« 2022年1月 | トップページ | 2022年3月 »

2022年2月

冬眠蛙第5作品集 第25番解答

 第5作品集の収録作品紹介としては最後となります。

〇第25番 解答
0525_20220226182701
▲14龍△33玉▲32銀成△同歩
▲44龍△同玉▲14龍△35玉

▲36金△同玉『▲81馬△35玉
▲36歩△26玉▲71馬△36玉』
『▲72馬…▲62馬△36玉』
『▲63馬…▲53馬△36玉』
▲54馬△35玉▲44馬△46玉
▲45馬△57玉▲58歩△66玉
▲67銀△75玉▲86銀△同玉
▲84龍△85銀▲87金△同玉
▲54馬△86玉▲53馬△87玉
『以下▲43馬から馬鋸で桂歩を取って戻る』
▲65馬△86玉▲75龍△97玉
▲77龍△同と▲98歩△86玉
▲78桂△同と▲87歩△77玉
▲66銀△67玉▲59桂まで87手。

 左右馬鋸。3手目32銀成と捨てるのが後の馬鋸を成立させるための軽い伏線。同玉は12龍、22香、同龍、同玉、24香以下。少しでもやりにくさがあれば。
タラパパ『巧妙な伏線(変化に難渋)、2種類の馬ノコ、ノコに入る直前の手を金捨で統一した点なんか、手慣れたものです。盛りだくさんで、楽しむための詰将棋、好局でした。欲を言えば、左辺の駒がもう少し整理できないのかな?とそれ以外は申し分なし』

Jupiter『50手目くらいまで追って、あわてて3手目に戻しました。31手目に歩を打ってしまったので、後で1歩不足に悩んだりして。4手目と42手目の変化は読んでませんが、まぁ、たぶん、こっちが作意だろうと。。。(^^)』
隅の老人A『「難しく無い」は無い、どっちだろ?難しかったけれど解後感はすこぶる良くて、無双などを思い出させる。古典の香りを感じた傑作、解くべし解くべし』
●屋原●『長編ということで楽しく解かせていただきました。序の伏線は無双30番を彷彿させますね。歩に気を取られ過ぎて、桂を取らずに戻ってきて、収束悩んだのは内緒です(笑)。右の馬鋸はよく見るパターンですが、左の方は何度も銀が中に浮くので新鮮な感じがしました』
 全体的な雰囲気を含めて古典的だったが、逆に新鮮だった?ようでそこそこ評判が良く、喜ばせていただいた。こういった牧歌的な長編もまた手掛けてみたいもの。

 というわけで、収録作品としては以上ですが、過去の作品集の作品差し替えも収録したいと思っており、まだ続きがあります。もうしばらくお付き合いのほどを。あ、無理に付き合わなくても良いのですが(笑)。

軽趣向好作選68

 昨日3回目のワクチン接種をしてきました。周囲の人は「今回はほとんど副作用なかった」という人が多いのですが、自分は少し熱が出てだるい。解熱剤飲んでおけばよかったかな。
 久しぶりになってしまいましたが、今日は軽趣向好作選を。
20220219fukawa
▲24歩△22玉▲23歩成△同玉
▲25香△24桂▲同香△12玉
▲23香成△同玉▲15桂△12玉
▲13角成△同玉▲23金まで15手。
 難しい理屈はなしでリズム感が楽しめる作品。途中の捨て合も他は取って打てば簡単なので特に迷わないでしょう。自然な流れで歩→香、香→桂に打ち換えて、最後は13角成でピタリと締めます。センスを感じる作品です。
20220219santa
▲44銀△24玉▲35銀△23玉
▲34銀△24玉▲33銀生△13玉
▲22銀生△24玉▲13銀生△15玉
▲59馬△48歩▲同馬△同馬
▲24銀生△同桂▲16歩△同桂
▲35飛△26玉▲25飛△17玉
▲29桂まで25手。
 下部ががら空きですが、36飛・38香の二段ロケットと77馬の活用で捕まえられる形です。が、15に追い込むためには工夫が必要で、例えば3手目は33銀生としたくなりますが、13玉、22銀生、24玉と23歩を残す形で逃げられて失敗。35銀と一旦戻すのが好手で、44桂がなくなっているので33玉は26銀で詰み。23玉と取らせてから34銀~33銀生とすれば今度は23歩が消えているので、24玉に13銀生が成立します。59馬から歩を取って最後にもう24銀生と活用するのが決め手になります。銀が7回動く趣向作でした。
 三輪勝昭氏と田中徹氏の合作。手順の成り立ちと構図が密接に絡んでおり、どう作ったのか興味のわくところです。

 

