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2022年5月

5月の詰とうほく

 昨日は詰工房と重なってしまったのですが、6名参加でのんびり楽しみました。私は小川さんから送られてきた新作を解図後、学校を高校の途中まで岩本さんや尾形さんと楽しみました。小川さんからは2作見せてもらったのですが、どちらもなかなかの作品で、いや流石だな、と改めて感心。1作はこのブログで出題する予定ですが、だいぶ先です(謎)。
 データベースの今後の方向性についてだいぶ話が盛り上がってました。冬眠蛙はデータベース持ってないので使い勝手の良し悪しとか分からないのですが、やはりどうしても手間がかかりますので、そこが問題なんでしょうか。ちなみに自分の場合は同一作検索は使わせてもらっており、本当に重宝していますが、完全一致以外の類似作品検索が出来たら助かるなあ、と感じることはあります。
 Uraさんからは参考資料で二上達也さんの新聞発表作を集めた参考資料をいただきました。ぱらぱらと眺めてますが、うまく出来てるな、と感心する小品が多いです。少しだけ紹介。
Futakami_20220529200101 Futakami2

次回は8月20日(土)を中心にして予約を入れてます。いつもの場所が取れますように。(-人-)

軽趣向好作選74

 次の土曜日は詰とうほくです。詰工房と重なってしまいましたが、まあいつもどおりノンビリとやりたいと思います。お近くの方はぜひ。

 さて、本日は軽趣向好作選。私好みのハガシ作品を紹介します。
20220522misumi
▲55歩△同と▲46桂△同と
▲55歩△同玉▲46金△54玉
▲65銀△同と▲55歩△同と
▲同金△同玉▲46龍△54玉
▲44金△同銀▲55歩△同銀
▲同龍△同玉▲44銀△54玉
▲56飛△同馬▲55歩△同馬
▲53銀成△同玉▲62馬△54玉
▲46桂△同馬▲44馬まで35手。
 呼び出しハガシ趣向ですが、よく見る同じ種類や手段によるハガシではなく、一回ごとに剥がす駒や呼び出し方が異なり、またそれを取る駒も次々とバトンタッチしていきます。当然手順前後を許さない仕組みが必要なのですが、2回目の取り駒を龍で設定したことで、65銀と44金の順番をごく明快に限定しているのがうまい。更には銀を取って据えた後は支えに使った飛を華麗に捨てて、最後はキッチリと「ケ」の炙り出しは見事の一語です。曲詰、軽趣向ともに大家である三角氏の面目躍如の一局でした。

 

ちえのわ雑文集と宮原さん

 5月号の標記コーナーで昨年看寿賞をいただいた短編を、中編賞を受賞した宮原さん作といっしょに大崎氏にとりあげていただきました。ありがとうございます。今回はそれを見た感想を。
 大崎氏は「市島さんも宮原さんもL1合を取らない高木手筋を作ろうと思って作ったわけではないだろうけど」と予想されていますが、実は……そのとおりです。こちら(←クリック)で解説してますが本当は7手目同馬を作意にしようと思ってました。理由は大崎さんが書かれている「作りやすいのはL1合を取ってL2合には入らず、収束に分岐する手順だろう」というのとは少し違っていて、「謎解きとして、その方が奥深さが出る」というものでした。理想は同じコーナーで紹介されている宮原さんの11手詰で、これは当時見たときも、なんてスマートなんだろうと思ったものです。

 ただ、宮原さんの中編の方は、大崎氏の「作ろうとして作ったわけではないだろうけど」ではないんではないかな、というのが市島の予想です。「高木手筋を梃にして4段跳ねが出来る」というのが作者の直感としてあったに違いないと思うんですよね。だって宮原さんですから。いろんな人に言ってますが、彼の作品を見たり解いたりしたときに一番才能とセンスの違いを感じます。最近は作品をコンスタントに発表されていて嬉しい限り。今後も楽しみにしています。
 その4段跳ねの作品はYouTubeで詳細に鑑賞できます。埋め込んでおきます。丁寧に解説されてますので、ぜひご覧ください。 

軽趣向好作選73

 ゴールデンウィークも今日でおしまい、という方が多いのでしょうか。私は明日休みで新潟に戻るので、今日更新しておきます。今回はかなり軽めの2作。
20220505take
▲35龍△54玉▲45龍△64玉
▲55龍△74玉▲65龍まで7手。
 今まで紹介した中で最短手数でしょうか。龍が一路ずつ横に追う趣向です。龍という駒は当然横にいくらでも動けるわけで、その中で一路ずつ追うように作るのはかなり難しいのですが、72龍配置が絶妙で、これをうまく変化と作意(74玉のときだけ73桂がピンされる)に使って、実に軽く実現しています。さすがのセンスですね。
20220505bando
▲28角△同玉▲38龍△17玉
▲37龍△16玉▲38角△15玉
▲35龍△14玉▲47角△13玉
▲33龍△12玉▲56角△同龍
▲13歩△11玉▲31龍△21合
▲12香まで21手。
 大駒図式から持駒の香を梃にした龍角による追い趣向。19玉が一直線に11玉まで下がり、角捨ても入って軽趣向として申し分のない手順と言えるのではないでしょうか。この月のデパートは飛角図式特集で、前回紹介した2作品以外もなかなかの好作でした。本当に種はつきないものですね。


処女作

 GWの谷間の一日、パラが届いてホッ、という方も多いのでは。今月は平日が入りましたけど、郵便事情も変わりましたので年によっては5日くらいまで届かない、なんてこともありそう。大変ですね。

 今年は妻と一緒に29日から青森に行ってました。初日弘前で二日目は奥入瀬~十和田湖、最終日は青森市。せっかく十和田まで行ったので高坂さんに会いたかったですが、大変そうでしたので今回はパスしました。奥入瀬では自転車を借りて渓流のぼり。普段あまり登り坂を漕がないのでくたびれました。その分目の前に開けた十和田湖はとても美しかったです。
 で、船に乗ったところでスマホが振動。なんだろうと見てみたら、EOGさんからダイレクトメッセージをいただきました。「作品集Unplugged#07、初入選前の作とブログにはありますが、将棋ジャーナルに同じ図が掲載されています」。いや~驚きました。PNで投稿して、ボツになったと思ったら初級向け詰将棋に載せてもらってました。下図です。
Shojosaku
 新作に見えません(笑)。時期的に高校受験で、いったん将棋やめてた頃だったかなと。そうじゃなければ気づかないはずないので。そうかあ、初入選ではないけど処女作これになるのかな?伊藤果氏の「詰将棋の創り方」とか読んで当時少し興味あったんですよね。この後大学4年まで長い眠りに入ります。
EOGさんにはご指摘いただき、ありがとうございます。「Unplugged」自体が超マイナーですので、見ていただいたことだけでも嬉しかったです。

 ちなみにその「Unplugged」、コンセプトが「自分のミニ作品集には入れなかった軽めの作品を拾い集めたもの」なのですが、実は「自分がマイベスト的な作品集を作るとしたら、当時は入れなかったけど今は入れたい作品」もあったりします。こちら。
20220502
 もともと「初期にしては良く出来たな」とは思っていた作品で、短編名作選に選んでいただいて、やはり捨てがたいなと。安武利太氏に感謝です。
 他に詰将棋サロン好作選に選んでもらった作品もあるのですが、そちらは今見てもイマイチ。でも将来また気が変わるかもしれませんね。

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