あら?
さわやか風太郎さんから『作品集が届いていない』というコメントが。大変申し訳ありませんでした。
先ほど風太郎さんには送付したのですが、他に「オレんとこ来てないよ!」という方がいらっしゃいましたらメールいただければと思います。
ちなみに41番で散々悩んだ、と書きましたが、次の42番にもだいぶはまってしまいました。やっと昨日解いたのですが、最後の5手詰が見えずに右往左往。う~ん、最近特に落ちてきてるような気がするなあ。いかんいかん。
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さわやか風太郎さんから『作品集が届いていない』というコメントが。大変申し訳ありませんでした。
先ほど風太郎さんには送付したのですが、他に「オレんとこ来てないよ!」という方がいらっしゃいましたらメールいただければと思います。
ちなみに41番で散々悩んだ、と書きましたが、次の42番にもだいぶはまってしまいました。やっと昨日解いたのですが、最後の5手詰が見えずに右往左往。う~ん、最近特に落ちてきてるような気がするなあ。いかんいかん。
先日の特別出題で小川さんの詰将棋作品集の前編を配布いたしました。その際に冬眠蛙は現在解図中、ということで紹介しましたが、牛のようにノンビリとしたペースながらも、やっと40番台に突入しています。
こないだは一見そんなに難しくなさそうな41番でものすごくハマりました。人によりけり、とは思いますが、お持ちの方は力試しにチャレンジしてみてください。多分暗算でいける人もいるでしょう。が、盤に並べてもなかなか辿り着けず苦吟する冬眠蛙みたいな人も居て欲しいなあ。解いてみた感想はぜひこの記事のところにコメントくださいね。
アルビ勝てんなあ。矢野が抜けたらリセットされてしまった…。
気を取り直して、本日はこちら。
比較的易しい作品を選んでみました。一目でいけそう?
正解はコメント欄に。
オタマジャクシさんからプレ短コンはいつですか?というコメントを頂戴しました。
当初の予定では、今年は11月開催で12月結果発表を予定していました。昨年は盤面+配置が15枚まで、という条件で作品募集しましたが、今年はどうするかなあ。あと、最近解図ばかりで全然創ってないので、冬眠蛙自身も参加したいんですよね。リハビリかねて。
…なんて呑気に考えてたわけです。そうしたら、昨日とんでもない事態が勃発しまして。ちょっと先のことが見えない状態になってしまいました。来月上旬位にはハッキリするかと思いますが、場合によっては、今回はプレ短コンではなく、ポスト短コンになるかもしれません。いずれまたここで告知したいと思います。
ああそうだ、こないだ暇つぶしに久しぶりにミステリを読みました。今回読んだのは、東野圭吾の「名探偵の掟」という、ちょっと前衛的な作品です。まあまあ面白かったですね。5点満点なら3点か2.5点、というとこかな。たまに肩の凝らない本が読みたい、というときには良いかも。
戻ってきました。さすがに9月後半になると新潟も過ごしやすい感じ。でも東京はまだ30度超えたところもあったそうで、文字通り、残暑お見舞い申し上げます。
さて、最近ニュースでたびたび採りあげられているのが、チリで起きた炭鉱事故。最近では、新らしい方法で、思ったよりも1か月ほど早く救出できそうなんだとか。いや良かったねえ、と素直に喜べます。
ただ、ほんとに余計なことなんですが、冬眠蛙が感じたのはまた別のことでした。
『果たして日本で同じ事故が起きたとして、地下で救出を待つ作業員は、"日本万歳"とか言っただろうか』
むろん、人によるでしょう。また、当然日本政府だって最善を尽くすと思います。が、家族のことを思ったり、恋人、友人に呼びかけたりする人はいても、きっと国歌を歌ったりはしないだろうな、と予想しちゃいました。で、本当にそれで良いのか、と。正直言って、こういうときに国歌を全員が歌う光景がとても羨ましく見えましたね。
それはもちろん、長い間植民地として支配されて、やっと独立を勝ち取ったという歴史や、南米特有の風土もあるのでしょう。それにしても日本の愛国心はあまりに薄すぎるような気がしてなりません。一方で、日本を悪い国だ、不満だらけだ、という人もあまり見ないです。要は"国"に対する関心が薄いのかもしれません。
これが果たして良い状況なのかどうかは、浅薄な冬眠蛙にはよく分かりません。が、少なくとも『日本、という国を考える機会』を教育は与えるべきでしょう。
ああ、また慣れない話をしてしまいました。次回からいつものモードに戻ります。
明日から新潟に帰るので、またちょっと更新が間が空きます。ご了承ください。
