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2018年6月

軽趣向を楽しもう! -順次香成趣向④-

 もうすぐサッカーのセネガル戦ですね。0時キックオフということで、さすがに生観戦は自重すると思いますけど、寝付けなさそう(笑)。
 さて、軽趣向を楽しむ企画の第4回になります。前回最後に紹介した橋本氏作の解答から。
20180610hashimoto
▲32歩△41玉▲42歩△同銀▲31歩成△同銀
▲42歩△同銀▲32金△同玉▲33歩△同銀
▲23香成△31玉▲32歩△41玉▲42歩△同銀
▲31歩成△同銀▲42歩△同銀▲32成香△同玉
▲33歩△同銀▲23香成△31玉▲32歩△41玉
▲42歩△同銀▲31歩成△同銀▲42歩△同銀
▲32成香△同玉▲33歩△同銀▲23香成△31玉
▲32歩△41玉▲42歩△同銀▲31歩成△同銀
▲42歩△同銀▲32成香△同玉▲23角生△43玉
▲44歩△33玉▲34歩△24玉▲25歩△15玉
▲37馬△16玉▲26馬 迄63手。


前回紹介した筒井氏作と同じ消去目的で、57手目34歩と打つ手を可能とするために、24から26の3枚の香を消去します。歩の使い方が絶妙で、両玉と打歩詰をうまく利用して、1サイクルで4枚の歩を消費しています(最後は除く)。収束で3枚の歩がさらに必要ですが、「この作品のために歩は18枚あるんじゃないか」と思うほどピッタリ。持ち歩18枚の作品は結構多く発表されていますが、その中でも至高の一品と思います。

 本作のように、香を消すまでのサイクルに工夫をするのが、この趣向では主流となっています。走りとなったのはこの作品あたりでしょうか。
20180624yagura
▲35銀△25玉▲26銀引△14玉▲15銀△13玉
▲14歩△22玉▲33と△同玉▲43香成△34玉
▲44成香△25玉▲26銀引△14玉▲15銀△13玉
▲14歩△22玉▲33成香△同玉▲43香成△34玉
▲44成香△25玉▲26銀引△14玉▲15銀△13玉
▲14歩△22玉▲33成香△同玉▲43香成△34玉
▲44成香△25玉▲26銀引△14玉▲15銀△13玉
▲14歩△22玉▲33成香△同玉▲43香成△34玉
▲44成香△25玉▲26銀引△14玉▲15銀△13玉
▲14歩△22玉▲34桂△21玉▲31歩成△同玉
▲41と△21玉▲22歩△同銀▲同桂成△同玉
▲42飛成△34玉▲35銀△25玉▲14銀△同玉
▲12龍△13歩▲26桂△25玉▲34銀迄83手。


銀知恵の輪との組み合わせといった趣ですね。14歩の有無の違いでうまいこと玉を22に誘導して香成を実現します。収束も(龍は残るものの)うまく捌けていて、60年以上前の作品とは思えないセンスですね。

 次は私の好きな作家のひとり、塩野入清一氏の作品。
20180624sio
▲23金△同銀▲同と△同金▲14歩△同金
▲23金△同玉▲24銀△同金▲33歩成△13玉
▲14歩△同金▲23と△同玉▲24銀△同金
▲33香成△13玉▲14歩△同金▲23成香△同玉
▲24銀△同金▲33香成△13玉▲14歩△同金
▲23成香△同玉▲24銀△同金▲33香成△13玉
▲14歩△同金▲23成香△同玉▲33飛成△同金
▲同角成△同玉▲34金△32玉▲31と△同玉
▲21歩成△同玉▲22角成△同玉▲14桂△同香
▲33金打△21玉▲22歩△11玉▲12歩△同玉
▲23金上△11玉▲21歩成△同玉▲22金左 迄65手。


