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2005年11月

この魅力ある世界に

今、けんちゃんさん(←ヘン)のコメント(こちらの記事のものです)を見て感心しているところです。変別を避ける、というのは考えもしなかったですね。
私は変別×論者ですが、その割りに解答ではよくひっかかります。確かにひっかかるとあまり面白くないですよね。そういう意味でも、これから詰将棋をやりたい、という方には向いていないかもしれません。

ただ、この世界の面白さをわかってもらうためには、ただキレイに捨てる作品ばかりでも駄目かなあ、という気がします。ちなみに私が詰将棋に興味をもったきっかけのひとつとなった作品はこれ。若島正氏作です。
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ちょっと初心者向けとは言いがたいですが、解説欄をぼんやりと見ていて、この作品の4手目はウソじゃないかと思いました。こんな手がこの世界では表現できるのかと。


そういった経験のせいかもしれませんが、私的には、一般の方に見てもらいたい作品は「多少形がヘンであっても、『おっ?』という手が入っていたりする作品」ですね。もしくはほとんど紛れがない趣向詰とか。現実的な「終盤のトレーニング」から一歩足を踏み外してほしい(笑)なと。
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これは自作です。なんとか使用駒一桁に抑えましたが、盤面が少し広がってしまいました。でも私が一般の方に見てもらいたいのは、こんなタイプです。

修正作業と読書近況

致命的変同が出てしまったパラ11月号の作品の修正作業を現在行なっています。簡単に出来ればいいんですが、紛れが濃い上に収束の制約が大きいので意外と大変。ある程度の案はまとまりましたが、またパソコンに頼りすぎて不完全、という憂き目を見ないようしっかり検討したいと思います。

ここのところ書評をさっぱり書いてませんが、新潟帰ったりもしてるのでそれなりに読んでおります。一番最近読んだのは法月倫太郎の短編集「パズル崩壊」。作者渾身の中編、と銘打たれた「カット・アウト」はいまひとつ好きになれませんでしたが、葛城刑事ものが楽しめました。他で良かったのは北村薫の「秋の花」。真相推理が鮮やかですし、終わり方がとても良かったです。
京極夏彦の「姑獲鳥の夏」のDVDが近くのレンタルビデオ屋さんでレンタル開始されているのですが、今のところずっと貸し出し中。しかし、榎木津探偵役が阿部寛、木場刑事が宮迫博之ってのはまたスゴイ。早くみてみたいです。

急告

短大教授の石黒さんからメールをいただきました。

>今川健一さんから解答をいただきまして指摘があったのですが、
>4手目角合って作意以外に早い順があるのでしょうか?

…あれ、これってどうやるんだっけ…調べてみるが、どう見ても作意以外詰まない…。合駒非限定でした。大ショックです。
悩まれた方、本当にすみません。

つらつらと当時(ゴールデンウィークの頃ですね)を思い出してみました。確か角出に対して合駒、というパターンを考えたときには銀合と角合の両方あるのに気付いていたところまではうっすらと記憶があります。で、確か最後の余詰消しで角を使えばいいんだな、と思って色々と試してみて、最終的に21桂配置になってしまって、その時点で角合がエアポケットに入ってしまった模様です。

関係者の方々、とりわけ解答者の皆様に深くお詫び申し上げます。ご連絡いただいた石黒さん、ご指摘いただいた今川さん、大変ありがとうございました。
それにしてもコンピュータに頼りすぎるといけない、といういい例ですね。つくづく浅はかでした。最後にもう一度、本当に申し訳ありませんでした。

残留まであと一歩。

昨日はサッカーでわがアルビレックス新潟とジュビロ磐田の試合がインターネット中継。寮の部屋でひとり熱狂のるつぼと化してました(←矛盾)。エジミウソン、本当にアンタはえらい。普通だったら「こんなにボールが来ないチームはもうイヤだ!」と前半で帰っても不思議ないくらいなのに、我慢に我慢を重ねて後半大爆発。心から言いましょう。ハットトリックおめでとう、そしてありがとう。
あとひとつ勝てば文句なしの残留です。FC東京、名古屋、浦和と強豪相手に試合が続きますが、ひとつでも上の順位を目指してほしいと思います。


