軽趣向好作選86
「鎌倉殿の13人」、いよいよ大詰めですねえ。今年のはここ数年の中で一番面白くて、毎週欠かさず見ています。一時は「この流れで本当に終わるのか」と思うレベルのペースでしたが、キッチリ納められるもので、感心しています。来年は久しぶりの家康主人公。単体での主人公だと滝田栄以来かな?これも楽しみです。
本日は軽趣向好作選です。今回は短編2作品。
▲46銀△同香▲66銀△同飛
▲56歩△同飛▲64銀生△同飛
▲67桂△同飛成▲44銀生まで11手。
かなり印象的な初形で、飛香の効きを搔い潜れば詰むのは分かるのですが、相手にするのが飛なので、動いた後の横効きも注意しなければならず、頭が混乱しそうです。
46銀と最初に4筋の香を動かすのが正解で、44銀生までの詰上がりを目指すのですが、9筋の飛の効きを外すために66銀~56歩と準備工作が必要で、先に62飛を動かすことで64銀生~67桂が成立します。この配置から4枚の銀全て動く手順を編み出すセンスに拍手。
▲37金△同桂成▲47銀△同成桂
▲46金△同成桂▲45銀△同成桂
▲37金まで9手。
8手かけて盤面の桂を成桂にする魔法のような手順。原型で駒を成駒に変換するテーマ自体は類例も多いのですが、桂を成桂にするのは創作難易度はかなり高い。それを極限まで配置も紛れもそぎ落とし、純粋にテーマだけを抽出して表現することで、より多くの人に楽しんでもらえる作品に出来たのは素晴らしいと思います。
盤面七色の生駒配置で遊び心を徹底しているのも小憎らしい演出で、短編趣向の傑作です。
« 次回詰とうほく日程+過去作解説 | トップページ | 棋譜表記 »
「軽趣向好作選」カテゴリの記事
- 軽趣向好作選139(2025.04.13)
- 軽趣向好作選138(2025.03.30)
- 軽趣向好作選137(2025.03.16)
- 軽趣向好作選136(2025.03.02)
- 図面作成Ver3.00 再掲示 + 軽趣向好作集Vol1(2025.02.23)
コメント