成、42玉、52歩成、33玉、35香、34歩、45桂、44玉、36桂までピッタリ詰みます。この変化のために54歩・56銀の2枚配置が必要になるのは一寸惜しいですが、良いアクセントになっていると思います。
20240519fujii
▲39飛△29銀▲同飛△同玉
▲38銀△19玉▲29飛△18玉
▲19銀△17玉▲27飛△16玉
▲26飛△17玉▲28銀△18玉
▲27銀上△19玉▲37角△28歩
▲同角△同玉▲36銀△17玉
▲27飛△18玉▲19歩△同玉
▲29飛△18玉▲19歩△17玉
▲27飛△16玉▲25銀まで35手。
 39飛に29銀合(角合は38に打つ駒が角になるので開き王手できて早い)からスタートして38銀打とすると入玉形知恵の輪かな、と見当が付きます。実際19に銀を打って歩をパクるところ位まではスラスラと進みます。26飛、17玉となると、28銀は18玉、27飛は16玉でどちらも駄目そうに見えるのですが、28銀、18玉に27銀直とするのがちょっと指し難い手段で角を使って1歩を稼ぎ、36銀型を作るのがポイントでした。
 最後は取った歩を19に打って16まで追い込んで25銀まで。19に打った銀が25まで進んで収束、というのはなかなか想像できません。作品集を上梓された作者、センスが伺われる作品です。

設定変更について

 趣味として詰将棋と付き合ってもう数十年になりました。他にもいくつか趣味や楽しみがありましたが、これだけ長く続いたのは詰将棋だけでしょうか。
 その活動の一環としてこのブログもやっているのですが、いくつか意味不明なコメントが来るようになりました。先日正直に良くわからない旨返信した後で、ようやく真意らしき意見をいただいたのですが、一部は理解できたものの、首肯できないものが多かった上に、全般的なニュアンスに正直なところ怒りを覚えた次第です。私だけでなく、紹介した作品の作者の方にも失礼にあたるため、当該コメントは削除しました。
 趣味で不快な思いをする位ならば、それはもう趣味とすべきではない、というのが持論です。記事投稿は続けますが、これ以上詰将棋を嫌いにならないよう、コメント設定は行わないこととしました。あしからずご了承ください。

詰将棋学校好作選18

 次の土曜の5月18日は詰とうほくです。仙台駅東口の生涯学習センター。今回はミーティング室にしてみました。少し狭いかもしれないですが、まずは問題ないレベルかと思います。初夏の仙台でお待ちしております。

 さて、本日は学校好作選です。力の入った中編をご紹介。
20240512hirayama
▲82銀△同馬▲同桂成△同玉
▲91角△72玉▲73飛△81玉
▲93桂△同龍▲63角△92玉
▲72飛成△82歩▲同角成△同龍
▲74角成△93玉▲82龍△同玉
▲83飛△71玉▲72歩△同玉
▲73馬△71玉▲82飛成まで27手。

 身動きできない玉ですが龍と馬が強力にカバーしており、どのように手を付けて良いか迷うかと思います。71飛、81歩、同銀成でも相当に続きそうですが、わずかに届きません。82銀と精算しにいくのが思い切った手段。同龍は同桂成、同玉に84飛と馬に当てて打つ手があり早いので同馬ですが、同桂成、同玉(同龍は71飛~73角)に91角が目の覚める一撃です。同玉は73角、同龍は64角の筋で詰みで、72玉と銀を取るのが最善ですが、73飛~93桂~63角でようやく網に入れた感触がするところでしょうか。
 収束はやや流れましたが、コンパクトにまとまったいるので雰囲気を壊していません。端正な初形から読みの入った手順が展開される佳作中編です。

軽趣向好作選117

 軽趣向好作選は今日から2014年発表の作品群の紹介になります。この年は本当に軽趣向が豊作で、全部紹介しきるまでどの位かかるでしょうか。まず本日は深和氏の超短編姉妹作2作です。
20240506fukawa1
▲47馬△同銀生▲36金△同銀成
▲27金△同成銀▲29桂まで7手。
20240506fukawa2
▲36桂△同角生▲45歩△同角
▲56桂△同角▲43桂成まで7手。

 上は銀の回転、下は角の回転のノンストップ。共通しているのは最初に最終手の一手を指すと逆王手をくらって不詰となること。これを逆から回すと逆王手を回避できるのが面白い。上は4手目同銀生だと26銀まで、下は2手目同角成だと56桂、34玉、35歩以下駒余りになります。両方ともよく出来た仕掛けで、作者らしい楽しさ溢れる作品です。

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