« 2021年4月 | トップページ | 2021年6月 »

2021年5月

冬眠蛙第5作品集 第14番+第13番解答

 昨日の記事でパラのHPを見ていて気付いたのですが、今バックナンバーの販売もやっているのですね。前に本棚整理していたら、2003年9月号と2014年9月号の2冊なくて、再購入しようかと思案中です。それはいいのですが、逆に2014年7月号と12月号は2冊あることも判明。確か前者は原稿代でいただいた記憶があるのですが、後者は多分会合で間違えて持って帰ってきてしまったのではないかと。どなたかあるはずなのにない、という方がいらっしゃったらコメントいただけると助かります。

 さて、本日は第5作品集紹介を。第14番です。

0514

実戦形を意識して作ってみた作品。手順もちょっと個人的に狙った手があります。あまりウケませんでしたが。

○第13番 解答

0513_20210530193901

▲A52馬上△34桂▲同馬△26玉▲25馬△イ同玉
▲52馬△34桂▲17桂△26玉▲56飛△46桂
▲25馬△同歩▲B27歩△16玉▲46飛△同飛
▲28桂迄19手。

 順位戦に出して余詰だった作品を作意手順設定を含めて作り直したもの。66飛・35歩が苦心の配置で、これによって「A52馬引、34桂、同馬、26玉、25馬、同歩、56飛、36歩、27歩、35玉、36香、45玉」「イ同歩、56飛、36歩、27歩、35玉、36香、44玉、45歩、同玉、23馬以下」「B46飛、36歩、27歩、35玉」という変化・紛れをクリアしている。作意は二度の34桂合や46桂跳ねによる打歩誘致がテーマ。細やかな紛れ・変化と鮮やかで楽しい作意が両立できて、お気に入りの作品。

jupiter「アっとビックリの移動中合、面白いです。初手、41馬か74馬か、どちらを動かせば非限定にならないか、と言うことが、解図のヒントになりました」
竹野龍騎「これは凄い! 論理的に構築された細かい差異で魅せる。特に、36歩移動合が絡まって巧み。56飛と34馬(及び23馬)の形で捕まるようになっているのがなかなか見えませんでした。2度の25馬捨ての感触が抜群にいい。冬眠返上ですね(笑)」
●口翔●「捨合の桂を、今度は移動捨合で跳ばす。お見事、感心、流石!ひさしぶりに、面白い問題を解かせて貰いました。移動捨合は、まだまだ新鮮味がある妙手と思います。駒を発生させて、その駒を移動させるのも難しいのに、巧みなものと感心です。森田手筋より面白いかも」

更新:「詰将棋パラダイス」とは。

このブログ、スマホで見ると「ブログの中でどの記事が読まれているか」をランキング形式で見れるのですが、もう10年以上前の『「詰将棋パラダイス」とは。』という詰パラの紹介記事がときたまランクインしてることがあります。それ自体は全く構わないのですが、リンクが古かったり、当時やっていた「無料で1冊配付キャンペーン」が既に終了していたりで、参考にならないため、当時の記事を削除してここで紹介しなおすことにしました。

---------------

私がよくこのブログで書く「詰パラ」という言葉、将棋ファンの方なら一度くらいは目にしたこともあるのではないかと思います。正式名はタイトルのとおり。月刊誌でございます。B6で100ページ強。主軸は詰将棋の新作の掲載とその結果発表で成り立っております。

俗に、「詰パラの詰将棋は難しい」という評判が将棋界では定説のようです。かくいう冬眠蛙も最初はそれで敬遠していたクチでした。現実はどうなのか、というと、短編については難易度は将棋世界の詰将棋サロンなんかと大して変わらないか、どちらかというと詰パラの方がやさしい場合が多いような気がします。解いて気持ちのよい作品が多いので、詰将棋に興味のある方であれば一度は目にしていただきたいなと思います。

現在の詰パラのホームページはこちら→(http://tsumepara.com/index.htm)。また、購読方法はこちら→(http://tsumepara.com/contents/1tpara/get.htm)をご覧ください。今は無料で1冊配付キャンペーンはやっていませんが、ホームページのトップに懸賞詰将棋が月1題掲載されており、なんと毎月5名さまに最新号が当たります。一度読んでみたいけど、どうかなあ、と思っている方、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
---------------

こんなとこで良いかな。ちなみに他に、「蛙の冬眠」の検索ワードでこのブログを見に来る方もいるようで、それを調べて載せた記事もたまにヒットします(笑)

本日は天気も良かったのでドライブで近くの定義山へ。岩本さんは何回か行かれたとのことですが、ここの油揚げは本当に美味しい。今回も堪能しました。

Dsc_0068_20210529180001

軽趣向好作選55

 5月は会場の関係で1回お休みとした詰とうほくですが、8月21日(土)または28日(土)で会場の抽選申込を行っております。まだ一部の会場は使えないみたいで、競争率が高くなる可能性があり、当選できるかどうかは分かりません。運よく両方当選したら、21日の方を優先しようかと考えていますが、都合が悪い方がいらっしゃったらコメントいただければと思います。