ところでパラ9月号の結果を見ていて、これは!という作品を見ました。それはやさしい大学院1の志駒屋十政氏作。あの32歩突きはちょっと面白いですね。盤面が還元していないので、確かに無駄合とは言えないのですが、駒1枚増えてもちゃんと駒余らずで詰ませる必要がある訳で、逃げ道を開ける意味合いと兼ねることで、歩一枚増えることと貸借を合わせる、この発想はちょっとありませんでした。長編作家がオリジナリティを持ち続けるためには、こういった発想の柔軟さが大事なんだろうなあ、と思った次第です。
ところで、その解説で風みどりさんが『無駄合は2手伸びて駒が1枚余ることをいうのではなかったか』という問題提起をして、32歩を打つ場合は『馬鋸に限って認められる無駄合』と表現されてました。個人的には龍鋸でも認められるべきと思うし、田島氏の「古時計」や首氏の「園裡の虎」も同じ理屈と思ってました。確かに発表当時も『スッキリしない』、という意見も多くありましたが。不文律、という言葉は確かに言いえて妙、とは思います。
こないだ、突然、『レスキューフーズ』なるものの配布を寮で受けました。なんだ、レスキューフーズって、というとこですが、要は、地震とかが起きた時の非常食です。
で、なんでいきなり配布されたか、という理由がまたふるっている。『賞味期限が切れるから』…つまり、食え、ということ。貧乏性の冬眠蛙はありがたく頂戴したわけですが、正直なところ、『だって非常食っつーと乾パンとかでしょ。んなもんいつ食べるんだ』とか思いました。
で、実際ハコを開けてみたら、いまどきの非常食って違うんですね。ちょっと驚きました。フツーのレトルト食品が入ってるんです。ご飯とかカレーとか。『あれ、でもレトルトってお湯がなければ戻せないし、そのお湯は災害時にはどっから手に入れるんだろうねえ』と思ったら、ちゃんと中に発熱剤のセットが一緒に入ってました。指定された袋にレトルト食品をつっこんで、発熱剤を流し込み、待つこと30分、ちゃんと食べれる状態になってました。いやはや、スゴイのあるもんですね。
まあもちろん味はレトルトなわけですが、3食分しっかりいただきました(期限切れちゃったけど、まあ死なないでしょう)。こういうのがあると確かに災害時に安心ですね。実は結構出回ってるみたいなので、特に地震が多い地域の皆様、用意してみてはいかがでしょうか。
特別出題解説があったので久々になりました。本日はこちら。
ちょっと駒数多いかな?解答はコメント欄に。
冬「9月号見た?」
市「もちろん。どんなに冬眠中であっても、自作の結果だけはむさぼり読みます」
冬「三角さんに『6度目のA級2位作品となるが、ご本人にはどのように映るだろうか…』って書かれてるけど」
市「いや~、本人も覚えてないのに、わざわざ数えてもらった三角さんには申し訳なし」
冬「…そうじゃなくて。結果的にどうよ?」
市「あ、はいはい。正直言うとね、結果で"2位"って見た瞬間の自分の反応は今まで2通りなの。『そっか~、惜しいなあ、あとちょっとで優勝だったのに』ってパターンと『おぉぉ、この作品で残留したのか、こりゃツイてる』のどっちか」
冬「で?今回は?きっと後者でしょ」
市「当たり前じゃない。この出来で残念とか言えないよ、とても」
冬「初手一目だしね」
市「最初は多少でも紛れが出るように、持駒の金を盤面に置いてたんだっけかな。でもどうしても配置13枚になっちゃって。そもそも15手にできなかったのがなあ」
冬「まあでも、仮にここから2手逆算できたとしても、『初手打った角の場所に飛車を引いて詰み』という味がなくなるから、微妙だよね」
市「う~ん。まあね。大体、短編でこの詰上りをやろう、というのも無理がある気がする。大駒1枚しか捨てれないんだもん」
冬「そうそう、作者当てでAさんに簡単に見破られたそうで」
市「まあ手順的にはいかにも、だよね。Bさんは⑤がワタシと予想されたようですが、あの両王手の角打ちと飛のサンドイッチを組み合わせよう、という発想は私には到底辿り着けない域。ちょっと感心しました」
冬「最後に、他に結果見て感心した作品あった?」
市「B級の仲西さんのは、もし自分で作れたら小躍りしちゃう位好き。きっと波崎さんも同じじゃないかな(笑)。あと、好み、というのであれば、C級の谷川さんのがいいね。でも、ちょっと順位戦では不利だったかも。」
冬「じゃあまた来年」
市「創れればね」
解説・コメント掲載したところで昨日利波さんからメール連絡いただきました。要約しますと、「69角はブルータス手筋とは言わないのでは」というもの。
え?あれ?んー。全く違いましたねえ。これは申し訳ありません。
ブルータス手筋は、この詰将棋で言えば、79飛を打って王手をした場合の、その79飛がそれにあたりますね。「わざと離して打ってその筋を後で遮ることで、後々発生する打歩詰を事前に回避する」のがブルータス手筋です。
間違えて認識していたわけではなくて、79飛・69角の形で、頭が勝手にブルータス手筋、と決めつけてしまった感じです。初出作品の印象の強さ、というのを改めて感じますね。ちなみにコメントで谷口さんも同じくブルータス手筋と言ってますが、もしかしたら私と同じかな?
