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特別出題 小川悦勇氏作 解答

▲24銀 △同龍 ▲12銀成 △同龍 ▲24金 △同玉

▲34飛 △15玉 ▲27桂 △26玉 ▲36飛 △27玉

▲38銀 △18玉 ▲27銀 △同玉 ▲49馬 △18玉

▲38飛 △17玉 ▲27金 △同玉 ▲32飛成 △26玉

▲16馬 △同龍 ▲36龍 △15玉 ▲16龍 △24玉

▲14龍 △35玉 ▲36飛 △45玉 ▲44龍 △同玉

▲43角成 △55玉 ▲65金 △45玉 ▲54馬 迄41手。

 (詰上がり「へ」の字)

 

最大限に強調しました3手目12銀成ですが、実はこの2手の交換を入れなくとも、ある一ヶ所を除けば作意はそのまま成立します。さあそれはどこでしょう?

(失敗順)

▲24銀 △同龍 ▲同金 △同玉 ▲34飛 △15玉

▲27桂 △26玉 ▲36飛 △27玉 ▲38銀 △18玉

▲27銀 △同玉 ▲49馬 △18玉 ▲38飛 △17玉

▲27金 △同玉 ▲32飛成 △18玉 で不詰。

実に20手以上後に不詰箇所が出現します。上のFlash盤で確認してみてください。12銀成、同龍の交換の意味は27金、同玉から開き王手する瞬間に18に玉を逃がさないためだけのものなのです!なんと美しい変化伏線でしょう。

無論いくら伏線がうまく入っても、それだけでこの長手順の作品を支えきれるものではありません。でももう一度手順を見てみてください。全体的に糸を手繰るがごとく緊張感のある手順が展開されています。特に銀を消去して49馬から38飛と引く手や、32飛成に26玉とした直後の思い切った馬捨て。全体的に程よい変化の厚みがあり、絶妙のバランスと思います。

『作者の言葉』

お気に入りの構想が不完全作で解答者に伝わらない時、未練ばかりが残ります。

(この構想も発表図が早詰で不発に終わり未練が残る。)

本修正図は「詰将棋50音図」に密かに登録をお願いしたのですが意外な展開で表舞台に立たされ、申し訳ないやら嬉しいやら妙な気分です。

いずれにしても数10年来の未練が払拭されました、有難うございます。

詰上がりは発表時にも前例が1作ありました、回避するのは難しく宿命?でしょうか。

(未熟を棚に上げています)
 

詰上がり図はミニ煙にもなっていますので、一致しても当然止むを得ないものと思います。原図は近代将棋に発表されており、序奏に更に趣向的な手順を入れてあったのですが、残念ながら早詰でした。でも今回の修正図でも決定版と言っても過言ではない完成品ではないか、と思います。

○○ コメントいただいた方(カッコ内は累計ポイント数) ○○

しろねこさん(26歩) 凡骨生さん(20歩)

坂本栄治郎さん(11歩) さわやか風太郎さん(2歩)

利波偉さん(20歩) DISABLEDさん(24歩)

ごぶりんさん(13歩) たくぼんさん(22歩)

隅の老人Bさん(12歩) たけとひでさん(4歩)

嵐田保夫さん(11歩)

 チャレンジされた足跡を残された方は全てポイント加算対象としています。絶賛の評が多くて出題した冬眠蛙としても嬉しいです(…って普段そういうのをお前が出せ、と言われそうなんですが)。

 短評は後日掲示いたします。お楽しみに!

★解答いただけなかった方でも、この記事への感想をお寄せください。同様に一回につき1歩ポイント加算します。
★10歩まで貯まった時点で「図書カード1000円分」または「冬眠蛙のミニ作品集」のどちらかを進呈します。10歩以上になられた方は10歩ごとに同様に選べるものとします。

今回で凡骨生さん、利波偉さんが節目の10歩到達となりました。ご希望の賞品をメールいただければ、と思います。利波さんは次回にお会いしたときにお渡しできそうかな?

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