そういえば、前に出したアルファベットのパズルの解答を忘れていました。正解は「ONE WORD」です。どこが1個の単語だ!という方は辞書をひいてみましょう。

ごめんなさい。決して悪気は…ないとは言えないなあ。(笑)
ではでは。

「完全に満足」って一体。

13日に紹介した以前新聞向けに出したやつ、ちょこちょこいじってみて、やっとここまでになりました。
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イメージした手順のとおりなんですよ、一応。でも気に食わないところが。15香とか。2手目の変化もどうもねえ。なんなんでしょうね。
たくぼんさんも書いてましたが、今まで創作してきて、「これで完璧!」という体験は無いですね。必ずどっかしら妥協しています。仕方ないのかなあ。でも最近はその妥協のポイントが若干悪いほうにずれてきてるような気がします。もっと頑張らないと駄目ですね。

アロエさん紹介のパズル

ちょっと煮え切らない部分はありますが、とりあえず私なりに解答を。

問題

6個のパチンコ玉の中に1個だけ重さの異なるものがある。重量計を3回使ってみつけよ(重さも)


解答

パチンコ玉をA、B、C、D、E、Fとします。

1回目はA~Dを量り、2回目はC~Eを量ります。
<分岐1>
このとき1回目と2回目の結果が4:3となっていれば、重さが異なるのはFであり、
Fの重さは3回目に量れば判明し、残りは2回目を3で割ればOK。

3回目はBとCを量ります。
<分岐2>
1回目と3回目の比率が2:1になっていれば重さが異なるのはE。
Eの重さは2回目の結果-3回目の結果。
残りは3回目の結果を2で割ればOK。

<分岐3>
2回目と3回目の比率が3:2になっていれば重さが異なるのはA。
Aの重さは1回目-2回目。
残りは3回目の結果を2で割ればOK。

<分岐4>
(1回目と2回目の差)×2=3回目だった場合、重さが異なるのはD。
Dの重さは2回目-3回目
残りの重さは1回目-2回目でOK。

<分岐5>
残りはBとCのいずれしかありません。
ということは、1回目から3回目の値を引いた値を2で割ったもの(a)が残りのパチンコ玉の重さです。
2回目がa×3だった場合は偽物はBで、Bの重さは3回目-x
そうでない場合は偽物はCで、Cの重さは3回目-x
…となります。


もう少しスマートに説明できれば良かったのですが。いかがでしょう。

きゃんゆーすぴーくいんぐりっしゅ?

英語しゃべれる、というのが最近ではステータスでもなんでもなくて、結構当たり前になってきてますよね。私は実はさっぱりです。そもそも海外に興味なし。パスポートすら持ってません。周りの海外に行った人の大半は「日本が一番いい」と言っているのですが、んじゃなんで高い金かけて海外行くのかと。どうも納得いかないわけです。私みたいな人、他にもいるんではないかなあ。

…というわけで、本日はそんな英語の苦手なあなたにも解ける?英語パズルを。

『D,E,N,O,O,R,W』
の7つのアルファベットを組み合わせます。
例えば
『NEW DOOR』。
これはNEWとDOORという2つの単語で構成されてますよね。

では、並べ変えることによって1つの単語にしてください。

私も解けたので10分で4級、ということで。(笑)

二日連続の大枚流出

一般的小市民を標榜する冬眠蛙としましては、昨日のギター3万円は清水の舞台を飛び降りる覚悟で衝動買い(なんか矛盾してるような)したわけで、『こりゃしばらく慎ましい生活しなくては』と思ったばかりでした。

…んで、先ほど携帯電話でメール届いたわけです。母から。

笑点のDVDが買いたいんだけど購入方法をインターネットで調べてくれ」

…いい加減インターネット加入しろよ、パソコンあるくせに…とは思いましたがまあいいや調べるくらい、と思ってHP検索。5枚組21000円、インターネットの予約販売しかなさそう。まあいいか着払いにできるし。

とここでなぜか以前笑いシークというサイトで見た「ありがとうって言いそびれたやついる?」というフラッシュ(涙なしでは見れません)が頭の中をよぎったわけです。普段親孝行という言葉とかけ離れた生活を送る私として、やはりここは御礼がわりに購入してあげよう、と一念発起。カード購入することにしました。

実家に電話して報告。
息子「インターネットでしか予約できなそうなので予約しておいた」
母「そうなんだ~、

5000円くらい?

