エイプリルフール特別出題 結果発表1
この1週間はなんだかAKBとW杯で話題が埋まってましたね。なんだかんだ言って、日本は平和だなあ、と。個人的には最近ちょっと停滞気味でして、なんか気分を盛り上げるようなことでもないかなあ、なんて思ったりしてます。
さて、本日は4月1日に出題しました「エイプリルフール特別出題」の①の解答を。
▲43銀生△64玉 ▲44飛 △75玉 ▲55飛 △86玉
▲84飛 △同香 ▲87歩 △77玉 ▲65飛 △78玉
▲88馬迄13手。
3手目・5手目が限定打になっています。さて、その仕組みは。
実は後の方から考えるとわかりやすい。仮に3手目を54飛として、5手目65飛や45以遠だと、86玉、84飛、同香のときに87歩が打歩詰です。したがって、馬筋を遮る55飛が限定、という仕掛け。ところが、55飛には65歩という手があります。同飛、86玉で打歩詰(失敗図)。84飛、同香といてもう1歩補充しても詰みません。
そこで、戻って3手目を44飛とし、あらかじめ馬筋を塞ぐのが妙手。こうすれば55飛に65歩合としても同飛、86玉に87歩が打歩詰にならない仕掛けです。では44飛に54歩合は?これも同飛と取ると失敗しますが、同銀成と取る手で詰みます。
馬筋を二重に遮る深謀遠慮。いかにも詰将棋、で作者らしい内容です。
** 短 評 **
羅刹國さん「馬車の通り道なんてなかった」
☆岩が2個も転がっていては。あ、でも最終的には通るんですが。
三輪勝昭さん「打歩詰が見えているので無意識に44飛としていました。84飛でいなくなるのでどこでも良い手なのに後から気付きました。もう一度読み直して55飛に65歩合に備えて、2回連続で角道を止める構想なのに気が付きました。とりあえず先に作意手順から読む形なのがちょっと弱いですが、面白い狙いです。ただ作品としては推敲不足です。悪形でも構わないけど駒の効率良い配置を考えて欲しい」
☆舞台装置については、この作意設定だと仕方ないように思います。3手目54歩の方を作意にして別展開に、とかは考える余地があるかも。
☆ちなみに見たときに「初手省いてみては?」と聞いたところ、「38香の配置があまりに働かないので、2手目の変化で活かすようにした」とのことだったように記憶しています。ま、確かにいきなり初手から、というのは避けたい気もします。
蛇塚の坂本さん「二枚の飛で、遠くの馬をわざと遮断するとはニクイです。これが詰将棋の妙でしょうか」
☆作り物、という感じですね。
占魚亭さん「空き王手か両王手までと踏んでいましたが、なるほど」
☆確かに、そう見える初形ではありますが、そんな素直な作者では(笑)。
さわやか風太郎さん「折角の馬道を止める2つの飛車打が奇抜」
☆作者はフェアリー・推理将棋と多才なんですけど、特に推理将棋と詰将棋は全然作風が違うように感じますね。…って書くと後で怒られるかな。
解答者ちょっと少なかったですねえ。やはり難しかったですか…。
« 金成憲雄氏作品紹介16 | トップページ | 金成憲雄氏作品紹介17 »
「詰将棋」カテゴリの記事
- 全国大会in甲府と編集長の長編(2024.07.15)
- 今年もよろしくお願いします。(2024.01.03)
- 詰将棋全国大会(2023.07.22)
- 郵便事情と看寿賞感想(2023.07.02)
- 5月の詰とうほく+パラ3月号発表作(2023.06.03)
出題・解説ありがとうございます。
初手がある理由はその通りです。
作意では飛車は横にのみ動くように構成にする事を意識しています。
ちなみに、フェアリーでも推理将棋でも通常の詰将棋と同じでやりたいことをやる、という作風で一貫しております。
投稿: 橘 | 2014/06/09 13:21