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2015年7月

波崎黒生「一番星」出版記念作品展 結果発表②

つづいて②を。

▲31馬△22歩▲同馬△同玉▲26龍△同と
▲32歩成△同玉▲34龍△22玉▲24龍△11

▲13龍△12金▲23桂△21玉▲22歩△同金
▲11桂成△31玉▲42銀成△同玉▲43龍△31玉
▲41銀成迄25手。

2手目22桂合の変化が難関。25桂と一本捨てるのがうまい手で、同とに22馬、同玉、32歩成、13玉、73龍で詰みます。…が、この変化はあくまでも前菜。22歩合がメインディッシュです。

これに対しては25桂と捨てずに同馬、同玉と進むのですが、ここで自然な24龍は11玉、13龍、12歩、23桂、21玉で打歩詰。これを回避すべく、32歩成~34龍~24龍と回り道するのが不思議な手段で、33歩が消えているので先ほどの逃れ順に進むと22歩が打てる仕掛け。
ただし、すぐに32歩成では11玉で詰みません。この変化を詰ますため、桂合の変化では縦に使った75龍を、作意で26龍と捨てる伏線手が成立しています。さすがの構想ですが、少し変化が難しすぎて損をした感はあります。発表をためらわれたのはそれが理由かも。

**解答者コメント**

羅刹さん「不詰感がぱない。33歩が悪役すぎる。2手目桂合の変化も見もの」

塚崎彰仁さん「竜の大回転 26竜が本当にスカッとしました」

有吉弘敏さん「あっさりしています。正解かどうかあまり自信がないです」

金少桂さん「打歩詰回避のための33歩消去、その変化のためにさらに龍捨てで15とをどけておくのが面白い。2手目22桂合、6手目25角合の変化に苦戦。22桂合の変化では76龍が別方向で活躍したのも良かった」

荒川貴道さん「難しいですね。第一感をことごとく裏切られる展開でした。桂馬を打ちたいのになかなか打てず結局15手目まで保留でした。難問でした」

三輪勝昭さん「結構考えたけど僕には難し過ぎたので、柿木に解いてもらいました。作意だけ見ると33歩の消去が面白いだけですね。2手目歩と桂合以外は22同馬~24龍で簡単。歩桂合に24龍は11玉でダメ。そこで15との移動が浮かびます。25桂、同と、16龍が浮かびますが、これは投資し過ぎ。取りあえず歩合は22同馬から26龍としてみる。25歩合なら24龍、11玉に15龍がある。同とで取りあえずと金を無力化出来た。意味は分からないけど(笑)。以下24龍ではダメだけど、32歩成から33歩を消して24龍なら打歩にならず解決です。26龍の意味がない?捨てないと32歩成を取ってくれない。11玉に14龍のためでした。22桂合ならどうなるか?22同馬、同玉。んー詰まない。25桂、同と、22馬、同玉、32歩成、同玉、34龍、22玉、14桂以下。25桂捨ては、この14桂のためだけじゃなく、32歩成、11玉に14龍のためでもあるけど。でも歩合との違いが良いところ。変化によって成立したりしなかったりを読むのが楽しい作品でした。が、僕は解いてないので全く良さが分からない作品でした」

名無し名人さん「5手目24龍では後に22歩が打歩詰になるので、33歩消去が伏線となるわけですね。すぐに32歩成は11玉で駄目なので、26龍捨てが英断の一手でした。しかし2手目桂合の変化で32歩成が登場してしまうのが難点かも」

今川健一さん「5手目の26竜が変化に備えた好手。以下、駒捌き良し、の好局」

詰将棋1級さん「33歩が邪魔駒になると気づいて自信ないですが解けたと思います。ただ先に歩を成捨てるのはやりにくかったですね」

山下誠さん「難解さはないが、3四龍から合利かずで寄せる龍の動きがユーモラスですね」

橋本哲さん「33歩消去とそのための26龍捨てということですか。なるほどね」

隅の老人Aさん「何とも不思議な32歩成には参りました」

占魚亭さん「33歩の消去が重要なポイント。消さずに24竜として何度も失敗しました」

小山邦明さん「この作品も丹念に変化を読まなくてはいけないのでかなり大変でした」

たくぼんさん「変化伏線の26龍がお見事、但し76龍がタテに使い難いだけに考えやすい所もありますね」

波崎さんらしさの漂う2作、いかがでしたでしょうか。「一番星」にはその名のごとく、星のように光る作品が揃っています。今回当選されたかった方も、ぜひご購入を検討いただければ、と思います。

