« 2021年12月 | トップページ | 2022年2月 »

2022年1月

軽趣向好作選67

 小川さん特別出題についてはできれば今月末までにコメントをメールいただければと思います。今日までメールいただいた方には小冊子を送付しました。届いていない、という場合はコメントいただければ。

 本日は軽趣向好作選です。2010年1月号の初形曲詰を2作紹介。
20220129sugeno

▲65角△同と▲同銀△45玉
▲44と△55玉▲56歩△同銀
▲54と△45玉▲56銀△同玉
▲65銀△45玉▲46歩△同成銀
▲44と△55玉▲56歩△同成銀
▲54と△45玉▲56銀△同玉
▲65銀△45玉▲44と△55玉
▲47桂△同銀成▲54と△45玉
▲46歩△同成銀▲44と△55玉
▲56歩△同成銀▲54と△45玉
▲56銀△同玉▲47銀△45玉
▲46金まで45手。

 2010年の干支はちょうど現在(2022年)と同じ寅ということで、初形阪神タイガースのエンブレム。作者はこの初形に銀ハガシ趣向をあしらいました。56地点に呼んで取り、65に打ち直すワケですが、64飛が浮いているため、取る都度と金の玉移動が必要になるのがうまい仕組み。58銀を呼び出す手順もうまく出来ています。収束尻切れになるのは初形の都合上やむを得ないところでしょう。

20220129mat
▲24銀成△同玉▲33銀△34玉
▲44銀成△同金寄▲24金△同玉
▲33銀△34玉▲44銀成△同飛
▲24金△同玉▲33銀△34玉
▲44銀成△同金▲24飛△同玉
▲33角△34玉▲44角成△同玉
▲53飛成△34玉▲54龍△44香
▲33金△24玉▲44龍△34金打
▲23金△同玉▲24香△32玉
▲42と△同玉▲51角△32玉
▲34龍△同金▲22香成△同玉
▲23歩△同玉▲24香△32玉
▲33歩△同金▲42金まで51手。
 
 こちらはインパクトのある初形6×4の石畳。こちらは飛金ハガシ趣向になっています。64飛を最後に残すと最後44角成、同玉に54飛の1手詰で、これがあるため取る順番が全て限定。一方で詰方は途中で角を使うと最後に44銀成としたときに24玉で不詰。簡明な仕組みで全部限定に出来ているのには感心します。
 途中合駒選択もありますがそれほど難しいものではなく、最後は香歩の連打で気持ち良く詰み。数多くある石畳図式でも上位に入る作品と思います。

 次週土曜詰とうほくです。会場が元に戻って駅東口の生涯学習センター和室となっております。お間違えのないよう。

 

冬眠蛙第5作品集 第24番+第23番解答

 一昨日、小川さん作に解答いただいた皆様に御礼のPDFを送付しました。まだもう少し期間に余裕があります。解答よろしくお願いします。図面再掲しておきますね。
Ogawa2022_20220123173701
 本日は第5作品集紹介。残り2作です。今日は第24番。

0524
80手台。見てのとおりのハガシ趣向ですが、ちょっと作者お気に入りのポイントがあります。

〇第23番 解答
0523_20220123174501
▲56飛△75玉▲76飛△65玉
▲86飛△75玉▲85飛△同桂
▲76飛△65玉▲36飛△75玉
▲76飛△65玉▲46飛△75玉
▲45飛△66玉▲55銀△同桂
▲46飛△75玉▲76飛△65玉
▲56飛△75玉▲55飛△66玉
▲56飛△75玉▲76飛△65玉
▲46飛△75玉▲45飛△66玉
▲78桂△同成桂▲46飛△75玉
▲76飛△65玉▲78飛△55玉
▲56香△66玉▲76飛△65玉
▲86飛△75玉▲76馬△同飛
▲同飛△65玉▲66歩△同桂
▲64銀成△同玉▲73角△65玉
▲55角成迄61手。

 第20番を180度ひっくり返して作ってみるとどうなるか、というのが作図動機。上下が逆になるので馬金ではなく、馬飛のバッテリーになる。オーソドックスなハガシ趣向にはせず、ひとつひとつ目的の異なるキーを入れたので、趣向自体は単純ではあるが、解いて楽しめる作品になったのではないかと思う。
□久井□雄「はがす順番も分かりやすくとても楽しめました」
止少丘八「仕掛けらしい仕掛けも多くなさそうなのに手が長く続く」
□田□実「パズルというかまさに知恵の輪。行きつ戻りつ楽しめました」
□田□哉「趣向は変則的な剥がしと言えそうだが、どちらかというと謎解き要素が強く、67成香をいかに取るか、がカギ。そのカギが見えにくいのも高ポイント」
 本作、もとはというと詰とうほくの会合100回を記念した作品展用に作図したもの。3か月に一度の憩いの場であり、色々な情報交換で詰将棋との繋がりを保つことが出来ている。今後も可能な限り続けていきたい。

 ……といいつつ、オミクロン株が凄い勢いになっていますね。詰とうほくは感染対策しつつ、予定どおり開催しますが、あまり人来ないかなあ。ちょっと心配。

 

軽趣向好作選66

 新年特別出題、解答募集中です。なかなか良い作品ですので、PC使っても良いのでコメントいただければ。手数・最終手およびコメントを記事のコメントか、メール(←クリック)でお願いします。

 今日は久しぶりに軽趣向好作選を。
20220115nakade
▲33桂△同銀▲42銀成△同銀
▲33桂△同銀▲31角成△51玉
▲63桂△同銀▲52銀成△同銀
▲63桂△同銀▲61角成迄15手。