冬眠蛙第5作品集 第25番+第24番解答

勉強からの現実逃避のため(笑)、2日連続更新です。

第5作品集の作品紹介としては最後になります。第25番。
0525
80手台。なんだか難しそうですが、実は全然大したことありません。多分パラだったらボツですが、ブログでの新作出題で「自分に向いている向いていないは別にして、色々創作チャレンジしてみよう」と取り組んでみたものです。

〇第24番 解答
0524_20220213182301
▲76金△74玉▲85金△同飛
▲同角△65玉▲76角△66玉
▲49角『△76桂▲同飛△65玉
▲54銀△74玉▲84飛△同玉
▲86飛△74玉▲63銀生△65玉
▲76角△66玉▲58桂△同金左
▲同角』
『△76桂~▲84金~△同金寄▲同角』
『△76桂~▲84金~△同金▲同角』
△76香▲同飛△65玉▲54銀生△74玉
▲84金△同玉▲86飛△85香
▲同飛△74玉▲84飛△同玉
▲86香△74玉▲85角△83玉
▲84香△92玉▲74角△同香
▲83香成△81玉▲71歩成△同玉
▲72成香△同玉▲63銀成△61玉
▲62と まで87手。
 銀のベルトコンベアを使って飛角を繰り替えることによる金ハガシ。ハガシ趣向では剥がす順番が非限定になることも多いが、本作の場合、最初に47金を使わないと74玉の局面で66桂、同と、47角で詰み、また57金を最後にしないと65玉の局面で57桂、同と、66金で詰むため限定されているのがちょっとした自慢。収束も手数伸ばしの85香合から飛角両方捨てて、私にしては上出来の部類。
jupiter「面白いです。実は、初め、初手76角として解いていたのですが、変化が詰まないではありませんか。 なので、軌道修正。金を取る順番は限定なんですね。その当たりの手順が余詰がありそうに感じ(ある訳無いですけど)調べたので、はまりませんでした。収束も巧妙です。ここ!と言うところから収束手順に入ってくれたので、解く側からすれば大変ありがたい」
たくぼん「銀のコンベアー経由でお金を捨てて金をはがす。利益を生む為には投資も必要ってことですね。桂合、香合の処理、金のはがし順の限定、収束の飛→香の持駒変換から角捨てまで言うことないですね。難しくないのが一番いいです」
〇田保〇「難解さはあまりない(尤も玉方の応手に結構手こずりました)が、7六角~5八桂の循環手順から最後は飛角をきれいにさばいたあたりはいつもながら御見事というほかない作品」
 易しめだったせいか、ブログ発表の長編の割に解答をたくさんいただけて、嬉しい思いをした作品。皆さんに感謝。


新春特別出題 解答者コメント

小川さん作に多数の解答いただき、大変ありがとうございました。コメント掲載させていただきます。

風みどりさん『初手はどう考えても95角しかないし、念力で「R」を読み取れば、93玉、82銀生、と展開していくのは間違いない。なのに2手目同玉でまったく詰みがみえず、柿木将棋のお世話になったことを告白しておきます。こんなところに飛車が隠れているなんて全然見えていませんでした。
その後は18手目までは順調に進み…71桂は動かないとみて43銀生、同玉、33銀成はこういくしかない所、その後の44金に痺れました。
最後の最後まで「R」を出さない設計といい、このような軽く手掛けたような作品でも作る人が違うと違いますね!』
☆念力(笑)。推理ではないんだ。
占魚亭さん『「R4」が炙り出されるとは思いませんでした。初手で動かした角で仕留める構成が見事です』
☆言われてみれば。
エレーンさん『82銀不成が大事な手でしたね。15飛の局面は不安な感じでしたが見事な収束でした』
まっつぁんこさん『R4の炙り出しとはおそれいりました(笑)8二銀不成の伏線?など楽しめる一作でした』
☆やはり82銀生は結構後で効く伏線なので、ポイント高いですよね。実は冬眠蛙は表題見ていた関係で念力組(笑)なのですが。
はむきちさん『玉が盤面全体を移動しながらR4があぶり出されていく様子が楽しかったです。9手目85龍までの玉を釣り出す手順はなるほどと思いました』
☆はむきちさんはコメント含めて初めてですね。ありがとうございます。逆算で玉を盤面全体で動かすのって結構難しい。それを軽く作っているように見えるのは、やはり経験値が高いんでしょうね。
〇路大〇さん『角のリーチを生かした決め手で浮かび上がるダイナミックなR4。すかし詰による炙り出しは珍しい?82銀捨ての伏線が好印象です』
☆作者は大襷のあぶり出しでもすかし詰を使ってます(雨滴の第51番『揚羽』)。最後に形が出来るのがカッコイイ。
たくぼんさん『誘手が多い初形から82銀生の伏線が入り、中盤は左上が"ト"にならないなぁと不安にかられ、予想を超えた詰上りにビックリと新年早々楽しめた一作でした。年齢を感じさせない創作意欲と技術を堪能させて頂きました。お体を大切にされまだまだたくさんの作品を見せて頂きたいと思います』
☆この作品をもらった手紙では、既に「R5」を創作中とのことでした。楽しみにしましょう。
nono_yさん『予想を超える手順から、予想だにしなかった詰め上がり。凄い!』
☆コメントありがとうございました。解説した甲斐があります。

