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軽趣向好作選49

 新春特別出題の小川さん作について、締切の記載が漏れておりました。1月末までに解答・コメントいただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 今年はコロナ禍で新潟には戻らず、妻の実家の掃除に行ったくらいで後は家で過ごしました。映画化もされた塩田武士の「罪の声」を読了。グリコ森永事件をモチーフにしたもので、個人的には同じ事件を扱った内田康夫の「白鳥殺人事件」が印象に残っており、スピード感は後者の方が上のように思いますが、こちらは重厚な読み物として楽しめました。

 さて、本日は軽趣向好作選。

20210103nakajima

▲23龍△11玉▲14龍△22玉▲23歩△21玉
▲13桂△11玉▲22歩成△同玉▲25龍△23歩
▲21桂成△12玉▲14龍△21玉▲23龍△11玉
▲14龍△22玉▲23歩△21玉▲13桂△11玉
▲22歩成△同玉▲24龍△23桂▲33歩成△同歩
▲21桂成△同玉
▲23龍△11玉▲14龍△22玉
▲34桂△同歩▲12龍△同玉▲24桂△13玉
▲25桂△22玉▲32馬△11玉▲12桂成△同玉
▲13桂成△同玉▲14金△12玉▲23金△11玉
▲22金迄55手。

 以前に紹介した金子清志氏作を更に発展させたような手順となっております。桂歩をうまく使って25の桂を剥がし、合駒の歩を取り直して24龍とし、23桂合を強要します(歩合は33歩成、同歩、21桂成、同玉、23龍、11玉、13龍、21玉、43馬以下)。この瞬間に33歩成、同歩とするのがポイント。もう一度14龍・22玉を作り、34桂、同歩と更に吊り上げてこの地点を塞げば、12龍以下の綺麗な収束につながります。

 最初に25桂を取らずに24龍でもよさそうに見えますが、23歩、33歩成に同銀で失敗します。25桂を剥がしてから24龍であれば、25が空いているので33歩成、同銀には同龍で詰み。作者は寡作ながら完成度の高い作品を多く発表されている実力者で、本作にもその片鱗がうかがえます。

20210103kobayashi

▲35角△67玉▲68金△66玉▲44角△同歩
▲36飛△55玉▲57香△56香▲同香△66玉
▲51香成△55玉▲57香△56香▲同香△66玉
▲52香成△55玉▲57香△56香▲同香△66玉
▲53香成△55玉▲57香△56桂▲同香△66玉
▲55香△同玉▲67桂△45玉▲63馬迄35手。

 初手35角は44を押さえる意味があるのですが、68金、66玉に44角とすぐ捨てます。これは34に飛の効きを通すため。分厚い変化・紛れのある序を経て、36飛~57香と据えれば、香合~香成の趣向が展開されます。53まで成香を据えれば香が品切れになるため、57香には56桂合が最善となり、55香から収束する仕掛けです。

 ちなみに初手46角は67玉で逃れるのですが、35角に46合をすると、一枚多く入手したことで早く詰みます。この変化がまた厚く、桂合は特になかなかの難物。どうぞご確認ください。

 

 

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