棋譜表記
昨日は東京に行っておりまして、その帰りに久しぶりにパラの作品を解図。せっかくなので、ただいま解答作成中です。
ふと思い出したのですが、以前SNS上で目にした「パラの棋譜表記方法」。ちょっと考えてみます。
この局面だと玉方は22に合駒をする一手ですが、特に指定はなく、次に桂を打って詰上がりとなります。この場合、解答はどう書けば良いでしょう?
同じ理屈で、次の図の応手はどう書きますか?
例図①はパラですと「22合」と記載しているようです。駒の種類の記載はありません。どれでも良い、というわけですね。ただ、例図②になると一見同じく「22合」で良さそうですが、厳密には22銀と上がる手も22合のひとつ、として考えられるので、「22合と書いたときに正解とされるのか」は微妙です。まあでも流石に大丈夫かな?
例図③はどうでしょう。この図面ですと「23合」のときにそれが角や桂だと24龍で駒が余るので、厳密には正解にできない気がします。
私の場合、基本的に表記は指し将棋と一緒にの書き方にしていますが、例図①は「22合」、例図②は「22歩」、例図③は「23香」ですね。ちょっと中途半端になっていたな、と思います。
他にもパラの特徴的な表記があります。一作見てみましょう。
結構難しかったりしますが、手順は初手71の飛に81に銀を合駒します。その後、92歩、同玉、62飛と進んだ際に、更に82に銀を打つのが正解です。この手順はパラではどう書かれているか、というと以下のとおり。
「71飛、81銀合、92歩、同玉、62飛、82銀打」
普通の指し将棋表記だと、あとの方の82銀打はそのとおりですが、先の方の「81銀合」は「81銀」の記載だと思います。これも明らかにパラの記載パターンなのですが、2手目も6手目も両方とも打っているのに片方は「合」、もう片方は表記なしなので、ちょっと違和感ありますね。
ちなみにあくまでもこれはパラの記載の仕方がこう、というだけであり、実際は解答を出すときに「合」を入れなくてもちゃんと正解扱いです。ただ、普通の指し将棋と違う記載にするメリットって何かあるんですかね。ちょっと疑問だったりします。
冬眠日記では、今後は指し将棋と完全一致した書き方にしようかと思ってます。ご意見あればいただければ。
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詰将棋では合駒が重要なことが多いので、強調するために合を付記するようになったのかと思います。合が着いてないと、例えば七種合かどうか判別するのが難しくなります。
昔ある作品集に合駒がテーマの自作を収録してもらったとき、編集者に原稿で付けていた合の表記を削除されてしまったので、お願いして復活していただいたことがありました。
なお、詰パラでは合は打合のことで、移動合の場合は合と付けないと認識していました。移動合でも合を付けることがあるのでしょうか。
投稿: TETSU | 2022/12/18 14:03
なるほど~、そんな感じなんですかね。今だと七種合だと太字表記がポピュラーなんですけど、昔はそうでもなかったのかもしれませんね。
移動合はどうやら合を付けないようで、やはり「打」を示すということなのでしょうか。上の摩利支天氏作だと「打打」になっちゃうので、その場合は付けない、という感じなんですかね。う~む。
投稿: 冬眠蛙 | 2022/12/18 21:51
合が打を意味するとすれば、打合・移動合両方可能なときは打合は単に合でよいわけですが、「移動合ではない」と強調するために打と書いたのかなと思います。
あと、駒を省略して合というのは便利な表記なんですが、柿木将棋で並べられないのが不便ですね(DB登録時に直さないといけないので)。
柿木将棋ではもう一つ、「不成」が省略されるので、六種不成とか棋譜を見て探すのがすごく大変。まあ、合や不成をテーマにした作品は手順検索で見つけられるので実害はないかもしれません。
投稿: TETSU | 2022/12/19 23:47