思い出の短編
昨日一挙に4作もの投稿をいただきました。初めての方からもいただき、驚くやらありがたいやら。おもちゃ箱で紹介してもらったこともありますでしょうか。TETSUさんありがとうございました。
今回は9手詰までということにさせていただきましたが、これは本番側と手数がかち合わないように配慮したつもりです。まああまり考えていないんですけどね。制限が少ないのは勿論自分が苦手だからです(笑)。
ちなみに冬眠蛙にとって、9手詰というと思い出す作品があります。将棋マガジンに発表されたこの作品です。
若島正氏作(『恋唄』所収)
ヘタクソながら解説をつけてみますが、いったん解いてみることをオススメします。スゴイですよ。ここまでムシが良くていいのか!という感じです。
空き王手ができる形で迷いますが、よく整理してみると47の桂馬が浮いていて、かつ58から下部に抜ける逃げ道をなんとかしなくてはいけないことがわかります。56飛だと47玉で駄目だし、他の場所では58玉とされてもう駄目っぽそう。…ではないのです!初手▲68飛が妙手。△47玉なら▲48飛ですし、△同玉は▲69金。合駒するしかなさそうです。…が、何を合駒しても▲58金から▲45とで詰み。なんだ簡単じゃない。
いえいえそこで終る作品ではありません。玉方も秘手で対抗します。△75龍!えぇーっタダじゃん。ところが▲同角は△68玉▲69金に今度は△77玉で詰まないではありませんか!でも捨て合を取らずに▲58金と打てば…って今度は△46玉▲45とが△同龍で詰まない。なんてウマイ合駒でしょう。
しかしちゃんと更なる素晴らしい対抗手段がありました。▲58金△46玉に▲66飛が妙手。△同香に▲73角成とすれば取っても合駒しても▲45と迄です。空き王手を構成する大駒2枚を捨てる華麗な収束が見事です。
(正解)▲68飛△75龍▲58金△46玉▲66飛△同香▲73角成△同龍▲45と迄9手詰。
いや、何度見ても凄い作品だと思います。…が、『恋唄』の解説を読むと『58金の手触りが気に入らない』。…なんてゼイタクな。そのせいでしょうか、将棋マガジンの年間最優秀作にもかかわらず『盤上のファンタジア』には収録されませんでした。でも『恋唄』は既に絶版ですし、埋もれるにはあまりに惜しい作品と思いますので紹介させていただきました。ヘタクソな文章ですみません。作者に無断で掲載してしまいました。若島さまゴメンナサイ。駄目!という場合はご連絡ください。即刻削除しますです。
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