いずれ利波さん(とウマ君)のご指摘に感謝。
さて、気を取り直してサッカー見よっと。今回は新潟のDF永田が代表に選ばれていて、出るかどうか楽しみ。ではでは。
本当に大勢の方から感想いただきました。まことにありがとうございます。
感想はメール到着順で紹介します。
Uraさん「33角アイは習いある手段と思いますが、33角不成として34玉とさせ、69角を得る為に46桂という捌きを作る所は巧いものです」
躑躅さん「46桂から69角は割と見えやすいですが,初手からは成立しないのが面白かったです」
さわやか風太郎さん「特別出題の作品ですが、打ち歩詰打開の攻防が面白いです。5八桂はいつ跳べばいいのか、それも金を質駒にするわけではないし、意味がなかなか掴めませんでした。2九の香についている飛車の紐を断ち切るためと漸くわかりました」
☆皆さんいいカンしてますねえ。冬眠蛙は最初は46桂なんてカケラも読みませんでした(笑)。
橘圭伍さん「昔詰将棋めいとに出した作品の修正図でしょうか?こんな感じの作品を解いた記憶があります。上部の構図は既存の物ですが遠打と組み合わせたのが面白いです」
☆24玉型で角捨合の形は結構見ますね。冬眠蛙も一度創ってみようかな。
羅刹國さん「飛筋を通すための伏線と思いきや、遮るための伏線だったとは!69角を発見したときの悦びは、詰将棋のカタルシスとでも言うべきか。程よい難易度で、秀作」
☆確かに"浄化"って感じしますね。言いえて妙です。
坂本栄治郎さん「感想ですが、実に打歩解消についてこの問題ほどバラエティーに満ち溢れている問題は無いと思います。馬を生角にしたりわざわざ飛の効き遮断したり再度角で角の打ち場所を作るお膳立てなどなど素晴らしいテイストがふんだんに盛り込まれている秀作だと思います」
荒川貴道さん「21手目の角打ちがとても印象的です。1五馬ばかり考えました。他にもワナがいっぱいあって今でもまだワナにはまっていないか心配です。解答発表と小川悦勇作品集を楽しみにしています」
☆本日メール送付予定です。なお、携帯メールの方には別手段を検討中です。少々お待ちください。
Tea Shotさん「▲24金から▲47角までの37手詰めですか?打歩詰めをめぐる虚々実々な(?)角の使い方が面白い。角の使用率が40%強で、まさに”角に始まり、角に終わる”稀有な作品と思います。
眼目(?)の▲69角を実現する▲46桂の伏線がアクセントとなり、飛角を男女に見立てれば、派手に活躍する女主人公に加え、睨みを利かす男の存在感が光るドラマを連想させます」
☆面白い見立てをしますねえ。睨みを利かす男…あぁ、2時間モノならば船越英一郎か…違うな(笑)。
ほいさん「ヒントを頂いて解けました。角合と4六桂の雰囲気は初回で見えたのですが、6九角が見えませんでした~。今回は頑張って、1九王まで追って行って打歩になったので気が付けました。パズル的で面白い作品でした。すてきですね」
たけとひでさん「5一角と6九角を両立させる貪欲な作品。両方に飛車が働くのは見事」
☆作品集には他にも"貪欲の塊"みたいな作品がたくさん。楽しみにしていてくださいね。
嵐田保夫さん「よく計算し尽くされた絶妙作品というほかない。千日手を打開できずに数週間悩み、恥ずかしながら諦めて盤に並べてみたらすぐ解決。解ければなーんだという感じで自分の閃き力、空間認識力のなさにあきれる始末(何年将棋やってんだか死んでも直らない)」
☆いやでも暗算でのチャレンジは流石です。冬眠蛙はすぐに盤駒出しました(笑)。
中村雅哉さん「出張中の機内で、作意順の33角生、34玉まで読んで先の方針が立たず挫折。また、58桂はいかにも46桂、同金として14玉に58角や69角を打つ筋を誘っているものの、36歩合で役に立たないとこちらも速断。創棋会でたけとひでさんに聞いたら「69に角を打つんだよ」「打歩詰の筋が2回出てくるんだよ」と大ヒントをくれたので、ようやく解けました。
