看寿賞をあげたかった作品①解答紹介
▲26桂△同銀▲24飛△同玉▲35龍△同銀
▲33馬△14玉▲17香△同桂成▲26桂△同銀
▲15歩△同銀▲23馬まで15手。
35龍が強烈な一手。ですが、本当にすごいのはこの一手の意味。実はこの手を入れなくとも、33馬以下ほとんど同様に手を進めることができるのです。一点を除いて。
仮に35龍を入れないと、玉方は17香に同銀生と手を変えます。で、26桂に対して同銀成!とする。これで15歩が打歩詰になって不詰です。これでやっと35龍の意味がわかります。銀を五段目に動かしておくことによって、銀成を防止しているわけです。構想の秀逸さに唸ります。
感心するのは構想だけでなく、銀を動かす手が惰性で入れられる一手ではなく、強烈な妙手にしていること。34銀・45馬型で焦点捨てになってるのとか、もう奇跡的です。
作者が超のつく高名作家ということもあったのか、確かこの年の看寿賞の短編は該当なしだったかと記憶していますが、後世に残る作品だと信じています。
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