詰方角と守備金の効きを上手く使って1サイクルで銀歩を消化します。シンプルながら良くできた仕掛け。収束は綺麗にまとまっています。「饗宴」にも収録された作品です。

 本日最後に紹介するのはこちら。解答は例によって次回に。
20180624manabe

7月の詰とうほく予定

 すみません、告知したつもりがすっかり抜けていました。7月の詰とうほくは、7月21日(土)13時より、前回と同じく、生涯学習センター和室での開催となります。全国大会明けとなりますが、ご都合つく方のご参加をお待ちしております。なお、その次の週の28日(土)は角さんと会う予定です。一緒に会う方を募集しておりますので、あわせてお声掛けください。
 ちなみに会合といえば、大学の先輩の名前をパラの会合報告で見かけて驚きました。私が新入生のとき、先輩にパラを見せてもらっているので、少なくとも昔は会員だったはず。一般戦全題正解はさすがだなあ、と思いました。
 ところで、軽趣向作を楽しむ企画があると良いなあ、という個人的願望で始めた連載を3回ほど行いましたが、反応が全く無くて、ちょっとガッカリ。あんまりニーズないのかなあ。ちなみに順次香成趣向は(めげずに)もう2・3回予定しています。その次の趣向は何が良いか、ご希望があればコメント欄にいただければ。でも作品探すのが結構大変ですかね。今回は利波さんに全面協力いただきました。ありがとうございました。

軽趣向を楽しもう! -順次香成趣向③-

 パソコンを買い替えました。ずっと使い慣れたWin7からようやくWin10へ。それほどわかりにくい、という訳ではなく、ひと安心。ただ、Edgeのフォントが変えられないのは残念だなあ。もう少し読みやすくしたいんですが。
 
 さて、シリーズ3回目。まずは前回の宿題?の解答を。
20180527kaeru
▲53歩成△同銀▲44歩△同銀▲53香成△同銀
▲44歩△同銀▲53香成△同銀▲44歩△同銀
▲53香成△同銀▲44歩△同銀▲53香成△同銀
▲48飛△44香▲同飛△同銀▲45金△43玉
▲44香△同銀▲54金まで27手。

最初の53歩成、同銀に同馬は32玉、同香成は44玉で詰まずこの銀は取れずの銀となっています。44歩と叩いて銀をうまく使いながら4香をすべて成捨てし、質駒となっている48金を取って詰まします。コミカルな感じですが、少し易しすぎますか。

 易しすぎる原因は、慣れた人なら、「ああ、4枚香を成り捨てて68飛で金を取るんだな」と、仕組みが一見して分かってしまうこと。
 この趣向の場合、『たくさんある香を成る理由』が必要で、多くの作例で見られるのが、
①香の後ろに飛、または龍を置いて、香と龍の違いを使って収束するもの
②最後の香を成ることで遮られていた大駒の効きが通り、それによって収束が可能となるもの
の2パターン。前回紹介した高木氏作は①、上の自作は②ですね。ただ、最初に紹介した角氏作はどちらでもなく、成る香の微妙な意味づけの違いで趣向を成立させました。では、他にはどんな意味付けの作例があるか、見てみましょう。
20180610yunomura

▲82歩成△同玉▲72歩成△91玉▲92歩△同玉
▲93歩△同桂▲84桂△91玉▲82と△同玉
▲73香成△81玉▲72桂成△同角▲同成香△92玉
▲83角△91玉▲82成香△同玉▲73香成△81玉
▲72角成△同角▲同成香△92玉▲83角△91玉
▲82成香△同玉▲73香成△81玉▲72角成△同銀
▲同香成△91玉▲92歩△同玉▲83銀△同玉
▲73香成△92玉▲82成香寄まで45手。

この作品は成り捨てるのは2枚だけで、残りの2枚の成香で収束します。では最初の2枚はなぜ成り捨てるのか、というと2枚の角を剥がすため。打歩詰を使いつつ、剥がし趣向と組み合わせることで、72に歩・桂・角を成る独特な手順になりました。序奏も良く、形も洗練されていますね。

