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2020年10月

冬眠蛙第5作品集 第7番+第6番解答

 仙台の街中は比較的銀杏並木が多くて、しかも何を考えたのか雄雌混成で植えられており、この時期は道路に落ちたギンナンの実の匂いが大変なことになります。……が、今年はあまり気にならない。コロナ禍でマスクしているせいかと思ったのですが、同僚曰く、「今年は明らかに実が少ない」とのこと。そうかなあ、もしかしてこれからなのか?…と漠然と考えていたら、最近のニュースで「熊が街によく出没するのは、今年ドングリが非常に不作で餌がないせい」と流れており、ああ、これと関係しているのかな、と勝手に納得した次第。今年の夏は梅雨が長くてかつその後猛暑になったので、そういう気候のせいなんですかね。今度調べてみようっと。

 さて、今日は第5作品集紹介。今日は第7番になります。
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個人的にはちょっと気に入っている作品です。多分皆さんの見方とは違うと思いますけど。理由は解答紹介時に。

〇第6番 解答
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▲77銀△同玉▲47飛△57歩生▲78金△66玉
▲65金△56玉▲66金△同玉▲67歩△56玉
▲68桂△47玉▲65角迄15手。

 歩の不成移動中合というちょっとしたウルトラCが出るが、意味づけは簡単明瞭で、打合だと78金~65金、歩成は78金~67歩で早い。78金、66玉で打歩詰となるが、55金を65金~66金と消去してしまうのが後続手段で、47玉に65角で角二枚の効きで詰み。ちょっと呆気ないが、これ以上余計な駒を増やさないことを優先した。

隅の老人B『流石ですね、57歩生の移動合。最後の一手もチョットしたもの。良いな、良いなで、気分良し』
ごぶりん『飛浮きに気づけばあとは一気ですが、そこまでの手のつけ方が色々あって難しかったようです。最後は角2枚のにらみで意外な場所で詰め上がりですね』

 初手67銀は57玉で逃れ。まだ逆算は可能だが、収束に関連した伏線が入れられなかったのでここで打ち止めとした。ブログ出題としてはこれ位の易しさのレベルが適当かな、と個人的には考えている。

軽趣向好作選45

 一昨日祖母が亡くなったとの報。コロナ禍でもあり、県外者の孫は来ないように、とのこと。仙台より冥福を祈りたいと思います。105歳の大往生でした。

 本日は軽趣向好作選を。

20201018takagi
▲24金△同玉▲15龍△同銀▲36桂△同銀生
▲16桂△同銀直▲15銀△13玉▲14銀△24玉
▲25銀△同銀左▲15銀△13玉▲14銀△24玉
▲25銀△同銀▲15銀△13玉▲14銀△24玉
▲25銀△同角▲15銀△13玉▲14銀△同玉
▲15龍迄31手。

15銀と打って14銀と焦点捨てするのですが、どちらで取っても1手詰。24玉と逃げざるを得ないことで成立する銀ハガシ趣向でちょっとした緊張感があります。最後は25の効きがなくなるためそのまま詰み。その分序奏を入れてますが、私だったら最初の3手は入れなかったかなあ。まあ好みの問題ですが。

20201018inoue
▲24桂△23玉▲33飛△24玉▲36飛成△13玉
▲31角成△23玉▲32龍△24玉▲42馬△13玉
▲33龍△23飛▲同龍△同玉▲33飛△24玉
▲37飛成△13玉▲33龍△23飛▲同龍△同玉
▲33飛△24玉▲36飛成△13玉▲31馬△23玉
▲24歩△同玉▲25歩△15玉▲42馬迄35手。

今改めて棋譜を入力しても奇跡のような手順。最初に36飛成として33歩中合を回避することで42角を馬に変え、33龍・23飛の交換から今度は37歩を剥がします。33歩合は今後は同龍から43馬があります。歩を二枚手にして、もう一度33龍・23飛から36に龍を置くのが本当に絶妙。24歩~25歩の連打で捕まっています。わずか盤面6枚から織りなされる魔法。間違いなく歴史に残る作品と思います。

 

冬眠蛙第5作品集 第6番+第5番解答

 最近日本酒紹介がすっかり止まっておりますが、実はコロナ期間中は家飲みが増えて写真の数も凄いことになっています。このブログは基本詰将棋なので、日本酒はツイッターに変えようかと思ってます。その方がリアルタイム性ありますしね。この間、久しぶりに十四代が入手できまして、豊かな香りと味わいを楽しみました。

 

 さて、今日は第5作品集紹介。第6番です。
0506


 ちょっと難しそうに見えるかもしれませんが、実はちょっと肩の力を抜いたような作品です。


〇第5番 解答
0505_20201011224401
▲12香△22玉▲31銀△13玉▲35馬△24桂
▲25桂△12玉▲13桂成△同桂▲11飛△同玉
▲44馬△12玉▲22銀成迄15手。

 発表時の原図はこれ。
0505sankou
 作意は33金、同玉、42銀生以下で、序にやりにくさがあるものの、12歩配置がちょっと嫌味。結果発表時に別案として今回の図で持駒飛銀桂歩にしたものを出したところ、近藤さんより「私だったら持駒の歩を香にする」とコメントあり。恥ずかしながら全く気付いていなかった。難易度では原図より落ちるものの、短打で打った香が桂捨て合の瞬間に邪魔駒になる味で、やはり詰将棋としてはこちらを採りたい。なお、6手目歩合は同馬、12玉、13歩、同桂、11飛以下。

 

軽趣向好作選44

 古い無駄合考察の記事にコメントいただきました。「無駄合とは何か」ではなくて、「有効合とは何か」で分析されていて感心しました。いただいた条件ですと3番目だけがやや異質ではありますかね。現時点だと1番目の記事の2コ目は変長扱いされることが多いと思います。

 
 今日は久しぶりに軽趣向好作選を。
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▲32角成△34玉▲35銀△同銀▲43馬△23玉
▲24歩△同銀▲32馬△34玉▲35香△同銀
▲43馬△45玉▲57桂△55玉▲65馬迄17手。

 高度な構想作が多い印象の金子氏ですが、本作は珍しく軽めの作品。馬を往復しながら邪魔な46銀を24に持っていきます。最後もう一度35に戻して57桂を実現。作者だけにもう一工夫欲しい気もしますが、これはこれで完成品でしょうか。

20201004kishi
▲47香△45角成▲33飛成△同玉▲34金△同馬
▲25桂△同馬▲35香△同馬▲34銀成△同馬
▲25桂△同馬▲35香△同馬▲43角成迄17手。

 47香に対して45角成が妙防ですが、それに対して33飛成~34金としてから、43銀を原型消去するために馬を25~35と動かすのが好手順。さらに消去後にもう一度25桂~35香を繰り返して詰み。移動捨て合で出現した馬が都合6回動くリズミカルな作品でした。

 小川さんと手紙のやり取りが続いています。ここのところすっかりメールに慣れたせいか、ちょっと新鮮ですね。相変わらず詰将棋を楽しんでおられて、なによりです。ではでは。

 

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