角打角合の筋は見慣れていますが、感心したのはいきなり伏線の46桂をやらずに角打角合の間に織り込んだところ。巧みな構成と思いました。古典的な香りのする手順構成の好作と思います」
☆たけとひでさん、大ヒントすぎです、それは(笑)。
凡骨生さん「打歩打開の69角を打つべく、47金の移動を図る33地点の虚々実々の駆け引きが難しく且つ面白く、詰め応えがありました。フー」
詰将棋1級さん「この作は解いてみると手が限られていて変化も易しく、狙いは面白く、着地はぴったり、とても自分好みの作でした。打歩詰を巡る軽い謎解きで、73馬を生角にする攻防はもちろん、好打69角をカモフラージュする47金と58桂馬にも作者のうまさ、こだわりがみえますね。
面白い詰将棋ありがとうございました」
小形靖夫さん「すばらしい、3度の歩打ち詰め誘致の3三角合とそれに対する対応、変化用の5八桂の処理と2箇所目の歩打ち詰め対策の6九角打、これに対する3六歩の移動合、最後の両王手の詰上がりまで緩みなく、解けて楽しい詰将棋でした」
☆簡単ではないけれども、解いて面白い、解けて楽しい、謎解きの理想ですね。
増田智彬さん「51角(限定打!)と33角の捨合の組み合わせが実に巧妙。27香でよく余詰まないなあとも思いました。そしてまさかブルータス手筋が出てくるとは想像していなかったですね。初形からは全くその匂いらしきものがありませんから。見事な構想中編でした。こういうのを詰パラで解きたいなぁ…」
☆最近はあまり謎解き型の中編は多くないですね。作家の皆さん、ご期待に添うよう頑張ってください。
しろねこさん「51角の繰り返しがいい。途中不成もあり成ると玉の逃げ場が14に限定され15金を馬で取り早詰みです。数日に分けて考える。柿木8で回答しました」
風みどりさん「23歩の邪魔駒消去だろうと予想して四苦八苦。でも考えてみたら23角同歩15馬の筋だったら下辺の配置が無意味だものね」
☆冬眠蛙も最初ちょっとそっちにハマりました。確か森長氏作でその筋があるんですよね。いやあ、既視感って怖い。
けんちゃんさん「角打角合に打歩詰打開の構想を絡めた意欲作。欲を言えば紛れ順をそのまま収束に使うのではなく、例えば69角に対し58歩中合をしてから36歩として、ここで1歩稼げたので別な収束手順に入る…となれば理想的だったが、これは望蜀というものか。(この作者がこう纏めたのだから、これが最善形なのは分かりきっているのだが)」
葉井来人さん「58桂配置が捨ててくれと言っているので謎に迫るのは苦労しないものの、打歩詰誘致から打開に至るプロセスの論理性が見事である。金で玉を上段に追う手順に緊張感があれば、引き締まった作品に仕上がったことだろう」
☆馬を切ってから下に追う部分ですね。確かにこの辺りはちょっと一本道で単調かも。ただ、この部分が難しいと、ただでさえ見えにくい構想なので、いよいよ迷宮に入ります。なので、個人的には助かりました(笑)。
谷口均さん「小川悦勇様、作品集完成、おめでとうございます。小川さんといえば、風車、ピンポン詰で著名な方、大変敬服している作家のおひとりです。岡田敏氏、山田修司氏からも凄い作家だとよくお聞きしています。私も以前近将で小川さんの作品(風車の一種?)を詰まして、その手順の滑らかさに酔いしれたことがあります。
ブルータス手筋69角実現のため、前半馬から生角34玉へ誘い道を開け馬へと変換する、二重の構想素晴らしいです」
☆作品集には上記にあげた両作品も収録されてますのでどうぞお楽しみに。「風車の一種?」は17番かな?
