軽趣向好作選69
……の前に、次回詰とうほくについて。5月28日(土)の13時から17時に、前回と同じく生涯学習センター和室が取れました。コロナも落ち着いていると良いのですが。
では今回の軽趣向好作選を。
▲54飛△同玉▲45銀△55玉
▲56銀△54玉▲32角生△63玉
▲62と△同香▲41角生△54玉
▲66桂△同香▲32角生△53玉
▲43角成△63玉▲52馬△54玉
▲55歩△同銀▲43馬△63玉
▲64歩△同銀▲52馬△54玉
▲46桂△同香▲43馬△63玉
▲55桂△同銀▲52馬△54玉
▲45銀まで37手。
飛を捨てて56に銀を据えるまでが序ですが、そこから先がややこしい。結論を書くと大きく2つの鍵があって、最初の鍵は53歩を消しつつ52に馬を据えること。そのためには64歩を打つ余地を作る必要があります。66桂と打てば64に打つ余地が出来そうですが、7手目すぐに66桂と打つと63玉と下がられて詰まず。そこで32角から62とと捨てて41に角を置くことで66桂を可能とにします。ここで角生とするのがポイントで32角成に43歩合とされる手を防いでいます。細心の注意を払って66桂を実現し、32角生とすれば53玉とするしかなく、最初の鍵をクリアしました。
もう一つの鍵は44香を移動させること。そのためには46で睨みを効かす銀をどかさないといけません。64まで誘導するのですが、63馬・63玉の形で55桂~64歩でストレートに実現できそう。ところが52馬、54玉、46桂、同香で移動は実現するのですが、その後55歩には44玉と香の移動した場所に逃げられてしまいます。いったん52馬、54玉に55歩で移動、さらに43馬、63玉に64歩で移動と桂を温存するのが正解。これで46桂、同香のあと、43馬、64玉に55桂で55を埋め、45銀が実現しました。
インパクトのある手はありませんが、細部まで練りこまれた手順はまさしく金子氏。見事な作品と思います。私だったら初手は入れないかなあ。まあ好みの問題ですが。
▲45銀△同龍▲66飛△55玉
▲67桂△同と▲54金△同龍
▲46銀△同香▲65飛△56玉
▲55飛まで13手。
下が抜けているのですぐに飛を動かしたくなりますが、ギリギリのところで45銀を入れます。47玉には58飛、37玉、36金、27玉、18銀、16玉に52角成で詰み。また同香は66飛、55玉、64銀、44玉、36飛以下。これも同手数駒余りでギリギリ割り切れます。
同龍にも66飛なのですが、55玉に67桂として、54金と龍を戻すのが意表をつく手段。一見何のために捨てたのかわからないのですが、46銀、同香とここを塞げば65飛~55飛で詰みます。
作りは以前紹介した中村雅哉氏作と似ていますが、手順の緊張感のせいか全く違う世界に見えるのは不思議ですね。
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ご紹介いただきありがとうございます。
趣向作?なのかはよく分かりませんが
蛙さんに解説していただき光栄です。
こういう場所に乗せてもらうと作品価値が
一段上がって見えますね(^_^)v
投稿: ss | 2022/03/08 15:43
コメントありがとうございます。
手数短めではありましたが、ミニ知恵の輪としてキーの独自性と厚みに魅力を感じました。こちら路線の作品もまた楽しみにしています。
投稿: 冬眠蛙 | 2022/03/08 23:20