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軽趣向好作選115

 諸都合により今回も軽趣向好作選です。今回は宮原氏の2作品。

20240331miyahara1
▲38桂△同馬▲27銀△同馬
▲38桂△同馬▲29香△同馬
▲16龍まで9手。
 玉方馬のスイッチバック。一旦27まで行った後、元来た軌跡をそのまま戻るのが凄い。39角が絶妙の配置です。29香がわかっていても気持ちの良い一手。
20240331miyahara2
▲21桂成△15角▲同香△同飛
▲45角△同飛▲26桂△15角
▲同香△同飛▲45角△同飛
▲19飛△15角▲同香△同飛
▲89角△67馬▲同角△45歩
▲同角△同飛▲23角△同成桂
▲13歩△同成桂▲11銀成まで27手詰。
 初手当然の21桂成に15歩合とすると同香、同飛に13歩で詰み。前に効く駒を渡すと常にこの手段が生じる構図です。しかし、15角合とされたとき、この角を離して打って歩を合駒で入手できれば……というところなのですが、残念ながら角を打つ場所は全部そのまま取られて適当な場所がなさそうです。
 ところが、唯一取られずに打てる場所がありました。それは今詰方の飛が置かれている89。その89の飛を動かして89角を実現するため角合→角捨てが繰り返されます。首尾よく19飛として角合を食いちぎり、89角でゴール、と思いきや、最後に67馬と捨てて45歩合とする非常手段がありました。同角、同飛で13歩が打歩詰になるのですが、最後は23角と打開して綺麗に詰みます。簡潔な構図から繰り出される輪廻転生(リインカーネーション)。傑作あふれる作者の作品群でも、特に楽しさが際立つ一作です。

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