「帰ったらハンマーでDVDを原子レベルにまで粉々にしてやるぞコラ」と思ったのは言うまでもありません。
まあ喜んでくれただけよしとしましょう。

さて、そういう私はつつましく詰将棋創作。…といっても以前新聞に出したものをいじっているだけですが。
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35歩の余詰防止の配置が気に食わないので、作意を含めて見直ししてます。目指せ表紙作品、ということで頑張るとしましょう。

6畳一間の悲劇

現在私は会社の寮に住んでおりまして、部屋は6畳一間というまあありきたりな寮ですね。昔は独身寮は相部屋だったという話ですし、学生時代もアパート暮らしでしたので、特に不便は感じておりません。

…が。


今日起きてみたら。


なんとギターのネック部分が折れていました。(T_T)


最近寒くなってきたので冬用の布団に変えたのですが、そのせいで夜中暑くて動いたときにギターを思いっきり蹴り上げてしまったらしい。
無精で壁に立てかけておいたのもよくなかった。

現在周囲の部屋の人が全員単身赴任で土日はおらず、ギターを思い切り弾ける環境下にあって、毎週楽しんでいたので、これはツライ。泣く泣く大枚3万円はたいて中古を買ってきました。(ギターってなぜか知らないがリサイクルセンターとかに行くと必ずありますよね。『買って練習してみたけど駄目だったからポイ』という人が多いんでしょうね)
今回は普通のアコースティックではなくて、エレアコというタイプにしました。好きなバンド、Mr.Childrenの櫻井和寿が使っている、という非常に安直な理由です。帰ってきて弾いてみたら、前の普通のアコースティックよりもドライな感じの音でなかなか面白い。弾き語りには向いている音かもしれませんね。
ギターの裏が平らでないので今回は専用の置き場所を設定。ぷらさんに怒られないように大事に保管します。(笑)

天秤と重量計・作意

前回出題した天秤と重量計について、蛙場さんから面白いコメントをいただきました。確かに私の質問の受け答えからすると、ご指摘の内容で1回で計れることになりますね。感心した次第です。これで正解にしたいですね。(笑)

ちなみに作意は、というと

「袋の名前を①~⑭として、
1回目:全部の袋から1個ずつコインを取って重量計で重さを測ります。全部8gだとすると112gになるのですが、ひとつは偽物なので必ず違う値になります。その差分+8gが偽のコインの重さということになります。
2回目:①からは0個、②からは1個…⑭からは13個コインを取り出して重さを計ります。結果として
8g×(1+2+…12+13)の重さになっていた場合、偽物のコインが入っているのは①の袋となります。
そうでない場合、測定結果―8g×(1+2+…12+13)を求めて、それを1回目で求めた差分で割り返します。答えは整数になりますので、それに1をプラスした番号の袋が偽物の入った袋、ということになります。」

…という内容でした。ちなみに元ネタの金田一少年の事件簿では偽物のコインの重さも定義していましたので、明快に1回で測れる、ということになります。ちょっとアレンジのやり方がイマイチでした。1袋20個とかにしておけばよかったですね。反省しております。

ところでアロエさんが紹介してくれたパチンコ玉のパズル、なかなか難しいですね。正解わかりしだい、ここでまた紹介したいと思います。←いつになることやら。(笑)

解図日記

高坂さんの作品集を解き終わり、たくぼんさんのところでやっている第2回アンチキルケ作品展を3日間かけて解き終わりました。12題中9題はにらめっこしている内になんとか解けたのですが、残り3題に悪戦苦闘。たくぼんさんは温かく、「fm(解図プログラム)も使用可」と書いてくれていたので、早速起動したのですが、取っておいたはずの説明書(たくぼんさんがメールに書いてくれたもの)を紛失してしまい、結局使えず。こうなったら意地でも自力で解いてやる!と無い頭をフル活用してなんとか全部解けた次第です。

やっぱり悩みに悩んで解に辿り着いたときの衝撃はすごかったですね。久しぶりにこんな感覚を味わったような気がします。こういったことがあるので、コンピュータを使った解答、という現代の風潮には賛成しきれないのが今の自分です。

今日は高坂さんの作品集から私お気に入りの2題を。あ、アンチキルケではないですからね(笑)。
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どちらも感動というのとはちょっと違いますが洗練されていて解いて気持ちよい作品と思います。ぜひ自力で解いてみましょう。そして前例のとおり、ご感想をなにとぞよろしくお願いいたします。