 本日は軽趣向好作選を。

20210523kanno
▲36と△同銀生▲27金△同銀生▲38歩△同銀生
▲17飛△27香▲同飛△同銀生▲39香△38歩
▲同香△同銀生▲17龍△27飛▲同龍△同銀生
▲38歩△同銀生▲36飛迄21手。

 銀生の繰り返し趣向。成らない理由は9手目の局面で一目瞭然。24に歩があるので10手目は香合とせざるを得ないのですが、そのおかげで39香でもう一歩補充でき、17龍から飛を入手すれば詰みに至ります。
 平易な仕組みでうまく出来ているのは作者らしいのですが、20手目はまあお愛嬌として、39香に対する合駒が香でも良いのは少し気になるところかもしれません。

20210523iwataichishima

▲43金△同玉▲32銀打△33玉▲22銀生△42玉
▲31銀右生△33玉▲34歩△同銀▲22銀引生△42玉
▲43歩△同銀▲同銀成△同玉▲32銀打△42玉
▲31銀右生△33玉▲34歩△同角生▲22銀引生△42玉
▲43歩△同角▲同銀成△同玉▲32角△42玉
▲31銀生△33玉▲34歩△同馬▲22銀引生△42玉
▲43歩△同馬▲同角成△同玉▲32角△42玉
▲33銀成△同桂▲43歩△31玉▲21角成△同玉
▲11歩成△同玉▲12歩△21玉▲22歩△31玉
▲32歩△41玉▲42香迄57手。

 銀の送りによるハガシ趣向。趣向自体はそれほど妙味を感じさせない(ここが自分の主な受け持ちだったんですが…笑)ものの、角生が出たり、32の駒が角になることによって31銀生に変化が生じるところ、更には収束33銀成と手を変えるところ等、細部はうまく出来ているのではないかと。収束を付けながら桂香図式に出来たのもちょっと気が利いていると思います。岩田さん(残念ながらこの作品発表の数年後にご逝去されました)のセンスが光る作品です。

冬眠蛙第5作品集 第13番+第12番解答

 コロナ禍ということもあり、私も在宅勤務を何度か実施しています。日本人気質なのか、最初は「○○が△△なので、在宅勤務は自分の仕事には向かないのではないか」といったネガティブな考え(というか現状を変えることへの消極性)が強かったのですが、対策を立てつつやってみるとなんとかなるもので、また良い部分もたくさんあるな、という印象に変わりました。
 冬眠蛙的な今までの最大のメリットは「昼休みコタツで寝れる」というもの(笑)。目覚ましかけないと大変なことになりそうです。


 さて、第5作品集紹介を再開します。折り返しを過ぎて、今日は第13番です。


0513
王手が限られていますが、変化を読まないとちょっと間違いやすいかも。10手台です。


○第12番 解答
0512_20210516195201
▲34玉△56玉▲47龍△同玉▲43龍△44歩
▲同龍△56玉▲93角成△59と▲65馬△同桂
▲57歩△同桂成▲66馬△同と▲45龍迄17手。


 2手目56玉の形で、24角と開くと59とで打歩詰。そこで47龍~43龍と置き換えて馬筋を遮断するのがうまい手段。今度は56玉は24角~57歩で詰むので、44歩と捨て合して遮断を解除してから56玉だが、1歩入手してかつ龍を近づけることが出来たので、93角成から65馬と、別の手段で打歩詰を打開すれば詰みに至る。大駒4枚の大駒らしい動きを味わってもらえれば幸い。


○川卓○「馬筋を遮断する43龍としたいが為に41龍を捨てる序から65馬まで見事な構成」
解説・會○健○「(前略)作者は派手な手順を作りたかったという。本作は大駒の大きな動きでもって、そのように感覚に訴えることに成功しつつも、その核は打歩詰をめぐる理知的なものであり、全体の繊細なまとめも印象に残る。佳品である」





軽趣向好作選54

ゴールデンウィークも終了しましたが、コロナが一向におさまりませんね。実家の新潟にも帰れず困ったものです。今月のパラの表紙の言葉にもありますが、苦しんでいる方も多いと思います。一刻も早く、日常が戻りますよう。

今回も軽めの作品を紹介します。

20210509tsumaki

▲34銀打△32玉▲54馬△31玉▲22角△同玉
▲44馬△31玉▲32香△同玉▲33銀生△23玉
▲34馬△13玉▲14銀△同玉▲24馬迄17手。

64の馬が24まで移動する趣向。手順自体はごく普通ですが、2手目42玉の変化(33角~32香~54馬~21馬!で早い)や5手目33香の紛れ等、細かいところまで配慮が行き届いているのが流石です。適度に考えつつ、気が付いたら馬が24まで移動しており、ちょっとでも「おぉ!」と言ってもらえれば作者としても本望ではないでしょうか。

« 2021年4月 | トップページ | 2021年6月 »