 31銀と61銀が邪魔駒なのですが、単に捨てると上に抜けられるため、左右でうまくフタをする手順で銀を消去します。初心者向けで持駒も4桂、入門編にピッタリの作品です。

20220115urano
▲32角△13玉▲12金△同玉
▲21角成△23玉▲22馬△同銀
▲32角△13玉▲12金△同玉
▲21角成△23玉▲13金△同銀
▲32馬△12玉▲11飛△同玉
▲21馬迄21手。


 趣向詰に見えない初形で、ここから角ハガシが出るのはちょっと驚きます。22馬に同玉は21金、13玉、12金で捕まっています。取った角も同じように32角~21角成として、13金と捨てるのが決め手。11の効きを外せば、32馬、12玉に11飛が打てて詰みます。最後まで統一感がありますね。
 25飛がうまい配置で、最小限の駒数で表現できているのに感心。流石”詰将棋指し”ですね。

 デザインちょっといじってみたのですが、見にくいかも。また直すかもしれません。

短コン感想

パラ1月号を正月のんびり眺めました。「詰将棋の眺め方」終わってしまうんですね。残念だなあ。。。今回の谷口さんの作品群は本当に素晴らしいものばかりで、リアルタイムで解いたものも多いのですが、改めて堪能しました。

例年どおり、短コン感想+予想を。いつもABC評価はそんなに気を使わないのですが、コンクールでもあるわけだし、今回はA10・B20・C20という比率を設定することにしました。したがって、感想に比べて評点は辛目です。悪しからずご了承ください。

1・44龍は私だったら置かないかな。C
2・表現がスマートでさすが。B
3・52歩が何気にポイント。C
4・紛れが濃い中、良く成立できたもの。A
5・手順前後の綾に工夫。C
6・力強い手順。B
7・初手!B
8・既視感あるが、手順構成に苦心の跡。C
9・左右対称でないのに左右対称。C
10・序奏が少し弱い。C
11・限定合は出るが。C
12・17角で限定になるのか、なるほど。A
13・最近流行りの詰上がり?B
14・あ、そうか、桂合は35角か。C
15・シンプルに表現出来ていて好感。B
16・実戦形から教科書的手順。C
17・打ち換えの意味。久しぶりに見るお名前で今後期待。B
18・徹底的な48龍狙い。B
19・伏線らしい伏線。B
20・46角の誘惑にやや苦戦。B
21・収束やや息切れだが、連続合は見事。B
22・ソッポ行きの意味づけが新しく感じる。A
23・31銀がやりにくい手でなかなか。B
24・11桂がある分手が絞りやすい。C
25・手に膨らみがあるので作意が映える。A
26・そうか、23飛成があるから2手目割り切れるんですね。B
27・11角が味良い舞台作り。C
28・まさに金に物を言わせる初手。B
29・26角の浮遊感。もう一手あれば。C
30・お手本の退路封鎖。C
31・これだけ徹底されると嬉しい。A
32・馬効きを外すパズル。C
33・遠打+効きへの限定打。さすがの切れ味。A
34・手成りで追って失敗したかな、というところで、あ、なるほど。C
35・宙ぶらりんの飛でギリギリ手をつなぐ。B
36・限定合から取った飛をすぐ捨てる。バランス良い手順。B
37・やさしい邪魔駒消去。14銀配置に工夫を感じる。C
38・捨て駒をエサに罠にかける。C
39・こちらは跳ね上げ式の罠。C
40・こちらも懐かしいお名前。34飛に一票。A
41・素直に逆王手がかかる合駒は逆に珍しい感じも。C
42・詰上がりがすぐ見えるかどうか。B
43・決め手の前に小技。構成としてはお手本的。B
44・収束、浮遊感があると捉えるか、緩んでいると捉えるか。C
45・最後は57玉とするのが作意かな。B
46・なんぼなんでも都合良すぎではないだろうか。A
47・57角として苦戦。打った角の影に隠れる。A
48・この形で角合最善になるんですねえ。感心。A
49・2手目の変化がちょっと良い。B
50・スイッチバックで幕。お疲れさまでした。B

ベスト3は33・40・46。22・31・47も良くて迷うところ。優勝作は、というよりも冬眠蛙のベスト1は46です。今年も楽しく解けました。作者の皆さんに感謝。

2022 新年特別出題

あけましておめでとうございます。本年も冬眠日記をよろしくお願いします。

今年も小川悦勇さん作を新春出題させてもらいます。
Ogawa2022
40手台。多分難易度は後で紹介する冬眠蛙の方が易しいのですが、小川さんの年賀詰といえば、ということで炙り出しになっています。1日になったらコメント欄にヒント載せますね。詰とうほくで参加者で解きましたが、解いて損のない作品だと思います。
●解答(最終手と手数だけでOKです)と短評を募集します。コメント欄にいただくか、こちら(←クリック)にメールください。ソフト解答でも結構ですが、その場合、その旨もコメントいただければと存じます。締切は1月末までとします。
●コメントいただいた方に昔作成したPDFの詰将棋小冊子を送付します。よろしくお願いします。

さて、冬眠蛙の今年の年賀詰はこちらです。「R4」50手台です。ちょっとキズがありますが、解きやすさを優先しました。もしよろしければ、こちらも感想いただけると嬉しいです。
Ichi2022
 

« 2021年12月 | トップページ | 2022年2月 »