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特別出題解答(後編)

前回は途中図7まで進めました。伏線手46桂の意味、皆さんは見つけられたでしょうか。

Ogawa8

(途中図7より)

▲24角成 △同玉 ▲51角 △33角 ▲同角成 △14玉

(途中図8)

Ogawa9  

再び角を打ち直します。玉方は同じ抵抗で捨合しますが、今度は同角成と成って14に追いこみます。ココです。

(途中図8より)

▲69角 (途中図9)

Ogawa10

はるか彼方の69にはっしと打ちつける遠角。迫力ありますねえ。前回の46桂捨て(ひいては51角~33同角生で一旦34に逃がしたのも)は実にこの角を打つためだったのです。

これに対して、玉方は合駒するしかないですが、歩以外の駒は全て同角で詰みそう。でも見ると1筋~5筋まで全て歩があるため、歩合ができない…いやいや、36歩がありました。これは同角と取っても同金で詰みません。角を打った意味は?

(途中図9より)

▲15馬 △同玉 ▲25金 △16玉 ▲26金 △17玉

▲27金 △18玉 ▲19歩 △同玉 ▲28銀 △18玉

(途中図10)

Ogawa11

おいおい、笑わせないでよ、これは前編で失敗した順と同じじゃない。打歩詰で失敗なんでしょ…おや?あれ?おっ!

(途中図10より)

▲19歩 △29玉 ▲47角まで37手詰。(詰上り図)

Ogawa12

69角で飛の横効きが遮られているので、19歩が打てる、という仕掛けです。この王手をする駒をわざと攻方駒の効きを遮る位置に打つ手筋は『ブルータス手筋』と呼ばれています。(利波さんからの指摘に基づき一文削除します。詳しくは記事にて)

この作品においては、その角を打つための角打ち直し~同角生~46桂という一連の手順が、この69角を打つためだけの過程になっているのが素晴らしいです。また、これだけの手数をかけながらも失敗図と成功図の違いが鮮明に現れており、構想作として理想的な作品となっています。皆さんもぜひもう一度、手順を並べ直してご鑑賞いただければ、と思います。

(作者の言葉) 

特別出題とその解答へのお礼  小川悦勇
このたび、私の作品を人気のブログ「冬眠蛙の冬眠日記」に、
特別出題として載せていただき、有り難うございました。
また、予想外の多くの方々より、ご解答を頂戴して、これもまた感謝です。
出題の際に、お約束した「雨滴」前編は冬眠蛙さんより、
解答者全員の皆様へメールにて発送していただきます。
ここで、私の希望、お願いなのですが、この「雨滴」前編を受け取られましたら、
ご面倒ですが、用紙B5で二つ折りで印刷して、お手元に末永く残して欲しいのです。
そして、また、皆様の棋友、メル友、等にも広く紹介してくださる事を願っています。
「雨滴」に載せました作品には、初入選作や子供時代を振り返る為の作、
エッセイや詰研会報等を紹介したいだけの作、と、幼稚な作品も有りますが、
これは、小川悦勇の詰棋歴と見て頂きたいと思います。
「雨滴」後編は冬眠蛙さん、たくぼんさんのお二人から、
各作品への解説、感想を戴きました。
で、作品の解説は、このお二人にお任せして、
隅の老人B、A爺とは雑文、駄文を専門に執筆、
加えて「雨滴」後編の編集中。
進行は遅々としており、現在は、ほぼ中間点を通過した状態です。
完成次第、又、冬眠蛙さんに紹介して頂く所存です。
電子冊子の良い所は、「ページ数に制限が無い」ことでしょうか?
今回の解答者全員のご講評も総て載せさせて戴きます。
(完成予定の年末を楽しみ?にお待ち下さい。)
ほんとうに、皆様、有り難うございました。
            平成22年8月28日  隅の老人A

あれ?まだ全部解いてないのに解いたことになってる。

これはプレッシャーだなあ(笑)。

次回、皆様の感想を掲載させていただきます。

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コメント

氏の言葉に便乗して、今度私の病院で開かれる文化祭に出展してもよろしいでしょうか?

とりあえず5冊ほど印刷したい次第です。

作品展の写真などは後でブログに載せますわ。

おお、それはスゴイ。
ところで、こないだB5に2頁分収まるように印刷してみたのですが、ちょっと字が潰れちゃうみたい…。A4がいいかもしれません。

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