« 2023年10月 | トップページ | 2023年12月 »

2023年11月

詰将棋学校好作選8

 久しぶりに映画を見てきました。初めての北野映画「首」。色々とまあありますが、個人的にはそこそこ面白かったです。壮大でしたね。

 本日は学校好作選です。
20231126nagakabe
▲53角△66玉▲77銀△同玉
▲86角成△67玉▲76角△同桂
▲68金△同桂成▲76馬まで11手。

 上にも下にも広くて捕まりそうに見えませんが、53角が盤上この一手の好手。同飛は65金、64合は86角、85玉、94銀、74玉は92角、83合(ここで73玉を詰ますため、53角は限定打)、64金で詰みます。66玉で上部脱出を図るのが最善ですが、77銀~86角成が継続手段。67玉に76角~68金が決め手で、桂を二段跳ねさせて76馬まで。
 重厚な手筋物が得意な長壁氏の作風が良く出た作品です。

 来週末は旅に出ており、更新をお休みさせていだきます。次回更新時には詰とうほくの開催予定もお知らせできるかと思います。

軽趣向好作選106

 詰とうほくを昨日開催しました。正月以外では初めて?TETSUさんもお見えになって8名参加。資料等で雑談しつつ、パラ11月号の藤井八冠記念祝賀詰を皆で解図しました。何作か難しいものもあって、「全く祝賀してるように見えない」と半分?冗談を飛ばしつつ、それでもなんとか全題解けました。ああよかった。
 だいたい収集系の話題も多い会合ですが、昨日話題にのぼったのが「各地区の学生将棋連盟が出している会誌」。関東で学生時代を過ごした冬眠蛙は「力戦」が懐かしく、基本的に詰将棋は載ってなかったような気がしましたが、結構他地区では載っているのだそうです。持っている方はまだいるんですかね。
 次回は思い切って3連休のど真ん中の2月24日を軸に調整することとしました。会場決まり次第、またここでも告知します。

 さて、軽趣向好作選。今日のはかなり楽しいです。
20231119akabatake
▲21香成△同玉▲31歩成△11玉
▲21と△同玉▲32角成△11玉
▲21馬△同玉▲31飛成△同玉
▲41歩成△21玉▲31と△11玉
▲21と△同玉▲32銀△22玉
▲43銀成△11玉▲21金△同玉
▲32成銀△11玉▲33角成△同金
▲61飛成まで29手。
 異常に凝り固まった攻め方駒が目立つ初形。62飛なんてどうやったら働くのか、と思いますが、実はこれを働かすため、他の駒を全部捌き捨てます。13銀を相手にしないのがポイントですが、そのため全部11まで追いながら捨てる必要があり、41角を先に捨ててから31飛成とか、42歩も21まで追いかけて捨てる手順はユーモラス。32銀に22玉と上がって金を取らせて11に逃げ込むのもトカゲのしっぽ切りみたいで面白い。最後に51角を捨てて全部消しての61飛成で破顔一笑の詰上がり。
 難しくなくても楽しめる、軽趣向の良さがよく出た作品と思います。

詰将棋学校好作選7

 次の土曜日は詰とうほくです。青葉区中央市民センター(前パラに「中央市民センター」だけで載せたら、宮城野区にも中央市民センターあるんだそうで、佐々木さんが間違えそうになったとか。すみません)になりますので、お間違えなきよう。

 今日は学校好作選です。大学級のあぶり出しを紹介。
20231112saito
▲48香△59銀▲同飛△68玉
▲57銀△78玉▲77馬△同玉
▲89桂△同と▲86龍△78玉
▲89龍△67玉▲69龍△57玉
▲66桂△48玉▲58飛△37玉
▲39龍△27玉▲38龍△17玉
▲18歩△同玉▲16桂△17玉
▲28龍△16玉▲56飛△15玉
▲17龍△25玉▲26飛△35玉
▲37龍△45玉▲46飛△55玉
▲35龍まで41手。

 香の一目あがりに銀捨合という応酬でスタートします。銀捨合の方は意味づけは比較的考えやすいかと思いますが、初手47香もなかなか有力な感じもします。57銀に78玉がギリギリの応手で意外と詰ましにくいのですが、77馬と思い切って捨てて89桂で道が開けます。龍でと金を取り、中央に追って66桂の局面がポイントで、初手47香だとここで47玉、58龍、37玉となり、この龍飛の位置関係では詰まない仕掛けになっています。48玉に58飛、37玉、39龍と追い、58飛・38龍型を作れば18歩~16桂(36桂では後でその桂が邪魔になります)で手が繋がる仕組み。
 最後は飛を6段目、龍を7段目に据えての龍飛追いから75銀を活かして35飛までの詰上がり。タイトルの宵の明星は夕方から夜にかけて、金星が明るく輝くを指す言葉で、作者は近くにカシオペア座を配してその景色を描いてみせています。手順・詰上がりともになかなか洒落の利いた作品と思います。

軽趣向好作選105

 ビートルズの最後の新曲が出ましたね。AIの助けも入っているらしいですが、いかにも、という曲調で良かったと思います。

 さて、今日は軽趣向好作選。手数短めなので2局紹介します。
20231104sakai2
▲26と△17玉▲27と△同玉
▲26龍△38玉▲28龍△47玉
▲48龍△56玉▲66金△同金
▲46龍△67玉▲66龍△58玉
▲68金△49玉▲46龍△38玉
▲48龍△27玉▲28龍△16玉
▲26龍まで25手。
 ほとんど見たままの龍追いですが、ちょっとユーモラスな初形から55金配置をうまく活用して逆回転を実現し、最後は還元玉で仕上げるあたり、流石に巧いものです。
20231104marishiten
▲76香△同飛▲75香△同飛
▲74香△同飛▲73香△同飛
▲72銀打△同飛▲52銀成まで11手。
 初手から遊び手のない4香連捨て。創作難度は手掛けたことがある方ならかなり高いことは分かるかと思います。たとえば初手75香では詰まないようにしなくてはならず、かつ2手目74歩合や75歩合は早く詰むようにしなくてはいけないわけですね。前者は74歩合で詰まず、後者は74歩合であれば73香、62玉、42飛成、63玉、53龍、64玉、53銀打、73玉(初手75香だとここで75玉で不詰)、72龍で駒が余り、また75歩合は74香、62玉、42飛成、63玉、73龍以下です。3手目以降もうまく空間を利用して連捨てを実現しています。
 ごく少ない駒数で表現できており、印象に残る作品になっていると思います。

« 2023年10月 | トップページ | 2023年12月 »