オリンピック、ジャッジでだいぶアレコレ騒がれてますね。やはり評価って難しいな、と改めて思います。詰将棋は評価基準が本当に多様で、ある人には史上最高の傑作であっても他の人には大したことない作品、なんてこともあったりするわけで。ま、だからこそ詰将棋続けているような気もします。これからも自分なりに楽しんでいければと思います。

新春特別出題 解答

 昨日の詰とうほくはコロナ禍最中ではありましたが、7名参加。恒例の年賀詰鑑賞会のほか、Uraさんのソフトやらフェアリーやら、色々と盛り上がりました。ありがとうございました。次回は5月21日・28日が基本線。もしご希望があればコメントいただければ。

 さて、本日は新春特別出題の解答を。ちょうど年賀詰コンの投票期間でもありますので、記事を見て気に入った方、ぜひおもちゃ箱特設ページにて投票をお願いします。また、追加コメントも歓迎します。
Ogawa2022_20220206162801
 93地点が逃げられるので、それに備えた攻めが必要。95角と思い切ってと金を取ります。これに対して同玉で全然届かないように見えるのですが、よく盤面を見ると14飛が。96金、同金、15飛と活用すると5段目が合駒ができそうで出来ず、以下簡単に詰みます。というわけで、2手目は93玉。これに対しては94歩から85龍と切れば、右側に追い出すことが出来ます。83に逃げられるのを防ぐため、86金・84金と二枚使わないといけないのですが、64玉に対して、75金~64金と捨てるのがうまい手で、86角と角を活用するのが気持ち良い手順です。
 以下、43銀生から金を取る手までは続くのですが、それ以降が難しい。たとえば24金は32玉です(失敗図)。どこがおかしいのでしょうか。
202202062
 実は2手目まで戻って、ここで82銀生と捨てるのが正解。上の図から馬が82に行った計算となるので、24金のかわりに44金~35とと思い切って捨てて、15飛と引く手が成立します。44玉は55銀、43玉、45飛以下。82銀生、同馬の2手を入れないと45飛を同馬と取られてしまう、という仕掛けです。
 46玉には57銀と引き、ゴールが見えてきました。45飛に対する46の合駒は香歩のいずれかですが、取って48に打ち、38金と捨てて最後は64角と角を再活用して詰みとなります。では改めて正解手順を。
▲95角△93玉▲82銀生△同馬
▲94歩△同玉▲85龍△同玉
▲86金△74玉▲84金△64玉
▲75金△54玉▲64金△同玉
▲86角△54玉▲43銀生△同玉
▲33銀成△同金▲同と△同玉
▲44金△同玉▲35と△同玉
▲15飛△46玉▲57銀△47玉
▲45飛△46歩▲同飛△同桂
▲48歩△37玉▲38金△同桂成
▲64角まで41手。
20220206
くっきりと「R4」が!見事な詰上がりでした。
長くなったので、コメントは次週掲載します。今までいただいた方には御礼として詰将棋の小冊子を送付しておりますが、次週まで感想いただければ同様に送付しますので、よろしくお願いします。


おまけの冬眠蛙作も解答を紹介。
Ichi2022_20220206162801
▲22金△41玉▲32金△同玉
▲22香成△同玉▲25飛△31玉
▲42銀△同馬▲同歩成△同玉
▲22飛成△51玉▲33馬△62玉
▲63歩△同成銀▲51角△53玉
▲52龍△同玉▲42馬△61玉
▲62歩△同成銀▲同角成△同玉
▲63銀△71玉▲53馬△82玉
▲81金△92玉▲83桂成△同玉
▲75桂△92玉▲82金△同玉
▲72銀成△同玉▲64桂△81玉
▲63馬△91玉▲92歩△同玉
▲83桂成△同玉▲73歩成△92玉
▲81馬△同玉▲72桂成△92玉
▲82と まで57手。
 こちらは「R4」の初形曲詰です。右側の序奏が少し安直な手順だったので、なんとか煙まで持っていきたかったのですが、残念ながら技量が全く足りませんでした(笑)。馬捨てが入って辛うじて体裁だけは整えています。何名かの皆様にはこちらにも甘めにコメントをいただきました。作った甲斐があります。ありがとうございました。

 

« 2022年1月 | トップページ | 2022年3月 »