岡田敏氏を悼む
あらかじめ断っておきますが、あまり褒めちぎる内容ではありません。どうぞお気を悪くしないよう。
冬眠蛙にとって、岡田氏の印象は「驚異的な多作家」という印象の強い作家です。詰将棋を始めた頃は年間30作以上の発表をされていました。ちょっと余人には真似のできません。(まあ当時は発表の場も相当数あったのですが)
ただし、作品のレベルは、一定レベルは達しているものの、強烈に印象に残る作品にはあまり恵まれてなかったように記憶します。どちらかというと、「わざわざ発表にこだわらなくても…」と感じるような作品も結構あったりしました。
ただ、心血を注いで名作を手にするのも詰将棋の楽しさでもあれば、多くの発表作で多くの反応を楽しめる、というのもまた詰将棋の一面でもあると思います。岡田氏のスタイルがそれに合っていた、というのは言えるでしょう。
小説家で言えば、たとえば横溝正史は数多くの名作に隠れて、結構な数の「?」な作品もあるわけで、岡田氏の詰将棋界での位置づけはミステリ界での横溝のそれに結構近いかな、と思っています。
冬眠蛙の印象に残っている中から1作紹介します。発表時余詰があり、結果稿で修正案が示されていましたが、今回調べてみたら他にも余詰がありました。64金配置追加でとりあえず修正してみました(叱られるかな)。まだ詰将棋を始めたばかりだった冬眠蛙が結構悩んだ作品です。横溝で言えば「黒猫亭」くらいでしょうか。手数10手台。
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この記事は文章の巧さに誤魔化されていますが、相当手厳しい内容では?
こんな作品は発表しんでも良いのにと言う作品ばかりと僕も思っていました。
何か文章力に差を感じてしまいますが同じ意味では…
名作家は素材を選らばないとフォローしておきましょう。
投稿: 三輪 勝昭 | 2013/08/05 20:38
香車の限定打にそうまでして拘るというのが理解できない。
玉方7五飛を7四竜にするのはダメなのですか。
非限定は余詰扱い?
投稿: さわやか風太郎 | 2013/08/06 22:49
さわやか風太郎さんの言われるとおり74龍でも香打が以遠打になるだけのように思います。
ならその図の方が良いでしょう。
三輪勝昭作では以遠打は駒を置いてでも消すルールですので64金、75飛になりますけど。
因みに僕の発表作で駒を置いて消せる以遠打作は一作もないはずです。
僕以外の作家なら74龍の図で好作ですね。
追伸=前コメントの「ばかり」は多いを強調しただけです。
僕の持論は一流作家は素材を選ぶ。しかし、名作家は素材を選らばない。です。
投稿: 三輪 勝昭 | 2013/08/08 19:31
金、金合で7手目2四香を防いでいるのは見事。2二飛成〜3三歩成合わせ技から収束もきれいに決まっている。好作品じゃないですか。詩文と同じで良く味わえばそれでいいのでは。
投稿: 3時のおやつ | 2013/08/28 21:59