今日仙台は急激に冷え込みました。雪が積もらないと良いのですが。
本日は学校好作選です。長編傑作!
▲35歩△同角生▲43銀△33玉
▲42龍△44玉▲32銀生△54玉
▲43龍△64玉▲73龍△54玉
▲43銀生△44玉▲53龍△33玉
▲42龍△44玉▲45歩△同角
▲32銀生△54玉▲43龍△64玉
▲73龍△54玉▲53と△44玉
▲54と△同玉▲43銀生△44玉
▲53龍△33玉▲42龍△44玉
▲34銀生△54玉▲43龍△64玉
▲73龍△54玉▲45銀引△同金
▲43角△44玉▲53龍△33玉
▲34角成△同玉▲45銀△同玉
▲36金△同桂▲43龍△55玉
▲56金△64玉▲73龍△54玉
▲46桂△同角▲53龍まで63手。
初手35歩に同角生とするのは後で打歩詰に誘致するため。43銀、33玉で角筋を避けて42龍、44玉とすると、うっすらと知恵の輪であることが見えてきます。さて、ではどのようなキーが隠されているでしょう。
まず32銀生~43龍と左辺に追って73の歩を拾うのは見えやすい。その後でいったんまた42龍まで龍の位置を戻して45歩とその歩で叩きます。同金には32銀生、54玉、43龍、64玉、73龍、54玉の後で53桂成、44玉、54成桂と65の桂を消すのが巧い手段。こうすることで同角に43銀生、44玉、45銀、同玉、75龍と桂を取る手が生じます。以下65歩合には36金、同桂、37桂、55玉、67桂で詰み。
ということで、45歩には同角が正解。この場合は65桂を消す順では46金の上部の利きが残るため、75龍、65歩合で駄目。ではどうするかというと、同じように73龍・54玉型を作った後で53と~54と、と今度は52とを消します。一見あまり効果がないようですが、もう一度42龍・44玉型にして34銀生とする手が成立します。同玉は45銀、同金、52角まで。このために52とを消去する必要があった、というわけです。
34銀生には54玉としますが、落ち着いてもう一度73龍・54玉型を作ってから45銀引で角を入手します。その角も34に成り捨て(その前に53龍を入れておくのも流石です)、45銀以下収束に入ります。73龍・54玉型を作り直して46桂が決め手で、最後まで知恵の輪の雰囲気を壊さないあたり、作者らしい心配りです。
オリジナリティの強い知恵の輪に、取る駒で邪魔駒が変わる対比を織り交ぜる手腕に嘆息するばかり。作者の代表作と言っても過言ではないかと思います。詰将棋ファンの創刊号(電子版でまだ購入可能なはずです)作者の作図メモが載っているのですが、ここには載せきれない細やかな心配りが記されており、本当に凄いです。ぜひお読みください。
最近のコメント