現代詰将棋の無駄合/有効合
さて、2回のアンケートでたくさんのご意見をいただいた無駄合/有効合の設定についてですが、解く立場と創る立場の両方のご意見が聞けて、大変面白い内容でした。改めて御礼申し上げます。
これから現行の出題形式における無駄合/有効合のハナシを若干深掘りします。なお、個人的には最終目的は2個です。
①:採点する場合で○にできるケースと×にできるケースを迷わないで済むようにすること
②:作品の選択、あるいは解説をする場合に合駒絡みの変長を意識するケースと気にしないケースがあることを理解すること
……うーん、大丈夫かな、自分。あんまし期待しないで読み進めてくださいね。あ、ちなみに目的の中で「ケース」という言葉を多用していますが、完全な定義を行なうという意味ではない、ということを指しています。
まずはこれから検討を進める前提を。これも2個あります。
①無駄合であることの条件は、"or条件"で考察する。
…これはどういうことか、と言いますと「条件1または条件2または…のいずれかを満たせば無駄合を主張できる」ということです。1個の定義で無駄合が説明できるほど簡単ではないのは、過去の論争でも自明のハナシです。誰かがある定義を作ると、その定義に属さないけど無駄合っぽい作例が必ず出ましたからね。たくさんパターンを出して、より良い条件にしていきたいと思います。
②無駄合かどうかを判定するのは、基本的に解答者目線で行なう。
これはどういうことか、アンケート②の図(下の図)で説明します。
半分くらいの方から有効合と回答されたこの図ですが、この図で作者目線を適用したときに、
『ワタシは作意を21龍、23合、14金までで設定した。したがって、22合は取ったところで作意は23合、14金で変わらないから無駄合である』
的なことを主張するのはナシですよ、ということです。
以上2点の前提を踏まえた中で、今後再び実例に戻ります。実例で明らかにすることは上記目的を踏まえ、「現代の出題形式における、"解答○×"と"キズとしての扱うレベル"の傾向」にしようと考えています。
あ、えーと、以前の『感想募集』自作改作詰将棋(下に図を再掲)について、早くも何名かの方から感想を頂戴しました。大変ありがとうございます。51手解の誤解がチラホラ出ておりますのでご注意を。まさに今回の改作の狙いの部分になります。
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そういえば解答書かなかったけど珍しく誤答してないぞぉ。やったー。
投稿: ほい | 2010/02/14 23:45
正解は以下の??手詰でしょうか?
(管理人より。後日解答発表するため、削除しました)
*9手目に64銀成が成立すると勘違いしていました。ご指摘の通り同玉,63と,65玉の順を見落しました。
ハンドルネームを”誤答 満”に変えようかと思っています。
投稿: Tea-Shot(安田 進一) | 2010/02/19 21:16
Tea-Shotさん、今度は正解でした。ヽ(´▽`)/
解答は一応伏せますね。すみません。
投稿: 冬眠蛙 | 2010/02/22 00:01