**当選者**

羅刹さん(先になりますが、お届けにあがります)
詰将棋1級さん(送付先ご連絡ください)
橋本哲さん(角さんより連絡があります)

たくさんのご解答、ありがとうございました!

波崎黒生「一番星」出版記念作品展 結果発表①

それでは結果発表を。まずは①。

▲48銀左△28玉▲39銀△同玉▲48銀△28玉
▲29金△同玉▲59飛△28玉▲29飛△同玉
▲83角△28玉▲38角成△同玉▲39金まで17手。

作意を見ると56飛を消去するために59銀を消去する、という明快なストーリーですが、変化でかなり苦労します。4手目17玉は28金、同歩成、同銀、同玉、58飛以下。6手目同玉は93角、37玉、38金以下。8手目17玉は39角、26玉、37銀、同玉、38金打以下。入玉図らしい紛れも多く、苦労された解答者が多かったようです。

**解答者コメント**

羅刹さん「飛も銀も捌くとは。特に5手目の銀、これぞ主役。飛角が脇役に思えるほどだ」

有吉弘敏さん「難解。丸2日本局だけを考え続けました。シンプルな構図で、特に玉方27歩配置が絶妙です」

金少桂さん「玉方69と配置もあり、59銀を消すのが一見無意味で解きがたかった。まさか邪魔駒消去のための邪魔駒消去という伏線手とは!」

荒川貴道さん「前半は派手な捨て駒ですがなんとなく考えやすい問題でした」

 

三輪勝昭さん「初手はこの一手。以下29金、同玉、38銀、28玉。んー?詰みそうで詰まない。しばらくして29銀、同玉で作意の順が浮かんだ。しかし、19玉で全然ダメ。この筋だろうと思いやり直したが、変化があって難しい。作意を想定してから変化を読んだのだが、29金に17玉の39角は巧い変化と思いました。筋としてはよくある手順でしかないが、変化が緻密。高校でも良い点が出たでしょう。言ってみればこんなところに出さず高校に発表した方が良かったと言う事です(笑)」

名無し名人さん「83角を打つためには56飛が邪魔駒、それを消去するためには59銀が邪魔駒というわけですね。斬新さはありませんが、銀操りに作者らしさが感じられます」

今川健一さん「66飛が途中から邪魔になる。捌きで見せる好局。飛角が消えて、「ヤッタゾ」です」

詰将棋1級さん「考えてるうちに飛車を捨てて角打ちかなと予想できたけど変化が少しやっかいでした」

山下誠さん「テーマは飛車の消去だが、その前の銀の繰替えに遊び心を感じます」

隅の老人Aさん「邪魔な2枚銀と思ったら、1枚は土台になる銀だった」

占魚亭さん「序の銀繰りから終始軽快に手が進み楽しかったです。玉の動きがとてもいいですね」

小山邦明さん「前半の手順で17玉と逃げられた時の変化と収束形が見えない点で難しかった」

たくぼんさん「先を読まないと59銀消去の必要性が分からないので感覚だけでは解けない。さすが読まされる短(中?)編」

ぬさん「59銀を原形で消せると分かってから、消す意味が分かるまで少し時間がかかりました」

馬屋原剛さん「3手目から、29金~38銀~29銀と思ったが19玉で詰まないことに気付いた。銀の消し方が巧妙」

ikz26さん「収束の83角には56飛が邪魔、その消去には59銀が邪魔、というわけですね。明快に邪魔駒消去が連結されていると思います」

taka-oさん「初形から59銀を消したのか、それとも2手経過局面から49銀を消したのか?そんな問いを残しながら56飛も消える」

祭りのあとに祭りを企画

詰将棋全国大会、今年も大盛況だったようですね。ちょっと台風を心配していたのですが、ギリギリで通り過ぎたようで、遠来の方はほっとされたのではないでしょうか。しかし、握り詰で7種合ってどんな反則だ…。

