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軽趣向好作選77

 仙台にはこの時期には珍しくまとまった雨が降っています。そんな中ですが、明日から少し出かけるため、軽趣向好作選を本日アップ。角(馬)を同じ王手筋で使う2作品。


20220715tonami
▲82と△同玉▲73歩成△91玉
▲92歩△同玉▲65角△74歩
▲同角△91玉▲92角成△同玉
▲65角△74歩▲同角△91玉
▲82と△同玉▲83歩△91玉
▲92歩△同玉▲72飛生△91玉
▲82歩成△同歩▲92歩△81玉
▲71飛成△同玉▲63角成迄31手。
初形打歩詰。82と~73歩成で置きなおし、92歩、同玉、65角と覗くと、91玉は82とがあるため、74歩と捨て合が登場します。同角と取って91玉に、92角成と捨ててもう一枚の角で65角を繰り返すのが面白い。要は最初の一枚の角は歩と交換するためだけの駒だったわけです。
2回目の65角にも同様に74歩と捨て合します。歩が一枚増えたことで収束に向かうのですが、と金を歩に打換えて72飛生!が打歩詰を回避する好手。82歩成で81を空けて追い込み、71飛成で鮮やかな開き王手のフィニッシュとなります。74歩捨て合の型自体は難しいものではないですが、これを繰り返せることに着眼した作者の発想に拍手。
解説の平井氏によると、97飛は94金位でもいいそうで、将来作品集を編まれるときには図面が変わるかもしれません。
20220715suzukawa
▲23桂△12玉▲24桂△同銀
▲11桂成△同玉▲66馬△33桂
▲同馬△同銀▲23桂△12玉
▲24桂△同銀▲11桂成△同玉
▲55馬△44桂▲同馬△33桂
▲同馬△同銀▲23桂△12玉
▲13銀成△同玉▲25桂△12玉
▲11桂成△同玉▲14飛△11玉
▲23桂まで33手。
こちらは馬が飛筋を遮って二枚配置されています。この馬を消すのですが、都度33銀にどいてもらう必要があり、23桂~24桂~11桂成を繰り返すことになります。馬を消す順序も限定で、55馬を後にすることにより、単に33桂合とする場合には22と、同玉、24飛、32玉、22飛成で早詰です。66馬型だとこのとき43玉で詰みません。
桂連合を食いちぎって、また手元に桂が3枚。ここで13銀成~25桂が気持ちの良い打ち換えで、さらに11桂成と成り捨てて14飛で詰みに至ります。明快ながら精巧な論理で、かつ繰り返し部分も楽しく、着地もばっちり。作者の中ではかなり軽い方と思いますが、完成度が高く、未来に残したいで作品です。

 

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コメント

拙作をご紹介ありがとうございます。

善悪は微妙ですが、収束で桂4枚とも消すバージョンの図もありますので、よろしかったらご覧ください。
https://mycube.blog/col-11-15/

別バージョンのご紹介ありがとうございました。
都合7枚の桂を全て消す、というのも確かに素晴らしいですね。冬眠蛙的には13銀成という舞台装置を捌く手が「いや、これはうまいなあ」と感心したので、かなり迷いつつも発表図推しでした。

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