ミステリにおけるトリックの取扱

天秤と重量計のパズルはいかがでしたでしょうか?アロエさんからのコメントにもあるとおり、2回で特定可能です…ということは天秤でないのはバレバレですね(笑)。あれはつけたしです。
このネタは「金田一少年の事件簿」というミステリ漫画から拾ってきました。この漫画は結構ヒットして堂本剛でTVドラマ化もされましたし、TVアニメでも放映されていたと思います。なんだ漫画かよ、と思われるかもしれませんが、ストーリーもトリックもしっかりしていて、下手なミステリ小説よりもよほど楽しめます。
第2話の「異人館村の殺人」というのがありまして、実はここで使われているトリックは島田荘司のデビュー作「占星術殺人事件」のものをほぼそのまま使っています。この小説は本格回帰の原点としてあまりにも有名であり、当時から賛否両論があったと聞いています。個人的には「占星術」よりも「異人館村」の方が好きですね。それは当時非難された「読者に対する挑戦」がどうのこうの、ということを問題にしているわけではなくて、ストーリーの一貫性の有無があります。「占星術」の方は中盤のほとんどが実は本筋には関係ない、というのが正直、読んでてがっかりでした。それを踏まえてみると、「今なら中編で書ける話だよなぁ」と思います。その点で「異人館村」の方は(多少動機に無理があるかもしれませんが)無駄のないストーリーになっているので読んで納得できる作品になっていると思います。

…でも、言ってみれば「トリックそのままパクリ」なわけで、詰将棋で言えば"主軸となる趣向部分がほぼ同一の作品"みたいなハナシですよね。これがなんの問題にもならずにスルーされてしまうあたり、意外とこの世界は大雑把なんだなあ、と思った次第です。で、これもまた悪くはないかもしれないな、と。この漫画が新しいミステリファンの開拓に大きく貢献しているのは言うまでもないことなので。
そういう意味では有限の世界である詰将棋において、類作についても寛容であっていいのかもしれないな、と思いました。

ちなみに今日やっとパラ11月号の作品に手を付けはじめ、短大に前このブログで出した作品が入選していたことがわかりました。久々の入選ですので桂花さん、なにとぞお手柔らかに…。

天秤と重量計

高坂さんの作品集を解き終わりました。3分の1位は前に見たものだったせいもあり、私にしては早く解けたほうです。氏の詰棋観たっぷりの解説を堪能しました。羨ましいでしょう。…でも一部耳が痛いのもあったりして(笑)。今度また作品紹介させていただきたいと思います。

さて、その高坂さんが前に出したということで紹介したパズルの解答を。これで合ってるかどうかはわかりませんけど。(^-^;

前2人の帽子が見える一番後ろの人がわからないと言ったということは、前二人の帽子の組み合わせが白二つでないことになります。それを前提にした上で真ん中の人がわからないと言ったということは、一番前の人の帽子が赤だったから、ということになります。それで一番前の人は後ろ二人の回答から自分の帽子の色が赤であることを知った、ということになります。

…でいいはずかと。どうでしょう?

さて、今回は昔読んだある本に載っていたのを少しだけアレンジしたものを出題。これも初級者向けと思います。

「1枚8gのコインがたくさん詰まった袋が14個あります。しかし、この中のうちの一袋だけは中に入っているコインが全て偽物で、重さは揃っているのですが8gではありません。

そこで天秤か重量計のいずれかを使用して、偽物の入っている袋を特定したいと思います。
さて、どちらを使った方が少ない回数で偽物の入っている袋を特定できるでしょうか?」

ちなみに出典の本を当てたらスゴイ。次回はその本の話をしたいと考えております。

塚田賞について

TETSUさんのおもちゃ箱で今年の塚田賞選考について取り上げられていました。なんでも半年遅れとなった上に票の集計もおかしかったとか。
「とか」と書いたことからもわかるとおり、現在私は恥ずかしながら近代将棋を買っておりません。立ち読みでも読まないですね。いつごろからでしょう?もう結構長い気がします。前は穴が空くほど詰将棋欄を見ていたものですが…。
理由はいくつかありますが、ある時期から「朝」「昼」「夜」の3分類がなくなり中長編がほとんど載らなくなったことが大きいですね。"あぁ、詰将棋に好意的でなくなってきたな"という感を強く受けました。あと、出題欄に「パソコンソフトでの解図時間」が載っていたのにも幻滅。あれで解図意欲がわくとでも思っているのかな~。

現在は中長編コーナーも復活していますし、柳田さんがしっかりと解説されている、ということですので、前よりは改善されてきているんでは、と個人的には思っています。運営についてですが、もう「賞品はなく名誉だけ」とキッチリ書いてもいいのではないかと思います。極端な話、入選作に対するお金もナシにしてもかまわないのではないかと。その分塚田賞選考だけはキッチリやってほしいな、と思います。作家や読者として、一番見たいのは一流作家の視点が覗える選考コメントや、創作の苦労のにじみ出た受賞の言葉ですから。
「詰将棋ファンからも愛される雑誌」としての近代将棋誌の発展をお祈りしております。

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