さて、来週は詰とうほくがあります。最近詰とうほくは会場難で、suikyouさんやUraさんに毎回苦労して会場を押さえてもらっています。今回は戦災復興記念館というところ。市のHPはこちら(http://www.hm-sendai.jp/sisetu/sensai/)なのですが、アクセスが一番下でわかりにくい。抜粋して記載しますと、

● タクシーでおいでの方
  仙台駅西口から約5分。(初乗り運賃)
● 地下鉄でおいでの方   
  仙台駅から泉中央行きで1分、広瀬通駅で下車。西4番出口から徒歩10分。
● バスでおいでの方
  仙台市営バス、仙台駅西口バスプールのりばから約7分、東北公済病院・戦災復興記念館前で下車し、徒歩2分。
  10番のりば 茂庭台、折立/西花苑行(西道路経由)
  15番のりば 全路線
  16番のりば 川内営業所行(広瀬通経由)
● 徒歩でおいでの方
  仙台駅西口から約25分。

です。ご都合が合う方、ぜひおいでください。

さて、冬眠日記の催しとして毎年秋~冬に「プレ短コン」なるイベントをやっていたのですが、今年は都合上、下半期は多分無理。ということで、近く何かやりたいと考えています。夏短コンでも良いのですが、なんか別なテーマで軽い作品展でも良いかなあ。例えば20手台くらいの中編コンとかだと、参加者いますでしょうか?なんか良いアイディアがあれば、詰とうほくにてご教示いただければ、と思います。

印刷

前回の「雨滴」の特別出題で、坂本さんへの賞品送付が遅れております。理由は、というと、プリンタの不調(涙)。買ったばかりなのですが、どうやら購入したB5プリンタ用紙との相性が悪いらしく、裏面印刷で紙詰まりを起こしてしまいます。…というわけで、坂本さんには大変申し訳ないのですが、今回はA4で印刷して送付、ということで許していただければ、と思います。前篇はB5送付なので心苦しいのですが、その分字が大きくて読みやすい、ということで何卒ご容赦ください。

来週はいよいよ全国大会ですか。冬眠蛙は結局今回は不参加になりそうです。寂しいので、もしかしたら近い内にどこかの会合にお邪魔するかも。日程をチェックしようっと。

しかし急に暑くなりましたね。熱中症のニュースも相次いでいるようで、皆様もご注意ください。

金成憲雄氏作品紹介 番外編3

「一番星」出版記念作品展、ただ今出題中です。みなさまぜひぜひ。

さて、本日は金成氏唯一の必至作品を出題。

Kanenari39

37手必至です。手順趣向になっていますので、詰将棋感覚で楽しめるかも?

先日角さんと飲んで、楽しいお話を聞かせていただいたのですが、その会った日あたりからやたらと雨の日が多くなっています(笑)。全国大会位には梅雨明けしてくれないかなあ。あ、なお、冬眠蛙は多分今回は不参加です。行きたいんだけどな~。

波崎黒生「一番星」出版記念作品展

このたび、「詰将棋おもちゃ箱」「借り猫かも」の2サイトと合同で、波崎さんの作品集「一番星」の出版記念作品展を行なうこととなりました。波崎さんの未発表作を2作ずつ、懸賞出題させていただきます。

冬眠蛙のところでも、波崎さんらしさの漂う2作品を出題。手数順です。

Hasaki1


Hasaki2


解答を募集いたします。今回はメールでお願いいたします。

アドレスはhirokiichishima@yahoo.co.jp

 解答期限はちょっと短めですが7月15日(水)までとします。解答いただいた方から、抽選で2名さまに、このたび出版される「一番星」を贈呈いたします。
 賞品以前に、なかなか解いて損のない作品と思います。お楽しみいただければ、と思います。できれば短評も付してくださいね。よろしくお願いいたします。

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