« 記念詰将棋解答① | トップページ | 金成憲雄氏作品紹介47 »

記念詰将棋解答②

 前回の小川さん作に続き、今回は冬眠蛙作です。

▲55桂 △66玉 ▲56馬 △同銀生▲77銀△55玉
▲54金 △同歩 ▲66銀 △44玉 ▲45歩 △同銀
▲36桂 △同銀 ▲45歩 △同銀 ▲34金 △同銀
▲同銀成△同桂 ▲46飛 △同桂 ▲45歩 △同玉
▲34銀 △56玉 ▲57飛 △66玉 ▲75馬 迄29手。
(詰上り「ハート」

 77銀、55玉までは手なりで進められる手順ですし、4手目銀生もおそらく皆さん予想どおりだったのではないか、と思うのですが、その後の54金が難手と思います。取られそうな44とで54の金を取り払う方が自然ですが、同歩として66金は44玉、33馬は44桂合(他合は詰み)で逃れます。
 更に打ったばかりの銀を66に捨てに行く手も見つけにくいでしょうか。同玉は75馬、55玉、45金、同銀、同と、同玉、34銀打、同桂、同銀生、55玉、56歩で、このとき同玉を詰ますため、66銀を75馬と入れ換える必要があるわけです。44に追い込んでからは銀をうまくフタに利用しながら36とをハガし、34金で清算して46飛が決め手になります。
 ハートの炙り出しは祝賀詰で数多く作られており、また一時元水さんが纏めて傑作の数々を発表されているので、ちょっと尻込みしつつの創作。玉方銀は最初25に置いて25~36~45~34で一回転させる方針でしたが、その後で逆算で入れたかった75桂を63に捨てる伏線手が実現できず、路線を変更しました。全体的に中途半端な感じはしますが、久しぶりの創作の割には満足できる出来になったかな、というのが正直な感想です。

○解答者コメント

たくぼんさん‐「これだけレベルの高いハートはそうはないでしょう。それだけ冬眠蛙さんの愛の深さがあるということ。ちょこまか動く銀のように家事を手伝ってあげてれば夫婦円満間違いなし」
☆独身時代は寮暮らしが大半で、ほとんど料理しなかったんですよねえ。久しぶりに台所に立ったら、さっそく指切ってしまいました(涙)。

中村雅哉さん‐「こちらも難しかったです。66銀、同玉の変化の45金から精算する順が見えませんでした。銀を翻弄する中盤、飛捨てからきれいに詰上げる収束、とても解後感が良い作品ですね。
 
気持ちよく浮かび上がるハートと軽やかな手順が貴兄の今の気持ちを表しているという印象を受けました」
☆中村さんに褒めてもらえただけでも上出来です。歳なのでそんなに浮かれてはいないつもりなんですが(汗)。

鈴川優希さん‐「(小川さん作が「フミ」なので)ならばこちらはハートだろうと予想し、自力で頑張りました。不成の入った銀の翻弄に、桂の二段跳ね、77銀~66銀の捌きなど、見所満載。駒をどんどん消してモデルメイ トの詰上りはたいへん気持ちいいです。冬眠蛙さん、この日のために温めていた作品ですね?」
☆いや、結構ギリギリになってから作りました(笑)。完成したのが10月末くらい。あぶないあぶない。

有吉弘敏さん‐「ハートは想像していましたが、玉位置は思わぬところでの詰め上がりでした。手順も玉方銀をうまく翻弄して完成されています」
☆やはり54の位置が主流ですかね。先に書いたように、結構作られている形なので、被らないような詰上りを探しました。

今川健一さん‐「最後の一手で「ハ-ト」の出現。奥様への記念の贈り物、無事に奥様の心に届きますように。詰上がり図から一手一手と逆に戻して指し手を鑑賞。キビキビとした捨駒を続けても、なかなか詰上がり図が想定できない。      34桂から46桂と跳ばせる辺りが蛙さんの持ち味?序に現れた66銀が最後に消えるのも好感あり、です。どの辺りの手順が奥様の胸をときめかせたか、蛙さん、教えてね」
☆さあ~、自分も聞きたいです。
☆そういえば、小川さん作の「大江山」、意味がわかりました。ちょっと捻りが入ってますね(笑)。多分嫁も天の橋立、見たことないですね。

山下誠さん‐「6七の銀が5回も動くのは凄い。鮮やかな手順で中央に「ハート」が浮かび上がりました。末永くお幸せに」
☆合駒でこの銀を出せたら波崎さんレベルでしたけどねえ。ありがとうございます。

蛇塚の坂本さん‐「ハートの形に持っていくとは非常に難しいと思いました。さすが冬眠蛙さんだと驚いております。最初の難所は、7七銀から6六銀への進出で相当時間がかかりました。終わってみて、やりきったと言う感じでした」
☆ありがとうございます。やはり66銀は見えにくいですよねえ。

占魚亭さん‐「受方銀の捌きが素晴らしいです。受方桂の二段跳ねもいいですね」
☆中盤以降は手なりで楽しめるのが気に入ってます。あ、でも34金はやりにくいか。

奥鳥羽生さん‐「左辺に遁走されそうな出だしで一瞬ドキッ、玉方も銀生で応酬。中盤、66銀~玉方銀の小翻弄を含んだ駒繰りも変化もありお見事。もっと早めに75に居座ると思われた馬の移動は最終だった」
☆最終手が75馬なので、やはり75桂を成捨てる序は入れたかったですねえ。不動駒も減らせますし。そこは少し心残りです。

誤答組子さん‐「54の金をどちらで取るかで悩み、66銀から持駒歩の使い方に感心しました」
☆最初、2回目の45歩は入れなくても詰むか、と思い逆算を諦めるとこでした。34金、45玉、46歩、56玉、57飛に46玉で逃れるのが分かったとき、ツイてる、と感じました。

三輪勝昭さん‐「初手は必要なのかな?55桂が不用ならいらないと思うけど。
77銀~66銀がすこぶる感触が良い。玉方67銀の動きで良い作品になりました」

☆初形玉をバランス的に中央に持ってきたかったんです。あと、この方がとっつきがいいかな、と。些末ではあるのですが。

解答とともに、たくさんのご祝辞を頂戴しました。妻ともども、感謝申し上げます。また、出品いただいた小川さん、本当にありがとうございました。

« 記念詰将棋解答① | トップページ | 金成憲雄氏作品紹介47 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 記念詰将棋解答① | トップページ | 金成憲雄氏作品紹介47 »