 もっと凝った意味づけになっているのがこちら。
20180610tsutsui_2

この作品は、収束に入る手順を選択する権利を持っているのは詰方になっています(この趣向では珍しい)。76~79の全ての香を消去するのですが、消去しないまま収束に向かうとどうなるか。

▲72桂成△同玉▲63歩成△同玉▲73歩成△64玉
▲74と△53玉▲44銀△同龍▲同金△同玉
▲43飛△35玉▲33飛成△26玉▲22龍△37玉
▲27龍△48玉▲38龍△59玉▲49龍△68玉(失敗図)

201806102_2
おわかりでしょうか。76~79全ての香を消去することで、69歩を打歩詰にならないようにする必要がある、というわけです。 
 では作意を。

▲72桂成△53玉▲63歩成△同玉▲73歩成△64玉
▲74と△53玉▲63と△同玉▲73香成△64玉
▲74成香△53玉▲63成香△同玉▲73香成△64玉
▲74成香△53玉▲63成香△同玉▲73香成△64玉
▲74成香△53玉▲63成香△同玉▲73香成△64玉
▲74成香△53玉▲44銀△同龍▲同金△同玉
▲43飛△35玉▲33飛成△34香▲同龍△26玉
▲25龍△37玉▲27龍△48玉▲38龍△59玉
▲49龍△68玉▲69香△78玉▲58龍△87玉
▲88龍△76玉▲77龍△85玉▲84成香△同玉
▲74龍△93玉▲92と△同玉▲82成桂△93玉
▲92成桂△同玉▲72龍△93玉▲82銀生△84玉
▲74龍△95玉▲94龍まで75手。

手順中の34香合が手数伸ばしの捨て合で、発表時はここで誤解した方が多数発生。この手数伸ばしが成立するのが4枚香を消去した場合のみ、というのが味わい深い。面白い作品と思います。

 さて、ではもう一作。解答は次回載せますどんな狙いでしょうか。
20180610hashimoto

日本酒の記録(2018年5月)

 サッカーのW杯日本代表が決まりましたね。ハリルホジッチ前監督を直前に変えたことについて、かなりの非難がありましたけど、冬眠蛙は時期は遅かったかな、と思うものの、変えて良かったと感じています。東アジア選手権が、全3試合とも非常に内容が悪く、どちらかというと戦術に問題があるのでは、と思ってました。先日のガーナ戦も見ましたが、少なくとも東アジア選手権の試合内容に比べれば、だいぶ戦っているように見えました。残り僅かの準備期間ではありますけど、ベストを尽くしてほしいな、と思います。

 さて、今日は日本酒の記録の方を。

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まずは秋田の新政酒造の「№6 X‐Type」。「№6」とは6号酵母を使っている、という意味なのだそうです。香りと甘さと飲み口のバランスが絶妙で、この酒造のお酒を多く飲む切っ掛けになった銘柄。今回もとても美味しかったです。前の家で最後に飲んだお酒になりました。

続いて引っ越して来て最初に開けたのがコチラ。
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地元宮城は加美町の「天上夢幻 仕込13号純米大吟醸」。比較的あっさりとした飲み口で、若干辛さも感じました。もう少しパンチがあっても良いかな。手前の肴はホタルイカの燻製。このお酒とちょうど良い感じでした。

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続いては、故郷新潟を代表するお酒の一つ、「久保田」の「翠寿」。新潟といえば、といった感じの淡麗な味わい、スイスイ飲めます。「翠寿」は大吟醸生酒で、比較的味わいも豊かで、あまり飲まれない方にもオススメできる一品です。

 パラ6月号が到着。1日になっても届かず、転送されてこないのかと心配になりました。表紙の結果稿、自作に1ページになんて滅多にない経験なので、何度も読み返しています。ゆめぎんがさん、ありがとうございました。類作指摘が無くて(あったのかな?)ほっとしました。あと、33馬~22馬~25香の紛れ、投稿後に気づいて肝を冷やしたのはココだけの話ということで(笑)。

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