冬眠蛙第5作品集 第15番+第14番解答
沈没船ジョーク、というのを皆さんご存知ですか。ウィキペディアにも載っているのですが、沈没しかけた船に乗り合わせる様々な国の人たちに、海に飛び込むよう船長が説得を行うもので、代表的なところですと、
・アメリカ人に 「飛び込めばあなたはヒーローになれます。」
・イギリス人に 「飛び込めばあなたはジェントルマン(紳士)になれます。」
・ドイツ人に 「飛び込むのはルールです。」
・イタリア人に 「飛び込めばあなたは女性に愛されます。」
というもの。各国の(一般的にこうではないか、と思われがちな)国民性を使って表現するものですね。なんとなく「そうかもね」とクスリとさせられます。で、これが日本人の場合どう説得するのか、というと、以下のとおり。
・日本人に「皆さん飛び込んでます」
要は”周囲に合わせようとするのが日本人の国民性”、ということなんでしょうね。なるほど、うまいなあ、と思います。
ここから先は冬眠蛙の個人的な考えなのですが、日本人のコロナ罹患がたとえばロックダウンといった重い対策を取らなくても数字がそれほど高くないのは、日本人の国民性によるものなのではないか、と。周りの人がマスクをすれば自分もするし、外食しないといえば自分もしない。大きなイベントが中止になると、将棋倒し的に小さいイベントも軒並み中止する。こういった国民性によって、感染リスク抑制の雰囲気が自然に出来上がった、というのはどうでしょう。
なので、例えば逆に、「〇〇さんがもうマスクを取ってるから自分ももういいや」とか「〇〇県はもうイベント普通のやってるから、こちらの県も全部やることにしよう」といった形で、逆に他国よりも感染が急激に広がる、というリスクもまだ残っているのかな、と思っています。特にこれからワクチン打った人が一定数出てくるわけで、国民性も踏まえた中でどうなるか、こっそり注目しています。
前置き長くなってしまいました。本日は第5作品集紹介です。第15番。
20手台。我ながらなかなか良く出来た作品と思ってます。初見の方はチャレンジしてみていただければ。
〇第14番 解答
▲43角㋑△同飛▲51と△71玉▲63桂生△同飛
▲62銀△同金▲81桂成△同玉▲83香△82角
▲同香成△同玉▲93角打△同歩▲同馬△同香
▲83歩△72玉▲82金迄21手。
㋑52歩は51と、同玉、63桂生、同金、42金以下。
実戦形を意識して逆算した作品。手順もあえて駒取りや泥臭い変化を入れてみたつもりで、そういった中で62銀が良い味付けになったか。狙いは馬角二枚を歩と交換する手順で、こういう手を実戦でやれたら凄いなあ。まあないだろうけど。
ごぶりん「(前略)序の紛れがすさまじく、52にぶちこんでも62香でも51とでも25角でもありそうで、いくつか悩んだあげくにギブアップの予定でした。なぜだか、収束7手の感覚が心地よいです。清算なのに大駒が消えるせいでしょうか」
隅の老人B「実戦なら、先ず、25角打。43角打なんて意想外も良い処。はっきり言えば、ヘボなのです。こんなのが、実戦で詰んだら、愛知県代表でアマ名人戦に出場ですね。ところが、詰将棋ですよと出題されると、絶対に詰む。解いてやるかと、身構える。そして、先はず、43角打から考える。でも、次の応手で一苦労。時間はタップリ、待ったも出来る。悪戦苦闘の数時間。やったぞ、蛙さん、これでどう?」
□波□「初代大橋宗桂みたいな形から、手順は桑原辰雄氏みたいで、ごつかったです」
桑原辰雄氏は実戦形独特の味を出すのが本当にうまい作家で、この作品ではちょっと「桑原風」を名乗るのが精一杯。ああいったセンスも才能なんだろうな、と思う。
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