詰将棋学校好作選4
ここのところ予期していないイベントもあり、忙しい状態が続いていました。来週の3連休も更新できないかもしれません。
今回は学校好作選。大好きな作品で以前も紹介したのですが、良いものは何回紹介しても良いということで。
▲14角△21玉▲23香△12玉
▲62龍△42銀合▲22香成△同玉
▲33銀成△11玉▲22成銀△同玉
▲42龍△13玉▲12龍△同玉
▲23銀△21玉▲31馬△同玉
▲32銀成まで21手。
初手目につく62龍ですと、23玉、41角に34玉と上に逃げられてしまいます。14角が作家的に美味しい導入。同龍は34香がピッタリ。23香合くらいだと62龍、21玉、31馬と捨てて33香で詰みます。23金合の変化が難しいのですが、43銀生とするのが好手で、以下22玉、23角成、同玉、34銀生、同龍、同龍、同玉、35飛以下同手数駒余りで詰みます。
というわけで2手目は21玉が最善なのですが、これには23香で合駒を尋ねます。何かしら入ると将来的に11に逃げられたときにその駒を打って詰む筋が生じる仕掛け。12玉と合駒せずに頑張ります。
実はこの4手が序奏で、ここからが主題となります。といってもこの局面では62龍ですぐ詰みそうに見えます。13玉は31馬、14玉、12龍まで。31馬を防ぐ42歩合には22香成、同玉、33銀成として、以下同玉は42龍、11玉は51龍で簡単。進退窮まったように見えますが、ここで42銀合が妙防です。銀合することで22香成、同玉、33銀成、11玉のときの51龍を防いでいます。
同龍は13玉で届かず、今度は先手が困ったように見えますが、ここで33銀成から22成銀と44銀を消すのが見事な手順。これは44の地点を空ける意味合いで、これを経由して42龍と銀を取り、12龍と捨てる手が成立します。23銀、11玉のときに44馬を用意している仕掛けですね。最後は21玉に31角成と捨てて見事な清涼詰となりました。(11玉、44馬以下でも正解です)
きめ細かな序奏から秘術を尽くした攻防、着地も完璧で、これをわずか盤面8枚の配置で実現する作者の表現力には脱帽の一手です。当然半期賞、看寿賞を狙えた作品だと思うのですが、実は同じ期に同じ作者で見事な中編作品(下図)が発表されており、最終的にそちらが選ばれました。今の制度でしたら、間違いなく看寿賞を含めて2作受賞になったと思います。
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