軽趣向好作選96
来月の詰将棋全国大会、何とか参加できそうな見込みです。コロナでずっとやっていませんでしたので、色々な方にお会いできるのが今から楽しみです。
というわけで、ということでもなく単なる偶然ですが、今日は2012年の全国大会の記念詰将棋2題をご紹介。
▲99馬△88歩▲12歩△21玉
▲98馬△87桂▲11歩成△31玉
▲97馬△86桂▲21と△41玉
▲96馬△85桂▲31と△51玉
▲95馬△84桂▲41と△61玉
▲94馬△83銀▲同馬△同香
▲51と△同玉▲52銀△42玉
▲43銀成△同玉▲44と まで31手。
89馬を使って良い合駒を入手できれば詰みなのですが、そんなに簡単に入手できるわけはなく、99馬には98歩合、12歩、21玉として98馬には87桂合と抵抗されます。ところが、桂の頭が丸いため、ここで11歩成とすると同玉には88馬とされてしまうため、31玉の一手となります。そこで更に97馬が成立し、更に同じ理屈でと金で追いつつ馬を縦に動かず趣向が成立しています。61まで追って94馬とすれば、桂も品切れになってしまい、ついに銀を入手。フル活用したと金を捨てて銀打~両王手で綺麗に収束します。
この趣向のために二歩や行きどころのない駒打の禁止のルールがあるんじゃないか、と思う位の完璧な構図。それを簡単に解ける易しさに仕上げる作者の創作力に拍手喝采です。
▲24桂△33玉▲43銀成△同玉
▲55桂△33玉▲32桂成△同玉
▲44桂△33玉▲43桂成△同玉
▲35桂△33玉▲32桂成△同玉
▲54馬△41玉▲42角成△同玉
▲43桂成△41玉▲42歩△31玉
▲32成桂 まで25手。
初手から43銀成、同玉、35桂、32玉とすれば詰むのですが、そんなに簡単に話が運ぶワケがなく、35桂には52玉とすれば詰みませんし、そもそも43銀成に21玉とされるとアウトです。それを実現するために打ち換え趣向が成立しています。
①初手は21に逃げられないように12に効かして24桂
②54銀を55桂に打ち換えて63の効きを残しつつ54の地点を開ける
③24桂を44桂に打ち換えて52に効きを作る(44桂に21玉は54馬)
④55桂を35桂に打ち換えて23に効きを作る
⑤32桂成~54馬で下段に追い込んで収束
こちらも煩わしい変化は少なく、論理を追っていけば自然と趣向に想到することが出来ます。一流作家により表現された上質な手触りにただただ感心するばかりです。
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