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2020年1月

軽趣向好作選28

パラ1月号から面白そうな連載が始まりましたね。詰将棋ソムリエの皆様の選題と掘り下げぶりがこれからも楽しみです。

本日は軽趣向好作選を。
20200125okada
▲61金△同玉▲72銀△52玉▲85角△同飛
▲61銀打△51玉▲63桂△同歩▲52香△同金
▲同銀成△同玉▲61銀生△41玉▲52銀生△31玉
▲32金△同玉▲43銀生△23玉▲24金打△12玉
▲42龍△22香▲23金△同玉▲32銀生△12玉
▲23銀成△同玉▲25香△14玉▲44龍△34角
▲同龍△同歩▲32角△23歩▲24金迄41手。

72に打った銀が23迄動く趣向。最後の32銀~23銀を邪魔駒消去にしたのが良いですね。また、若干捨てたくなる形ではありますが、しっかり85角の伏線が入れてあるあたりは流石です。これがないと44龍に34桂合で不詰。大家の逆算技術が光る佳作です。

 

20200125yamazaki
▲12歩△21玉▲43角△12玉▲23と△同玉
▲14角△12玉▲24桂△13玉▲33飛生△14玉
▲15歩△同玉▲16歩△14玉▲32角成△25玉
▲43馬△14玉▲15歩△同玉▲13飛生△24玉
▲33飛成△14玉▲15歩△同玉▲16歩△14玉
▲32馬△25玉▲23龍△16玉▲43馬△15玉
▲25馬迄37手。

 

9手目に打った桂が邪魔駒になるのですが、他の手段も有力でなかなか気づかないと思います。これを消すために11手目は生としたうえで、いったん43角を馬にし、それにより13飛生~33飛成で所与の目的を達成する、という仕掛け。いったん突き捨てた16歩を再生させてから収束するのも味があります。序奏で角を打つ手を入れるところも抜かりなく、流石ですね。

 

年賀詰解答

 少し前になりますが、YahooJapanのトップ画面の紹介記事にミクロコスモスの記事が出たのには驚きました。充実したインタビュー記事でしたね。楽しく読めました。コメントを見ると、将棋のルールはわかるけど詰将棋のルールはよくわからない方が多いのが良くわかる記事でしたね。特に「解答はいくつもあるはず」と思ってる人が一定量いたことが印象深かったです。実は詰方は(ほぼ)1通りだ、と知ったらきっと驚かれるんだろうなあ。

 さて、本日は元日に掲示した年賀詰の解答を。
20200101
▲74飛打△63玉▲64飛△73玉▲82銀△同角
▲74飛右△63玉▲64歩△同角▲同飛△72玉
▲73歩△71玉▲62飛成△同玉▲52銀成△同玉
▲64桂△42玉▲53角△32玉▲31角成△同玉
▲81飛成△41香▲42角△32玉▲41龍△同玉
▲52桂成△同玉▲53角成△51玉▲52香△41玉
▲43香△32玉▲42馬△21玉▲22香成△同玉
▲33歩成△11玉▲22と△同玉▲25香△24銀
▲同香△13玉▲23香成△同玉▲33馬△12玉
▲13歩△同玉▲24銀△12玉▲23銀成△21玉
▲22成銀迄61手。

 今年は11月に岩本さんに年賀詰を見せてもらったこともあり、早めに創作を開始したのですが、結局できたのは12月下旬。でも粘った甲斐があって、そこそこ字形を活用できたのではないかと思います。「2」の字側がもう少し短くしたかったのですが、銀合も出せて個人的には上出来の部類かと。途中打った73歩が29手目22香成~33歩成の余詰筋(81龍を83に引く筋)を防ぎ、更には34手目の変化にも働いたのはラッキーでした。煩わしい変化は20手目62玉くらいなので、手数の長さの割には楽しめると思います。

 

軽趣向好作選27

 前に書いたように正月休みは仕事でつぶれてしまったのですが、そのせいか首から背中にかけての痛みが引きません。前も何度かあるんですが、今回は長引いてしまったなあ。さすがに病院行くかと考えているところです。

 さて、3連休も終わるのであまり間が空く前に軽趣向好作選を。

20200113misumi
▲35馬引△27玉▲17馬△36玉▲26馬上△46玉
▲37馬△56玉▲55馬上△67玉▲77馬△56玉
▲66馬△46玉▲57馬△36玉▲35馬△27玉
▲17馬△36玉▲26馬上△46玉▲37馬△56玉
▲55馬上△67玉▲77馬△56玉▲66馬上△46玉
▲55馬△36玉▲45馬寄△25玉▲35馬寄△15玉
▲16歩△同玉▲26馬迄39手。