他、國吉進さんからも解答いただきました。ありがとうございました。上にも書きましたが、これからメールでPDF版の作品集前編を送付します。解答はついていません。自分で頑張って解いてみるのもよし、後編を待つのもよし、というところですね。
冬眠蛙は今頑張って解いている方です。硬軟おりまぜ、短編から長編まで様々な作品が並んでおり、退屈しません。解いて楽しい、感動・感心する作品が並んでおりますので、ぜひ皆さまも解いてみてください。
作品集は現在後編を隅の老人Aさん(小川悦勇さん)とBさん(今川健一さん)で鋭意作成中です。感想も心待ちにされておられるようですので、どうぞよろしく。
前回は途中図7まで進めました。伏線手46桂の意味、皆さんは見つけられたでしょうか。
(途中図7より)
▲24角成 △同玉 ▲51角 △33角 ▲同角成 △14玉
(途中図8)
再び角を打ち直します。玉方は同じ抵抗で捨合しますが、今度は同角成と成って14に追いこみます。ココです。
(途中図8より)
▲69角! (途中図9)
はるか彼方の69にはっしと打ちつける遠角。迫力ありますねえ。前回の46桂捨て(ひいては51角~33同角生で一旦34に逃がしたのも)は実にこの角を打つためだったのです。
これに対して、玉方は合駒するしかないですが、歩以外の駒は全て同角で詰みそう。でも見ると1筋~5筋まで全て歩があるため、歩合ができない…いやいや、36歩がありました。これは同角と取っても同金で詰みません。角を打った意味は?
(途中図9より)
▲15馬 △同玉 ▲25金 △16玉 ▲26金 △17玉
▲27金 △18玉 ▲19歩 △同玉 ▲28銀 △18玉
(途中図10)
おいおい、笑わせないでよ、これは前編で失敗した順と同じじゃない。打歩詰で失敗なんでしょ…おや?あれ?おっ!
(途中図10より)
▲19歩 △29玉 ▲47角まで37手詰。(詰上り図)
69角で飛の横効きが遮られているので、19歩が打てる、という仕掛けです。この王手をする駒をわざと攻方駒の効きを遮る位置に打つ手筋は『ブルータス手筋』と呼ばれています。(利波さんからの指摘に基づき一文削除します。詳しくは記事にて)
この作品においては、その角を打つための角打ち直し~同角生~46桂という一連の手順が、この69角を打つためだけの過程になっているのが素晴らしいです。また、これだけの手数をかけながらも失敗図と成功図の違いが鮮明に現れており、構想作として理想的な作品となっています。皆さんもぜひもう一度、手順を並べ直してご鑑賞いただければ、と思います。
(作者の言葉)
あれ?まだ全部解いてないのに解いたことになってる。
これはプレッシャーだなあ(笑)。
次回、皆様の感想を掲載させていただきます。
前回は作者の罠にはまったトコまででしたね(笑)。
さて、では下図でどう手を変えるか。
金取る以外に手あるの?という形ですが、打歩詰には付き物の、あの手筋を狙うことができます。
(途中図3より)
▲24馬△同玉▲51角 (途中図4)
一旦馬を捨てて、まるでリセットするがごとく、角を打ち直します。ただ、角の打ち場所は注意が必要で、▲42角では△23玉と引かれて不詰。流石の限定となっております。
▲51角に△23玉は▲27香以下詰みます。そこで途中図3に戻るべく再び捨て合しますが。
(途中図4より)
△33角▲同角生 (途中図5)
角捨て合に同角生とするのが好手。23への効きがないので、今度は△14玉は▲26桂△同金▲15歩以下容易に詰ますことができます。
ところが。
(途中図5より)
△34玉 (途中図6)
アタマに来ることに、今度は玉は34に逃げます。この局面はどれも手が続きそうになく、かといって▲24角成△同玉では何のために角を打ち直したのか全く意味なし。
万事窮したか。さあここでまた次回!…とすると「いい加減にしろ!」と怒られそうなので、ちょっとだけ手を進めます。
(途中図6より)
▲46桂 △同金 (途中図7)
実はここで58桂を捨てるのが正解です。あんまり意味がないように見えますよね。でもこの手がとっても重要なのです。ではどんな意味があるのか、それは次回後編で。土曜日に更新する予定ですので、皆さん考えてみてください。
ヒントをコメント欄に入れておきます。ではでは。
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