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2016年10月

第4作品集紹介⑧+⑦解答

 なんだか指将棋の世界は、例のソフトの問題で、今すごいことになっていますね。冬眠蛙は全くの門外漢のため、実際にどうなのかはもちろん知りませんが、ビジネス上のリスク管理、という点で、連盟の対応はとても勉強になります。最善手を追い求めるのか、それとも悪手だけは指さないことを心がけるべきなのか、って感じでしょうか。

 さて、では久しぶりに作品集紹介を。今日は⑧です。

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易しい10手台の作品。同一作あっても不思議ないかな、と思っていたのですが、検索では一応セーフでした。

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⑦解答・解説

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▲65と △同玉  ▲75金 △66玉 ▲76金 △同飛  
▲65金 △77玉 ▲55馬 △
同金  ▲76龍 △同玉  
▲75飛 △86玉 ▲68馬 △77桂成▲85飛 △76玉 
▲58馬 △同金  ▲75飛 △85玉 ▲87歩 △同成桂 
▲95銀迄25手。

イ78玉は76龍、77金、56馬、69玉、68金、同金、同馬以下。

 以前「詰棋めいと」で湯村光造氏が発表された「歩詰手筋総まくり」では、詰方と玉方の手段を「回避」「打開」「予防」といった用語で分類する手法で画期的な研究論文だった。本作品はそれに触発された、というわけではないが、「打歩詰打開を予防する手を回避する」という凝ったテーマ。
 9手目55馬と捨てる手がそのテーマを担う伏線手。この手を入れずに76龍と作意どおりに進めると、途中までは同様に進むが、玉方は68馬に対して77桂生と変化する(紛れ図)。以下はどのように進めても打歩詰を打開できない。例えば同馬と取れば、同銀生、78桂、同銀成と成生を巧みに使い分けられる仕掛け。

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 55馬と捨てておくと、77桂生に対しては、85飛、76玉に67馬で詰むため、それを防ぐためには77桂成とするしかない。こうしておいて75飛~58馬と馬を消去すれば、成桂を縛る駒が無くなって87歩と打歩詰を打開できる訳だ。
 当初の図は紛れ順を際立たせるための飾り駒を配置しており、今回の機会に大幅に修正を施した。少し偏狭なのかもしれないが、やはり作意に関係ない駒は置かないようにするのが作家としてのマナーだと思う。
 なお、48金をと金にしていたところ、奥鳥羽生氏から紛れ図の77桂生を桂成として85飛、76玉、58馬に67成桂でも不詰になる弱点を指摘いただいた。構想作としては不完全に近く、氏には感謝あるのみ。

さわやか風太郎「68馬に77桂生と打歩詰に逃げられるのを防ぐ5五馬捨てが味わい深い手ですね。この打歩詰を巡る熾烈な攻防に酔いしれました」
隅の老人A「狙いは9手目の55馬と56金を移動させておく事でしょう。55馬を飛ばして、77桂生の合駒に暫く悩みました。28馬は序盤で強力な助っ人に仕立てているのが流石に上手い。作者は62歩の配置がチョット気に入らないと、ボヤイテイル?」
 まあ、仕方ないかなあ…。

(冬眠日記 H17・8改)

久しぶりの開催

昨日開催いたしました。少し危ぶんでおりましたが、8名出席でほっと一安心でした。ヽ(´▽`)/

 事前にカードを提示して鍵をもらう、と事務の方に聞いており、1時ちょい前に取りに行ったら、既にUraさんの名前で鍵が貸し出されておりました。Uraさんに聞いたところ、「あ~、後で来る人が見せるから、って言っといた」。これで済んでしまうルーズさが仙台らしい。

 久しぶりに佐々木さんが来ていたこともあり、この間連載を終えた金成さんの作品の話題で盛り上がりました。「勝負澤」の命名に関する佐々木さんの推理にナルホドとうならされました。作品集を出そうと準備を進めている、とのことで、佐々木さんにしか書けないエピソードもたくさんあるはず。楽しみにしたいと思います。

 近く実施される表短コンに利波さん、石川さんが投稿した、とのことで、それを解図したり、新作を見せてもらったり。結構解けて気を良くし、香龍会作品展もチャレンジしてみたのですが、最初の岡本さんので大苦戦。次の元水さんのを利波さんがなんとか解いたところで力尽きました。三輪さんすみません。

 明治時代の作品集の作意推定や、あとはもちろん今話題になっている例の件に関しても盛り上がりました。あっという間の4時間。近くの居酒屋さんで2次会を行ってお開き。次回は1月28日に開催となりました。現在会場抽選申し込み中です。