44馬が42香でピンされているので動かせるのは34馬だけなのですが、44馬の脚の長さを活かして左へ右へと盛大な追いかけっこが展開されます。57馬と歩を取って正解に近づいたように見えるのですが、なかなか使いようがない。ややこしいようですがもう一回追いなおして31手目55馬と上のルートを使うことで15に追い込んで待望の16歩が実現します。少ない駒数での楽しい馬追いでした。この作品には後続作もあり、いずれこのブログで紹介します。

20200113inotetsu
▲51金△42玉▲31銀△51玉▲42銀成△同玉
▲51銀△52玉▲62銀成△同金▲51金△42玉
▲31銀△51玉▲42銀成△同玉▲51銀△52玉
▲62銀成△同玉▲71飛成△52玉▲62金△42玉
▲51龍迄25手。

手の赴くままに指していくとなぜか金が剥がされていきます。銀4枚使い果たしたところで守備金も無くなってそのまま収束。足すところも引くところもない完成品で、詰将棋の楽しさを伝えるのに打ってつけでしょう。当時まだ高校生だった作者、この作品で初入選というのが、なんかとても羨ましいです。

 

短コン感想+日本酒の記録(2019年12月)

恒例?の短コン解図の感想を載せておきます。今年は去年より少し甘めかも。

1・23と見せかけて24。B
2・50音順だと毎回早々にこの作者の関門が。初手が入るのが流石。A
3・これくらいなら実戦でも…無理か。C
4・気が付けば一回転。B
5・序の付け方が雰囲気があって良い。B
6・43銀は33との方が良いかな。C
7・なるほどの移動合。B
8・最低限の駒数で表現。B
9・王手が限られているので、わかりやすい。B
10・この作者にしては簡単。C
11・いよいよ復活?楽しみにしています。B
12・こちらこちらへと香が招く。C
13・87飛配置で縦横にうまく限定。B
14・先に35桂なのが良い。B
15・途中からテンションが下がる。C
16・なるほど、これだけの配置で出来るんですね。B
17・ぜいたくな飛銀の使い方。B
18・初手が少し意表。論理的で完成されてます。B
19・綺麗な手筋ものに好感。B
20・2手目の変化に少し感心。B
21・13金では駄目なところが良い。B
22・類型的すぎて一目。C
23・使用駒趣向とちょっとユニークな手順。B
24・逆算の誘惑にかられる。B
25・簡素形で考えさせるが、5手目がかなり残念。B
26・飛合を無効化する5手目。B
27・癒し系ですね。C
28・初手の取ってつけた感がなあ。B
29・初形で詰上りが見えてしまっては。C
30・左に1路寄せ、11(→21)金を23歩ではいかがでしょう。B
31・作者名で身構えたが、意外と普通。B
32・最初3手で勝負。B
33・41歩は何のため?無駄駒ならC。
34・厚みの持たせ方がいかにも作者。B
35・2手目同銀のときの27金がなぜか見えず。駄目だなあ。B
36・66飛から55飛の手触りが抜群。気に入りました。A
37・何も考えず2手目生に。良かった、合ってた。B
38・おとなしい手順で物足りない。C
39・何かありそうで、ない。C
40・詰上がりは見えてるのに、なかなか届かない。なるほど、打ち換えか。A
41・趣向の香りですね。B
42・どれくらい誤解が出るかな?B
43・なるほど、こういう形で新味出せるんですね。B
44・好きな人もいるんでしょうが。C
45・うん、さすがです。A
46・そうか、スイッチバックできるんですね。B
47・祝初入選。まあまあ意外性ありますね。B
48・舞台作りの逆算がうまく入りました。B
49・35桂が好手。B
50・不思議な手順。良く順序限定できている。A

3連単なら45→2→36。個人的には50もかなり気に入りました。Aを付けた作品がベスト10に入ってるといいなあ。

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日本酒の記録もあわせて。12月はこの3本を開けました。

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あれ、写真の大きさが違う(汗)。順に「〆張鶴 大吟醸 銀(新潟)」「大嶺 純米吟醸 2粒(山口)」「加茂錦 槽場汲み 純米大吟醸(新潟)」3者3様で、〆張鶴はお馴染みの淡麗辛口、大嶺は少し力強さを感じる辛口、加茂錦は芳醇さを感じる味わい。どれも美味しかったですが、一番は最後の加茂錦かな。前に飲んだ別の荷札酒も良かったので、ほかのもぜひ飲んでみたいものです。

 

 

明けましておめでとうございます。

今年も軽趣向と酒に明け暮れそうな(笑)本ブログですが、暇つぶしに来ていただければ幸いです。

恒例の?年賀詰を。令和2年ということで、今回はこちら。

Nenga20201
 ちょっと「2」の方の字形が崩れましたが、酒が入ったせいということで(笑)。手数は大学院級です。正月休みに楽しむには長いかも。ちなみに一応、「圭」は成桂です。

 今年は長めの正月休みとなっておりますが、冬眠蛙は数年ぶりに仕事です(涙)。どっかで代わりに休みたいなあ。全国大会のあたりならベストかな。

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