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2022年4月

軽趣向好作選72

 詰将棋を久しぶりに投稿しました。いつ載るかな。

 前回飛ばしてしまった軽趣向好作選を。今回は某所と連動して、というわけではなく偶然なのですが飛角図式の軽趣向を2作紹介します。
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▲17銀△同玉▲28銀△18玉
▲19銀△同玉▲29飛△18玉
▲28飛引△17玉▲26銀△同馬
▲18銀△16玉▲26飛△15玉
▲24角△14玉▲13角成△同玉
▲23飛成まで21手。
 飛が縦に2枚並んでおり、堀半七風に迫るしかないのですが玉方の馬の効きが強いので、銀をうまく使ってかいくぐります。28銀~19銀と捨てて飛2枚を引いて土台を作れば、馬を入手して角打・成捨で収束です。易しいですが持駒趣向もあり発見と言えるのではないでしょうか。

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▲34龍△15玉▲35飛△16玉
▲25龍△17玉▲37飛△18玉
▲38飛△17玉▲28龍△16玉
▲36飛△15玉▲26龍△14玉
▲34飛△13玉▲24龍△12玉
▲32飛成△22歩▲13歩△11玉
▲31龍△21銀▲12歩成△同玉
▲34角△23桂▲同角成△同歩
▲13歩△11玉▲21龍△同玉
▲23龍△31玉▲32歩△41玉
▲43龍△51玉▲52銀△62玉
▲74桂△72玉▲63龍△81玉
▲83龍△91玉▲82桂成迄51手。
 こちらは飛龍での縦追いです。32飛成に対して22歩合としてアッサリ角を取らせてしまうのですが、ここで銀合と頑張ると23龍上で簡単なので仕方ありません。続いて31龍に21銀合とするのは12歩~34角として23合を食いちぎったときに32龍とする手を防いだものです。21桂合でも良さそうですが、先の12歩~34角で合駒させたときに22龍が成立して早く詰みます。この辺りは良く綺麗に限定できたものと感心します。
 以降は13歩~21龍と切って横追いに移るのですが、ポピュラーな32銀~54桂で追うと、最後に66角が93に効いて詰まない仕組みになっており、32歩~43龍で迫るのが正解。最後は少し流れますが、91の方の雪隠で詰むのは意外性もあるかと思います。あまりこういった条件作を作られるイメージはない?作者ですが、縦追いと横追いの繋ぎの丁寧な作りに”らしさ”がうかがえます。

残念ですが

 今日は応用情報技術者試験を受けてきました。昨年PMを受けて論文があまりに書けなかったため、論文のないものにしてみたわけですが、その分自分が不得意な分野の出題も多く、50を過ぎた文系人間にはやはり厳しかったです。やはり若いときにもっと勉強しなくてはいけなかったなあ。

 疲れたので、予定していた軽趣向好作選はパス。ほんのちょこっとしか見れてなかった4月号をこれから読むことにします。1月号の結果稿も載ってますが、短大の井上さん作、作家的には完璧なんですが、思ったより点数が伸びておらず。やはり収束なんですかね。
 全国大会の中止の告知がパラに載りました。今年から幹事の端の端に加わってるのですが、改めて難しいものなのだな、と感じます。来年こそはなんとか開催できればと思います。

第2作品集第16番の変同について

 以前掲載した記事に載せた作品に(下図)にToshikiさんから「6手目13玉で変同では」というコメントをいただきました。
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 6手目の局面がこちら。

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 確かに変同でした。22銀、24玉、23桂成、同玉、33馬、同龍、同銀成、13玉、23飛、14玉、15銀まで。実は恥ずかしながら、全く見えてませんでした。いかにも簡単そうに見えたんですが(汗)。
 それはもともとそれがこの作品の味でした。詰みそうで詰まない紛れが多さの中で、32金~33銀生の二段伏線を鍵とする手順が狙い。この変化も同じように簡単そうに詰みそうでなかなか詰まないとはなあ、というのが正直な感想です。

 元の図(下図)ですと32金に13玉は22銀、24玉、33馬、同龍、同銀生で早く詰むのですが、駒数が増えるとともに、紛れの”らしさ”が減るので、ちょっと迷うところです。
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 それにしてもToshikiさんの洞察には本当に恐れ入りました。駒数が増えない修正自体は出来そうなのですが、せっかくいただいた見直しの機会なので出来るだけちゃんとした姿で残したいと思っています。Toshikiさん(実は元記事の”K氏”です)には厚く御礼申し上げます。

軽趣向好作選71

 花粉の季節のせいか、それとも仕事疲れか、体調がいまひとつ。熱はないのでコロナではないですが。

 気を取り直して軽趣向好作選を。
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▲38金△26玉▲36金△同銀生▲27金△同銀生
▲16金△同銀生▲17銀△同銀成▲27銀△同成銀
▲56飛まで13手。
 作意は解説不要と言っていいのではないでしょうか。一枚の駒を連続で動かすのはここ数年流行しましたが、その走りと言っていいかもしれません。16金の焦点打から17銀で銀を成らせて27銀~56飛は胸のすく手順です。変化と紛れを両立させる5筋の配置に苦心の跡が窺えます。

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▲23銀生△42玉▲43歩△同玉▲34銀生△32玉
▲33桂成△同角▲44桂△同角▲23飛成△同銀
▲同銀生△42玉▲43歩△33玉▲34銀生△32玉
▲33歩△同角▲23銀生△43玉▲34銀成△32玉
▲43銀△22玉▲23成銀△11玉▲12成銀まで29手。
 銀を使った知恵の輪ですが、一手一手に変化がつきまとって手ごわい作品になっています。2手目42玉と歩を取るのは作意への短絡を防ぐためで、42歩を残しておくと33桂成、同角のときに23飛成が成立します。作意の44桂のときに23飛成は41玉で逃れます。
 そこで詰方は44桂と一工夫して23飛成から銀を取りますが、今度は玉を42に逃がして43歩を打たせて33玉とするのが粘りのある手順。34銀生、32玉のときに43歩が邪魔になっています。この歩を消去する33歩~23銀生が決め手で43銀を実現して詰みに至ります。最後の34銀は成らないと44に抜けだされるので要注意。収束もう少し締められれば、というのは強欲でしょうか。角氏らしい厚みのある中編です。

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