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詰将棋学校好作選2(再)

 大曲花火大会のバスツアーに参加してきました。仙台に戻ってきたのは朝の4時で、なかなかの強行日程。今日はほとんど機能していませんでしたが、天気にも恵まれて花火は最高でした。初めて見ましたが、すごいの一語です。60万人くらい集まるのだそうで、運営の皆さんは大変だったろうなと思います。ありがとうございました。

 さて、連載開始しました詰将棋学校好作選ですが、2回目にして早くもポカしてしまいまして、前回紹介して古関氏作はちゃんと半期賞を受賞していました。パラの半期賞掲載号に編集部ミスで載っていなかったのをそのまま信じてしまいました。良く調べれば気づいたはずで、失礼しました。ご指摘いただいたEOG氏に感謝。
 ということで、改めて第2回。今回は長編を紹介します。
20230827nishida
▲32歩成△同飛▲41と△同玉
▲51歩成△31玉▲41と△同玉
▲45香△31玉▲32角成△同玉
▲34飛△33角▲同飛成△同玉
『▲66馬△55と▲51角△32玉
▲42角成△21玉▲43馬△31玉
▲53馬△21玉▲54馬△32飛
▲同馬△同玉▲Ⓐ76馬△65と
▲34飛△33角▲同飛成△同玉』
『▲77馬……▲87馬……△同玉』
『▲88馬……▲98馬……△同玉』
『▲88馬……▲87馬……△同玉』
▲77馬△55と▲51角△32玉
▲42角成△21玉▲43馬△31玉
▲53馬△21玉▲54馬△32飛
▲同馬△同玉▲Ⓑ76馬△65と
▲33歩△21玉▲41飛△31角
▲同飛成△同玉▲75角△同歩
▲41香成△同玉▲85馬△42玉
▲41飛△33玉▲34銀△同玉
▲52馬△23玉▲43飛成△14玉
▲41馬まで133手。
Ⓐ34飛、33角、76馬の手順前後有。
Ⓑ33歩、21玉、41飛、33角、76馬の手順前後有。

 初形で98に置かれている歩を取りに行く馬鋸かな、と想像できるかもしれませんが、その取り方は非常に精緻です。
 まず45香と足場を据えて32飛を入手して、34飛、33角合で33まで引っ張り出して66馬。で、次は76馬としたいのですが、51角、32玉、76馬では65とで詰みません。76馬とするためには32玉型で持駒飛にする必要があります。そのために42角成からもう一枚の角を馬鋸で54まで引っ張ります。31玉には64馬、21玉のときに76馬で2枚馬の効きが発生して詰むので、54馬には32飛合を余儀なくされ、これで目的の76馬を達成できます。馬鋸の1コマずつ動かす原動力に別の馬鋸を使う、複合馬鋸となっているのです!
 作者が用意した仕掛けはこれだけではなくて、98歩を取った後も精巧の一言。76まで同様に戻してきた後で取った歩を33に据えて41飛、31角合、同飛成、同玉の瞬間、75角が刮目の決め手。当時の担当者もこの一手の局面を切り出して載せています。動く将棋盤載せてますので、ぜひ確認ください。同とは32歩成まで、同飛は同馬以下、そして作意の同歩には……ここで手を打った人は相当なマニア。そう、このときのために、序の5手目から7手目で52歩を消去しているのです。
 41香成から飛を入手すればゴールですが、34銀から52馬で気持ち良く、かつ長すぎない纏めも主題と調和しています。ⒶⒷの手順前後はありますが、非常にシンプルな仕組みで複合馬鋸を実現した傑作です。

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