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2020年11月

軽趣向好作選47

 先週は実家に戻った後飲んだくれて更新さぼってしまいました。今日は軽趣向好作選を。

20201129nakamura
▲26飛△35玉▲36飛△25玉▲34銀△同龍
▲26飛△35玉▲24銀△同龍▲36飛△25玉
▲16銀△同と▲35飛迄15手。

角飛の両王手の構図だけで作ったシンプルな知恵の輪。26飛~24銀では34に抜けられるので事前に34を埋める必要があるのですが、初手34銀では24玉で逃れるので一旦26飛~36飛として35歩を消去する、という仕掛け。易しいながらセンス良く仕上げられており、作者のマルチぶりがうかがえます。

20201129kaneko
▲25歩△同と▲16桂△同と▲25歩△同玉
▲28香△27桂▲同香△同と▲26歩△同と
▲17桂△同と▲26歩△同玉▲29香△28香
▲同香△同と▲18桂△同と▲27香△同玉
▲19桂△同と▲28香迄27手。

 こちらはいかにも趣向詰、という初形ですが、手拍子で進めようとすると香と歩の使い分けができず困ることになります。3手目が1つめのポイントで、ここをすぐ28香では25桂合で後で困ります。25歩、同玉、28香とすれば玉方は27桂合とするしかありませんが、同香、同とに17桂と打って、26まで玉を引っ張ってから29香とすれば、8段目には桂合が出来ないため香合とするしかなく、これでギリギリ駒が足りる、という仕掛け。シンプルながら金子氏らしい読みの入った作品と思います。

 

 

11月詰とうほく

 昨日詰とうほく開催。初めての北村さん・大野さん、久しぶりの郷さんをはじめ、総勢12名で賑やかに開催しました。いつもののんびり会合ながら、そこかしこで色々な話題で盛り上がりました。せっかく遠来の方が多くなったので、2次会は仙台名物が多く出るお店へ。GoToEat終了のお知らせが出て残念、と思ったら本当にギリギリ間に合ったので良かったです。大変盛り上がりました。次回は2月27日を基本線で予定しています。

 大野さんと北村さんからは本もいただきました。本当にありがとうございます。大野さんは安南という印象が強いのですが、今回いただいたのは普通詰編。機関誌発表の易しめの作品が多く収録されています。北村さんからいただいたのは「笑戯觀光」。21桂・11香または81桂・91香が初形に配置されている、いわゆる桂香図式を百番そろえたもの。ちなみに冬眠蛙はブログ発表や合作をあわせても10作いってません(笑)。手順的にも野趣を感じさせるものが多くてなかなか楽しめるかと思います。1作紹介しますね。

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35手詰。力強い手順ながら収束まで良く纏まっていると思います。我こそは、という方、ぜひチャレンジしてみてください。

冬眠蛙第5作品集 第8番+第7番解答

 来週は詰とうほく。中央市民センター和室ですので会場間違いなきよう。今日くらいの陽気ですと寒くなくてよいんですが、さあどうでしょう。遠来の方もいらっしゃるとのことで、今から楽しみです。

 本日は第5作品集紹介。ついこないだ出したばかりの第8番です。

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誌面にも作者コメント出てますが、自作としては少し異質です。詳しくは解答発表時に。


○第7番解答

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▲43銀△同角▲36飛△34角▲同飛△43玉
▲61角△同金▲33銀成△52玉▲53角成△同玉
▲64銀△52玉▲54飛迄15手。

・2手目23玉は26飛、24歩、32銀打、12玉、22角成以下。手順中24飛合は22角成以下。

 33銀打は23玉、22角成、34玉でヌルヌルと逃げだされる。43銀と捨てて36飛とひょいと一つ寄る感覚が作者好み。34角の移動中合からは場面が変わり、61角~53角成で仕留める。62歩一枚でうまいこと収束できて、お気に入りの一作。

DISABLED「移動合した駒を取ってすぐ捨てる、まさしく美しきですな。収束が初見でしたので、新鮮でしたよ」
ほい「きれいな収束ですね。指将棋ばかりしてるせいか初手が指しにくい。。。」
中村○哉「最初は33銀打~24銀打~35銀と追い回して失敗。次は43銀、同角、23銀から追い回してこれも失敗。ようやく36飛に気付いたらあとは一気でした。シンプルな形での移動捨合に角2枚捨てが入り、夏向きにすっきり仕上がった好作ですね」

ネット出題ですと、数は少ないものの結構長めのコメントがいただけて、これは本当に嬉しいもの。それを原動力に、3年程度ネタに苦しみつつ続けられた。仕事が忙しくなり、今はさすがに厳しいか。

軽趣向好作選46

 FlashPlayerが12月からWEBブラウザ上で対応できなくなるのだそうで、ブログでFlash盤が使えなくなるためどうしたものか思案中です。なんかいいツールありますでしょうか?多分PCで見る人はやはり駒が動くところを見てるのでは、と思っているのですが。

 さて本日は軽趣向好作選です。
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▲57飛△69玉▲58龍△79玉▲77飛△89玉
▲87飛△79玉▲88龍△69玉▲67飛△59玉
▲68龍△49玉▲47飛△39玉▲37飛△49玉
▲38龍△59玉▲57飛△69玉▲58龍△79玉
▲77飛△89玉▲69龍△88玉▲79龍△98玉
▲78飛△97玉▲88龍△96玉▲76飛△95玉
▲75飛△94玉▲85龍△93玉▲94歩△82玉
▲83龍△同玉▲95桂△94玉▲85金△93玉
▲73飛成迄49手。

 全国大会握り詰で優秀作となった飛龍追いです。9筋の香と26歩がうまい配置で、これにより78龍・99玉型と48龍・29玉型では詰まなくなり、87飛・37飛で折り返す手順が成立し、また逆に37桂を取ることを玉方は回避できない仕掛けです。
 桂歩を手にしたところで77飛・69龍型にして今度は縦追いになるのが面白いところ。最後までうまく手順が限定されており、握り詰の条件を全く感じさせませんね。

 ちなみに高坂氏はこの頃、もう一作趣向作を発表しており、こちらもなかなかの手順なのですが、初形が軽趣向という印象とはちょっと違うかな、ということで今回は図面のみ掲示します。お楽しみください。
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▲42銀△同金寄▲33香△32金寄▲同香成△同金
▲42金△同金▲33香△32金▲同香成△同玉
▲43桂成△41玉▲31金△同玉▲11龍迄17手。

 11龍を見せて42銀が鋭い一手。同金寄に33香とすれば32金寄とせざるを得ず、巧妙な金ハガシになっています。もう一枚の金も同様に取れば、同玉とせざるを得ず収束に向かいます。収束も31金と捨てて雰囲気を壊さない最短の手順で仕上げられ、完成度の高い短編になっていると思います。

 

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