 今日は利波さんと秋保の方に行ってきました。手違いがあって当初の目的である小野寺さんとこに遊びに行く企画ができず代わりに、ということで秋保大滝を見に行ったり温泉に入ったり。天気が思いの他良くて、大滝に行くまでにちょっと一汗。利波さんお疲れ様でした。

 次回までには新作をなんとか拵えたいものです。あ、謎のCD-ROMの方はきっちり頒布を終えました。今回来れなかった方で欲しい、という方は次回開催のときに事前にブログにコメントいただければ持っていきます(謎)。

いよいよ詰とうほく

 久しぶりの詰とうほくが10月15日13時より生涯学習センターにて開催されます。リンク貼っておきましたが、東口に出て見える最も大きい通沿いで、わかりやすい場所だと思います。会場は5階の和室です。興味のある方はぜひおいでください。

 パラ10月号にも記載しました(ちなみに原稿書いたの私なのですが、なぜか佐原さんの名前になっている)が、会場使用料金割り勘になります。今日払ってきたのですが、2800円でした。ということで例えば4人参加なら、ひとり700円です。

 なお、先着でご希望数名さまに、謎の非売品CD-ROMをさしあげます。興味のある方はお声かけください。
 う~ん、何人くらい来てくれるかな~。ちょっと心配。ほんと、よろしくお願いします。

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 明日は体育の日。実は、冬眠蛙はここ数年で体重7キロ位増えてまして、思い立ってここのところ2日に1回ペースでジョギングしています。
 最近やっと暑さが和らいで走りやすくなったのですが、今度はあっという間に寒くなってきて、今日秋モノのジョギング用のウェアを買ってきました。走るだけ、と思ってたのに、意外とお金かかるんですよね。やはり詰将棋は金のかからない趣味だなあ、と改めて実感しております。

不詰。。。

 コメント欄をご覧の方はもうご承知ですが、先日の「名作探訪」の記事の写真は稲村ヶ崎ではなく、小動岬とのことでした。展望台で写真で説明が書いてあったのですが、ちょっとズレて見てしまったようです。不詰作の出題で悩まれた方もいたようで、申し訳ありません。(;´Д`A ```

 …ということで、この不完全を解消すべく、「小動岬」という命名で誰か煙詰をぜひお願いいたします(笑)

 ちなみに行きは江ノ電で行ったので、ちゃんと稲村ヶ崎駅も通ったのですが、駅名の看板が遠くて、「ココ!」とわかる写真が撮れませんでした。残念です。
 
鎌倉は大仏見た帰りに食べたしらす丼が美味しかった!今度は晴れたときに行って、ちゃんと写真を撮りたいと思います。

第4作品集紹介⑦+⑥解答

先週出した写真クイズ、正解は「稲村ヶ崎」でした。言わずとしれた、柳田明氏の傑作です。江の島から撮ったのですが、柳田師匠はどんな思いで命名したのか、ちょっと聞いてみたい。初形の印象かなあ、と少し感じたのですが、真相はいかに。

さて、第4作品集紹介を。

20161002

完成までに紆余曲折を経た苦心作。この図に辿り着けたのは、今回の作品集で自分では最も印象深い。20手台です。

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⑥解答・解説

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▲13角 △イ23玉▲43龍 △33桂 ▲34龍 △同と
▲24歩 △同と  ▲22角成△同玉  ▲21角成△23玉
▲13桂成△同玉  ▲12馬迄15手。

イ‐11玉は21角成、同玉、31と、11玉、12歩以下。同飛は42龍、32銀、同角成、同歩、33銀、同飛、同龍、同歩、21飛、32玉、31飛成、23玉、33龍で同手数駒余り。

 休眠状態に入る直前の作品。この頃は、「何かしらのテーマを設定し、暗算で創作して、目途がついたところでPC検討」という手法で、盤駒は使っていない。本作は「43龍に33桂と移動捨合」で設定。普通に成立していて自分でも驚いたが、2手逆算した関係で普通の捨合になった。

原○彦「意外性の連続でした」
二○卓郎「43龍の妙手で決まらない奥深さ」
飯○晃「5手目から急に行儀がよくなる」

 テーマと収束のバランスが今一つでお蔵にしていたが、順位戦欠席回避を理由にちゃっかり出してみた。それなりの評点(4.08)でホッ。

 (詰将棋パラダイス H24・6)

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